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地球環境基金×スペースふう×明治大学プログラム評価研究所「ロジックモデルを活用したマネジメント支援」第2回ワークショップを開催

平成29 年6 月23 日(金)富士川町民会館において、「ロジックモデルを活用したマネジメント支援」の第2回ワークショップを開催しました。
 最初に、明治大学北大路氏から前回作成したロジックモデルを整理した案が提示され、その後、源氏のファシリテーションのもと、課題と解決策を考えるワークショップを行いました。合計3時間半、スペースふうのスタッフが3グループに分かれ議論しました。

脱使い捨て社会に向けた作戦をより良くする

1.4つの直接目的について北大路氏から説明

私たちの方で前回皆さんに挙げていただいたロジックモデルを整理してみました。最終アウトカム(上位目的)が「脱使い捨て社会」で、その下の作戦目的(中間アウトカム)が「リユース食器が普及する」「使い捨て容器が減る」としました。そして前回出していただいた活動を塊として整理すると、直接目的はおそらくこの4つに分かれるだろうと思いました。

  1. ① 「リユース普及を支える制度・仕組みが整う」
  2. ② 「リユースサービス業界が成長する」
  3. ③ 「スペースふうが最高ブランドと評価されるようになる」
  4. ④ 「スペースふうの業績が向上する/労働環境・条件の良い職場になる」

2.課題の解決策を考える

源氏のファシリテーションのもと、「サンフラワー」「いちゃもん」「プラス1」の3つのグループに分かれ、さらに課題を議論し、ピンクの付箋に書き出しました。

(1)追加された課題

  • ・政策提言ができる人が不足している。戦術が不足している。
  • ・イベント主催者側と利用者(売店)側の温度差の違いがある。廃棄食器がどう再利用されているかわからない
  • ・最高クラスのリユース食器を作るとコストがかかる。
  • ・運営委員会で決まったことが降りてこないことがある。勤務時間の融通が利かない。それぞれのセクションで融通が利かない。効率がいいかわからない。キャッシュインが少ない(ファンドレイジング)。会社と違い有償ボランティアがどう取り組むのか戦略が必要。

(2)課題の解決策

つづいて、課題の解決策についてアイディアを出し合い、4つの直接目的のもとに整理しました。

  1. ① 「リユース普及を支える制度・仕組みが整う」ための課題解決策
    ・廃棄物関係の他団体との連携で、アピールする。企画力、営業力人材確保(すべてにわたる)。子供向け啓発(次世代につなげる環境教育プログラム)を行う。環境にはお金がかかるという社会的風潮づくり。
  2. ② 「リユースサービス業界が成長する」ための課題解決策
    ・広報PRの分析ができる人の確保。ごみ処理税金がもっと高いとわかってもらう。スポンサー、理解企業を増やす。企業、イベントとのつながりを増やす。世代交代に向けての人材の土台づくり。普及活動ができる人を増やす。人脈を広げる、情報収集能力アップ。
  3. ③ 「スペースふうが最高ブランドと評価されるようになる」ための課題解決策
    ・受益者も負担するしくみ、コスト負担の実証実験をする。イベント主催者の事情を共有しながら交渉していく力。エアコンの設置。費用対効果の決断力。新しい受注システム、タブレットの導入で事務所に行かなくても事務処理できるようにする。
  4. ④ 「スペースふうの業績が向上する/労働環境・条件の良い職場になる」ための課題解決策
    ・もっと一人一人が公の場で発言してアイディアをかたちにする。セクションが違う担当との交流。情報の違いによる解釈の違いを認める。日常の中で気づいたことを伝えることができる勇気をもつ。黒字にしてみんなで旅行に行く。一人一人が目標を設定し達成したらご褒美をあげる。

メンバーが大切だと思っていることがわかると取り組みやすい

3.アクションプランの作成

最後に、グループごとに優先的に取り組んでみたいものを3つまで選んで、その中から具体的にアクションを考えてみました。

  1. ① 世代交代に向けて(いちゃもん③)
    ・何をもって世代交代になるのか明確にし、そして20-30 歳台を確保する。
    ・理事たちが思っている思いを引き継げる人がいい。若い人でイベントコーディネーターとかできる人がいればいい。
  2. ② スポンサー支援獲得に向けて(サンフラワー②)
    ・プロジェクトチームをつくり、企業イメージアップの仕組み(リユースカップに広告)をつくりアピールする。そして、広告費を企業に負担をしてもらい、利用者の負担が減らす、といったパッケージ提案をつくる。
  3. ③ 営業力人材の確保に向けて(いちゃもん①、プラス1①)
    ・興味のある職種を出してもらうと、やりたくない職種が一番弱いことがわかる。弱い部分を補うためのアクションを考える。
    ・プロボノやインターンを紹介してもらい、弱いところ(ホームページ改善など)を支援してもらう。
  4. ④ 受益者負担の仕組みづくりに向けて(サンフラワー①、プラス1②)
    ・プロジェクトチームをつくり、仕組みを考え、協力イベントを探して、モデルづくりと検証をしていく。アンケートをし、イベントに合わせた受益者負担のパターンを作成し、提案書をつくる。
    ・協力イベントを探すのとアンケートをするのは一回でできるかもしれない。魅力的なお祭りならインセンティブがあるかも。環境イベントではマイ食器を持ってきているイベントもある。
  5. ⑤ エアコン設置に向けて(サンフラワー③)
    ・似た環境を調査し、電気業者にお願いし調査、設置する。
    ・企業のCSRで物の支援をしてもらえないか。廃校で不要となったエアコンをもらえないか。
  6. ⑥ メンバーの意見交換に向けて(いちゃもん②)
    ・事業部内で意見交換会をする。出来高量データを使い、自分たちの仕事の指標にしてほめたり反省したりする。
    ・指標も負担なく復活できるしくみができれば今すぐできる提案だと思う。
  7. ⑦ みんなで旅行に向けて(プラス1③)
    ・実行委員会をつくり、旅行くらいしよう。
    ・仕事以外のモチベーションを上げる、コミュニケーションを高める遊び心があっていい。

4.どの手段を「より良く」していきたいか

(1)北大路氏からのコメント

よく短時間でここまでできました。ここで一人3つまで秋までに取り組んでみたいものに投票してみましょう。誰がやるかを決めるものではありません。どういうものに価値を見出し、重要と考えているのか、みなさんの気持ちを知り合うことがとても大事なのです。
 みんなで大切だと思っていることでないと取り組み始めてもうまくいきません。この過程は、作戦共有という組織コミュニケーションの過程なのです。
 ロジックモデルをつくり、作戦が見えるだけでも、全体がわかる、思い出す効果があります。けれども共有しただけでは、「より良く」という気持ちにはなりません。どの手段を「より良く」してったらいいか、組織内で共有していたほうが、取り組みやすくなります。

(2)投票結果

投票結果は、エアコン設置が1位、2位は受益者負担、メンバーの交流会、旅行となりました。受益者負担は難しいテーマですがメンバーの関心が高いことがわかりました。それ以外は取り組みやすい、イメージしやすいものが選ばれました。

最大の関心がある人が着手の鍵

5.まとめ(北大路氏からのコメント)

なるべく近いうちに皆さんの中でこれだけは始めようという話をしてもらいたいと思います。次回は、データを使いながら、PDCAをやる仕組みを持とうという話になります。
今回でそのベースができあがりました。
 どんな状況か途中経過を聞いてみたいと思います。全部は無理でも着手したくらいはできるのではないでしょうか。ここからは皆さんのやり方になると思います。
 誰が音頭取りをすればという問題は難しい問題ですが、スペースふうのやり方があると思います。ただ、個人の事情もあるので、無理してやる必要はありません。むしろ無理してやるとうまくいかなくなります。
 おそらく最大の関心がある人が入ったほうがいいと思います。今日の最後のセッションでは、グループで課題の中から着手しようというものを選びました。誰がどこに興味を持っているかわかるセッションだったと思います。その中でそのテーマに関心がある人がイメージできるのではないでしょうか。

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