地球環境基金助成金の要望受付が開始されました。助成金要望書の書き方で、一番大事になるのが、活動計画のロジックです。今回はこのロジックモデルについて考えていきたいと思います。
ロジックとは、論理のことです。活動を始める前に、その活動が論理的に整合性のあるものか確認するためにこうしたロジックモデルというものを用いて確認します。図をご覧ください。
まず左側に、環境問題の課題があります。その課題を解決して、達成したい最終的な目標「上位目標」が一番上にあります。この上位目標を達成するためのアウトカム。アウトカムを達成するための、アウトプットアウトプットを達成するための活動という順番に通常考えていきます。
ここでいうアウトカム、アウトプットについて説明します。「アウトカム」とは、課題が解決されたら実現するはずの望ましい姿、状況のことを言います。状態を表す言葉ですので、「こういうふうになる」といった表現で表せると言われています。さらにそのアウトカムがどれくらいのレベルであれば達成されたかという実現量、実現度合いをアウトカム指標と言っています。これも考える必要があります。
続いて「アウトプット」です。「アウトプット」とは、活動によって生み出される活動量、実施量のことを言います。「何回した」とか「何人参加した」とかいう表現で表せるものです。
ここでは、活動計画のロジックモデルは、まずは目標から考えるということがとても重要であることを強調しておきたいと思います。
しかし、「ロジック」と言っても難しくてよくわからないとお考えかもしれません。ロジックモデルから考えるというのはなかなか慣れないと難しいものです。けれども、色々な助成財団の要望書の様式を見てみると、アウトカム、成果目標や活動計画といった項目がよく見られ、今や一般的に用いられていることがわかります。従って、ロジックモデルの考え方がわかっていないと他の助成金を獲得するのも難しいということになってしまいます。
そこで、ここでは、変則的に、みなさま方が「やりたいこと」「活動したいこと」を出発点してロジックモデルについて考えてみたいと思います。
わかりやすくご説明するために5つの手順にそって、絵を使ってご説明させていただきます。1つ目が「やろうと思っていることは何か?」、2つ目が「なぜそれをやろうと思っているか?」、3つ目が「理想はどうなってほしいか?」、4つ目が「何がどうなれば成功したと言えるか?」5つ目が「どれくらいやるか?」です。
○要望書の書き方ワークシート(カレーライス)
カレーライスを例に挙げてご説明します。
もう食べられないと思うようになるには、どれくらい食べればいいでしょうか。「カレーライス3杯」くらい食べれば、もう食べられないと思いますよね。もっと食べられる方がいるかもしれませんが、3杯としておきたいと思います。カレーライスを食べる活動をこんなふうにロジックモデルとして説明できます。
○要望書の書き方ワークシート(自然観察会)
では、カレーライスで見てきた例を環境保全活動に当てはめて考えてみたいと思います。
ここでは自然観察会にしてみたいと思います。
いかがでしょうか。このような順番で考えてみると、みなさまの活動がロジックモデルに当てはめていただけるのではないでしょうか。
様式その2-2
実は、今ご覧いただいた絵は地球環境基金の助成金要望書の様式その2-2と対応するようになっています。
まず、①やろうと思っていることは何か?これは、様式2-2(3)の活動計画に当たります。
②なぜそれをやろうと思っているのか。こちらは、様式その2-1の②解決したい課題・問題点にあたります。
③理想はどうなってほしいか?これは、様式2-2(1)の上位目標に当たります。 ④何がどうなれば成功したと言えるか? こちらが(2)アウトカムに当たります。⑤どれくらいやるか。これが(3)アウトプットになります。
ただいまワークシートにお示しした内容を、もう少し詳細を具体的に考えていただき、要望書の様式に書き込んでいただければ、要望書の核となる部分ができあがることになります。ワークシートを使って、要望しようとしている活動を整理してみてください。