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地球環境基金×スペースふう×明治大学プログラム評価研究所「ロジックモデルを活用したマネジメント支援」第3回ワークショップ(東京研修)を開催

平成29 年7 月24 日(月)明治大学アカデミーコモンにおいて、「ロジックモデルを活用したマネジメント支援」の第3回ワークショップ(東京研修)を開催しました。
 今回は、スペースふうから、中核となるスタッフ4名が、東京の明治大学を訪れ、地球環境基金のスタッフとともにワークショップを行いました。
 最初に、スペースふうからの現状報告がされ、その後、明治大学北大路氏から課題の再整理と今回のテーマを提示、源氏のファシリテーションのもと、アイディアを出すワークショップを行いました。

モデルができると、必要な資源がわかる、次に応用しやすくなる

1.進捗状況の報告

スペースふうから、前回のワークショップで決めたアクションプランの進捗状況について報告がありました。今回の研修を前にスペースふうではスタッフ13 名で進捗状況について話し合いました。

アクションプラン 進捗状況
① 人材の確保 特にしていない。
② 応援してくれる企業との連携 専用シールについて議論した。
③ 適材適所の確認(職種の整理・不足する職種の把握等) 事業部ミーティングで意見交換をした。
④ プロボノの活用 外部に相談をした。
⑤ リユース食器の受益者負担 特にしていない。
⑥ エアコン設置 個人的に調べた。
⑦ 意見交換会・情報の共有 事業部ミーティングをして出てきた課題を解決している。
⑧ 親睦旅行 特にしていない。

「取り組んでいること、課題に取り組む前段階でとどまっているものもあり、切り口がわからず、模索している。進め方さえできていれば、進むのかなと思っている状況。」との報告がありました。

2.アクションプランの分析

(1)北大路氏から説明

誰がどれだけコストを負担すべきか 必要な人的資源
② 応援してくれる企業との連携
⑤ リユース食器の受益者負担
① 人材の確保
③ 適材適所の確認(職種の整理・不足する職種の把握等)
④ プロボノの活用

アクションプランを、分析してみると相互の関連性が強いことがわかりました。②、⑤は「企業がどれだけ社会的貢献をしてくれるか、負担をしてもらえるか」⑤は「コストを誰がどれだけ負担してもらえるか」ということで、セットで考えられます。
 ①、③、④は、必要な人的資源として考えられます。③はチームメンバーの話。①はそれプラス、違う新しいメンバーがほしい。④は専門性を持った外部の資源が欲しいということです。
 そこで、今回の研修では、リユース食器を使ったイベントのモデルをつくっていくワークショップをしたらどうかと考えています。モデルをつくれれば、どういう人材がどれだけ不足しているのか、内部でどうやれば適材適所でできるのかということがわかるようになります。
 最大の課題はリユース食器のコストです。負担をシェアできるモデルイベントによりみんなが負担を分担する意識を持つことがうまくいけば、一つの成功例があるとほかの地域も関心を持つと思います。

(2)源氏からの説明

前回のワークショップでは受益者負担について手がたくさんあがって、かなりみなさんが重要だと思われていました。北大路先生の説明のようにパッケージで考えると厚みのある取り組みが考えられるのではと思いました。
 また、ロジックモデルは手段の下に投入(インプット)がある。活動するにはどういった人材や資源が必要かという話が出てくるのは、自然な流れと思いました。
 前回のワークショップでも説明できるプレゼン資料ができるといいという話がありました。成功例やモデルが一つあるとそういうのが売り込めるようになると思います。

3.多様な人がコストを分担するモデルイベントを考える

中間アウトカムに「多様な人がコストをシェアしてリユースの活用に貢献していくモデルイベントが実現する」を掲げ、コストを分担して負担することができるやり方についてスペースふう4名と地球環境基金4名でアイディアを出し合いました。出されたアイディアは次の通り、源氏により分類されました。

  1. A リユース食器を使う場
    ・企業の工場のお祭り
    ・地元飲食店でのテイクアウト導入
    ・国際、県大会で応用できるモデル
    ・県庁でのイベント、放送局のイベント
    ・学園祭
    ・企業主催のイベント、試食会
    ・映画館のCM
  2. B 協力企業のリターン(見返り)を考える
    ・輸送コストの負担(鉄道、宅配)
    ・生協、宅配給食で輸送、食器の利用
    ・全国展開企業との連携
    ・電気代を負担してくれる企業
    ・通信料を負担してくれる
    ・まずは県内新聞に無料で取り上げてもらう
    ・個人の運送屋と契約(シールを貼って)
    ・保険を代わりに払ってくれる
    ・個別にエリア限定で輸送してくれる
    ・ビニール袋の負担
    ・洗剤企業に一部負担してもらう
    ・飛行機、電車などで無料でポスター
  3. C 行政
    ・リユース食器レンタルを行政が半分(一部)負担してくれる
  4. D イベント実施
    ・インターン、ボランティア
    ・祭りでリユース食器が利用しやすい手軽さを教えられるコーディネーター
    ・イベント企画会社の人たちと一緒にうおいて一緒にイベントを築く
  5. E 交渉
    ・パワポ10枚以内
    ・SDGs をキーワードに
    ・他との差別化明確に
    ・交渉に行くときに一緒に行ってサポートしてくれるプロ
    ・行政のエコイベント、営業がかなり必要
    ・マナー講座とか開催してくれる講師
  6. F 普及(プロボノの活用)
    ・ふうのCM 動画をわかりやすく紹介してくれる
    ・使った人の声(アンケート結果など)
    ・公式アプリをつくる
    ・データならクラウドで共有
    ・利用者に動画配信してもらう
  7. G 小学生/小学校ターゲット
    ・小学4年環境学習スタート
    ・夏休みの宿題、自由研究
  8. H データ
    ・データのシステム化をもっと簡単にしてくれる何か
    ・ネットから簡単に注文できるといいな
  9. I ふうの拠点
    ・廃校施設
    ・学校給食場設備を借りる

安定収入が得られ、管理コストが減るモデル

4.モデルイベントの絞り込み

(1)片田氏からのコメント

ふうの課題を考えたとき、季節や天候に左右されやすいというところがあって、事業収入が安定しない点がある。冬でもできる、雨でもできるというイベントを考えてみると、天候に左右されず、安定的な事業収入が入ってくるので、今の収益環境が改善されると思います。

(2)北大路氏からのコメント

映画館も出口管理ができる点が魅力的で、出口管理ができないと紛失が増えます。ファーストフードのトレイやゴミはみんな最後に返し持って帰ろうと思いません。わずか何百円だが、これはここで使うものという感覚ができています。出入り自由のイベントより工場の中のイベントだったら管理しやすいと思います。

○石和温泉の施設で提供される水・湯のコップをリユース食器にしてもらう。

ここで、地球環境基金スタッフから、温泉施設の脱衣場で、無料で提供される水、お湯のコップをリユースカップにできないかいうアイディアが出され、この温泉施設で出されるお湯、水をターゲットとした事業として考えられることをまとめました。

  1. A 行政
    ・笛吹市、環境にやさしい温泉
    ・議員から旅館業界を紹介してもらう
    ・キーパーソンを見つける
  2. B 旅館組合
    ・送迎バスの活用、輸送コスト
    ・宣伝(動画)
  3. C 関連企業
    ・リユース食器に関連企業(お土産屋)などのシール
  4. D 使える資源
    ・県庁(山梨富士山研究所)
    ・YBS、ヴァンフォーレ、山梨学院大学
    ・ポールラッシュ祭(清里)

このモデルプランの利点についてコスト負担の点から意見が出されました。

  • お水とお湯だけだと匂いが出ず、洗いやすいため、管理コストが減る。
  • 持って帰ろうとする意識がなく、紛失コストが減る。
  • コップにスポンサー名(お土産屋)のシールが貼れ、企業からの広告収入期待できる。
  • 山梨県産のミネラルウォーターがたくさんあり、水がおいしいというのもうりなため、企業のコスト負担が期待できる。
  • 温泉施設がバスで食器を輸送してくれれば、輸送コストが相当減る。
  • 石和温泉に調査を兼ねて親睦旅行もできる。

良い協力者を見つけるつながりづくり

5.まとめ

北大路氏からのコメント

温泉施設というのはいいアイディアで、結構深みのあるプロジェクトができそうです。
観光産業という「売り」があり、なんと言っても、水・湯で管理が楽というのが良いです。
かなりピンポイントなモデル企画ができると、他者に協力を求める時も、相手にしてみれば何に協力すればよいか明確となり、協力を得やすい利点があります。
 ふうでは、きっちりと進行予定を決めるより、ワイワイとできるところから、やったほうがいいです。まずは、誰にアプローチすべきかなどできるところから情報収集をはじめてください。やっぱり人、つながりが大事です。良い協力者を見つけることが大事です。
プロボノや協力者はつながりの中から現れます。

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