マツの葉を観察して大気の汚れを調べよう
概要・準備するもの ◆調査の方法 ◆ワークシート123

 大気汚染物質の一つに空気中を漂う粒子状の物質があります。このような物質の主な発生源は、工場や自動車から排出されるような人間の活動によるものと、風による土壌粒子の舞い上がりなど、自然現象によるものとがあります。
 これらによる大気汚染の状態を調べる方法には、空気中に含まれる粒子状物質の量を直接調べる方法もありますが、粒子状物質の付着しやすい植物の葉を指標とする方法もあります。マツは、葉の気孔がくぼんでいる(「陥入気孔」という)ために、大気中の粒子状物質がたまりやすいという特性を持っています。このため、マツの葉の気孔のつまり具合
を指標として汚染度を調べることができます。また、マツは最も身近な植物の一種であり、簡単に識別できます。採集が容易であるとともに、気孔が規則正しく列状をなしているため、とても観察しやすいのです。このように、マツの葉の気孔の観察による大気汚染の調査法は、具体的な事物に触れ、大気汚染の状況を体験的に実感できるという点で有効な方法です。

●準備
 用意するもの:
  • マツの葉
     植物の葉には気孔があり、ここから酸素や二酸化炭素が出入りしたり、植物体内の水分が水蒸気となって出たりしています。つまり、植物の気孔は、動物の鼻孔(鼻の穴)のようなものであり、空気が汚れていると気孔も汚れてしまいます。特に、マツではヤニ(松脂)が分泌されているため、汚れの付着性を高めています。
     実際にマツの葉を採集することから始めるのが望ましいのですが、時間の関係などで、これが困難な場合には、指導者があらかじめ交通量の違ういろいろな場所で採集したものを用意し、気孔の観察から始めてもよいでしょう。
  • 地図
     マツの葉を採集した場所が記入できるものを用意します。調査場所があらかじめ決まっている場合には、道路や主な建物だけを描いた簡略な地図を用意し、これを複写したものを使うとよいでしょう。
  • ポリエチレンの袋、マジックペン
     マツの葉を採集するときに使用します。ジッパー付きのサンプル袋があれば更によいでしょう。
  • かみそりの刃、スライドガラス
     プレパラートを作成するときに使用します。特にかみそりの刃は、取り扱いに注意しましょう。
  • 顕微鏡(生物顕微鏡)
     100倍程度を観察できるもので、二人に1台は用意しましょう。
  • 電気スタンド
     顕微鏡観察の際の光源として使用します。通常の観察では、顕微鏡の下部に取り付けてある反射鏡からの光を用いますが(「透過光による観察」という)、この実習では、透過光による観察は不適当であるため、プレパラートの斜め上からの照明による観察(「落射照明による観察」という)を行います。蛍光灯ではなく、照度の高い白熱電球の付いた電気スタンドがよいでしょう。

 あると便利なもの:
  • 電卓
     調査結果を計算する際に必要があれば用意します。

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