現在、空をよごしているのは、工場・事業場のほか自動車の排出ガスで、窒素酸化物ちっそさんかぶつ(NOx)粒子状物質りゅうしじょうぶっしつ(PM)の主な汚染源になっています。1台1台の排出ガスは新しい技術で少なくなってきていますが、自動車がどんどん増えているため、大気中の窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の濃度はなかなか下がりません。
わが国では、自動車の保有台数が1960年代から増えています。



自動車は、私たちの生活になくてはならないものとなっていますが、排出ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)、硫黄酸化物(SOx)などが大気を汚染します。特に大都市では、自動車から排出される大気汚染物質が問題となっています。
私たちの経済や生活を支えるために増加を続けている自動車をいかに環境にやさしいものに変えていくのか、また、人と自動車とがどのように共生きょうせいしていくべきかがと問われています。

大気汚染防止法等により、自動車の排出ガス規制が行われた結果、1台ごとの自動車から出る排出ガスの量は確かに少なくなったのですが、自動車の台数が増えているため、交通量が増え、渋滞などが慢性的に起きるため、排出ガス量は増えています。

また、ディーゼル車は、ガソリンに比べて燃料(軽油)の値段が安く、メンテナンスの容易さや燃費効率ねんぴこうりつの良さなどがある反面、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)などを多く排出するため、問題となっています。

このため、特に自動車排出ガスによる大気汚染が激しい東京大阪愛知などの大都市周辺の地域を対象として、2001年に、自動車NOx・PM法が定められ、一定の期間を過ぎた古いディーゼル車については、新しい、汚染物質の排出量がより少ない車に買い換えてもらうことを義務づけるなどの対策が、今まで以上に進められることになりました。
今までのガソリン車やディーゼル車に比べて、大気汚染物質の排出が少ない、または全く排出しない自動車として開発されているのが、低公害車ていこうがいしゃです。低公害車には次のような種類があります。多くの場合、走っている時の音も静かです。
電気自動車
バッテリー(蓄電池)に備えた電気でモーターを回転させて走る自動車です。このため、自動車からの排出ガスは一切なく、走行音も通常の自動車(ガソリン車やディーゼル車など)と比べ大幅に減少します。また、電気を作る際に、発電所から排出される分を考慮に入れても、窒素酸化物(NOx)や二酸化炭素(CO2)の排出は通常の自動車より少なくなります。


天然ガス自動車
天然ガス自動車は、家庭に供給されているとし都市ガスの原料でもある天然ガスを燃料として走る自動車です。中でも、天然ガスを気体のままで圧縮あっしゅくして高圧ガス(CNG)として利用する圧縮天然ガス(CNG)自動車が世界的に最も普及しています。
天然ガスは硫黄分などの不純物を含まないクリーンなエネルギーであり、黒煙などの粒子状物質(PM)も排出されません。さらにディーゼル車と比較して窒素酸化物(NOx)の排出量も抑制されています。


ハイブリッド自動車
エンジンと他の動力源(モーター等)を組み合わせた車のことです。この車は、窒素酸化物(NOx)が少なくなるほか、燃料の消費も少なくてすみます。また、従来車と同じ燃料(ガソリンなど)で走ることができ、現在は乗用車、路線バスなどで実用化されています。
わが国では、近年、普通の車と価格があまり違わないハイブリッド乗用車が開発販売され、広く一般ユーザーに受け入れられています。




メタノール自動車
アルコールの一種であるメタノールを燃料として走る自動車です。メタノールは都市ゴミや天然資源(天然ガス、石炭など)からの合成も可能で、リサイクル性を備えたエネルギーであり、黒煙も排出されません。



低燃費ていねんぴかつ低排出ガス認定車

「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく燃費基準(トップランナー基準)を早期に達成した「低燃費車」で、国土交通省が定めている「低排出ガス車認定実施要領」に基づく低排出ガス車認定を受けている自動車。



低排出ガス車認定
燃料の種類をと問わず、自動車排出ガスが窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)などの有害物質の排出を最新規制値より25%、50%、75%低減している自動車をそれぞれ「良―低排出ガス(☆)」、「優―低排出ガス(☆☆)」、「超―低排出レベル(☆☆☆)」に認定する制度です。認定を受けた低排出ガス車には、ステッカーが貼られます。



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