助成について

東日本大地震による岩手県内海岸林の津波被災状況と再生についての調査研究

所在地 活動分野
岩手県 森林保全・緑化
団体名
森と緑の研究所
所在地
〒020-0124
岩手県盛岡市厨川5-8-6
TEL:019-643-0041/FAX:019-643-0042
URL:―
団体の設立経緯・目的
「豊かな森の創造と緑の環境保全」を目的に、平成20年6月に発足した森や緑に関心をもつ研究者、技術者を主とする会員20余名の任意組織である。「森と緑の諸問題」をともに学び、協働で調査研究を行い、地域に寄与すべく関連諸活動を展開している。
主な活動対象地域
岩手県
活動形態
調査研究
活動分野
森林保全・緑化
本プロジェクト助成継続年数
1年目

津波被災防潮林の全域概況調査-久慈市野田前浜の状況-

活動の概要

助成活動の趣旨・目的

東日本大地震による大津波で、東北の太平洋沿岸地域に大災害が発生した。防潮のほか魚つき・保健休養等多くの環境保全機能を有する海岸林は、集落や諸施設とともに激甚な被害を受けた。この被災の実態を科学的に把握し、防潮等災害軽減に果たした森林の役割を解明するとともに、多面的機能を強化する新たな視点からの再生技術を考案し、地域復興に寄与するのが本活動の目的である。
 津波に対し森林がどの程度の防潮効果を発揮したか、地形や防災施設、森林構造による被災程度や差異を検証し、樹種・林相別等の効果を比較する。あわせて跡地の植生の自然回復状況も調査する。その結果をもとに、施設と調和する海岸林の配置、適正規模、構造、樹種の選択や導入方法等を明らかにする。そして、被災地区別の「多面的な機能を備えた海岸林再生計画と実践的な緑化技術」を提示し、一部の地区で試験施工する。

助成活動の成果と効果

岩手県沿岸の防潮林は、一部の例外を除き全地区が津波の被害を受け、県有防潮林とみると全滅地区が14事業地、一部残存地区が10事業地、被害面積率にして約90%が壊滅した。林木が倒れ、折れ、流される過程で、津波に抵抗しそのエネルギーを減衰させたことが、残存するマツの幹や根の破壊形態や表土の浸食・堆積状況等から推察できた。生存木の衰退は追跡調査が必要である。
 防潮堤を超える今回の津波の巨大な衝撃エネルギーは、これまで体験したチリ地震津波等と異なり、想定外に巨大なもので、存在したマツ林の防災機能をはるかに超えるものであった。配備防潮林の規模は、日本海側の能代、庄内等に比べかなり小さかった。残されたマツ林を見ると、地形的に周辺より地盤が高く林相も健全な大木群落であった。
 これら現地調査で得られた知見は平成24年度の研究計画に反映され、追加・補足調査を検討している。

(助成金額:1,367千円)

助成活動の実施結果

平成23年12月~3月の期間、はじめに岩手県内沿岸部約150haの津波被災防潮林を概査し、典型的な被災事例4地区を選び、立木の被害状況や立地環境につき詳細に調査した。被災直後と異なり林木・林地の被害状況は把握し難く、これを補完するため被災前後の衛星画像や空中写真を活用し、また地域住民や行政担当者等から当時の状況を聞取り調査した。
 3地区は主に地形条件別に、残存林分と壊滅林地が対比できる宮古市の田老浜、釜石市の根浜、大船渡市の吉浜である。調査は冬季になったが、対象防潮林の被災の全貌、関連防潮施設の被災状況等を調べ、防潮林の存在の影響を検討した。
残存林分と壊滅林地の対比は、縦横断測量、立木や被害幹根は方形区・線状区法で毎木調査し、代表地点で地被物・土壌断面・塩分量・透水性等を深さ別に調べた。これらの調査結果は防潮林の被災実態や津波への抵抗状況の把握とともに、緑の再生に向けての技術的な参考になる。

目次

このページの先頭へ