イベント情報

平成13年1月16日 東京都

平成12年度 東京都講演会「アレルギーとのつき合い方」

とき

平成13年1月16日(火)


会場

安田生命ホール

平成13年1月16日に開催された東京都におけるぜん息予防等に関する講演会より、講師の東京都立荏原病院小児科医長(現部長)松井猛彦先生とフルート奏者の圓城三花さんに、会場の参加者からの質問に対してお答えいただいた「ぜん息とアトピーQ&A」の記録を紹介します。

平成13年1月16日 東京都

ぜん息とアトピーQ&A

質問者A

質問者A:
ぜん息の小学校5年生のこどもをもつ親です。ぜん息の予防として水泳とか空手などをやっているのですが、フルートもよいと聞いたことがあるのです。やはり、息を腹式呼吸ではくからよいと聞いたのですが、こどもがピアノをやりたいというので、それだったらフルートのほうがよいのではないかと思っているのですが、どうなのでしょうか。

松井:
なかなか難しい問題ですが、たしかに公健協会に昔いらした舘野先生という方がそういう研究をされていて、吹奏楽がいわゆる腹式呼吸をきちんとやらせて肺機能を高めるためにはよいのではないかということで、だいぶお勧めになったのです。
その話とはまた別に、たしかに体を鍛えていくために空手や水泳を積極的になさっているのはよいと思うのですが、1つお聞きいただきたいと思うのは、先ほど私が絵の中に描いておきましたけれども、チャレンジ、あるいは自分でいろいろ経験して、自分自身がやっていくという体験をこどもにさせていくということが非常に大事だと思うのです。
本人はピアノに惹かれてピアノをやりたい、でも健康のほうからいうとお母さんとしては吹奏楽のほうが実利性があってよいのではないかとお考えになるわけです。
その時に、私だったらどうするかと聞かれたら、こどもがピアノの中に音楽性を見だしたのであればピアノをやらせてみたらどうかと思います。
例えば、スポーツを選ぶ場合もそうなのですが、ぜん息には水泳がよいと言われます。それはなぜよいかというと、1つには呼吸機能をよくするという意味でもよいのかもしれませんが、もう1つは発作を起こしにくいという意味で水泳が取り組みやすいということでずっとやられてきたわけです。
ところが、水泳の嫌いなこどももけっこういるのです。僕は水泳が嫌いだ、だけど野球がやりたい、あるいはサッカーがやりたいというこどもがたくさんいるのです。そういう子に「お前はぜん息なのだから、水泳で涙を流してがんばれ」と言うことがよいのか、それとも本人がやりたいサッカーなり野球なりをやらせるほうがよいのか。
私はやはり長く続けるということと、いろいろな友人関係をつくるなどいろいろなことを考えていくと、やはりその子のやりたいことを長くやらせてあげるということが大きな自信に結びついていくと思うのです。
そういう意味で、私はピアノをやっていて飽きてきて「フルートをやってみたい」という時がくるかもしれませんので、その時までとりあえずピアノをやらせてみてもよいような感じもするのですが、先生はいかがでしょうか。

圓城:
私もご本人がなさりたいことを積極的に、積極性を伸ばすという意味でもなさるほうがよいのではないかと思います。
もしフルートをなさるにしても、楽譜が読めたり、お聞きのようにフルートは一度に1つの音しか出せませんけれども、和音の構成なども知っているとその後の練習のしかたにいろいろよい影響を与えてくれるので、もしご本人がピアノをしたいとおっしゃるのなら、まずはピアノをなさってみてはいかがかと思います。

質問者A:
はい、ありがとうございます。


質問者B

質問者B:
女の子なのですが、1歳前から中発作を初めて起こして、今4歳なのですが、毎日やっていることが朝晩のインタール吸入と、飲んでいる薬がテオドール、アレギサールです。
お医者さまから「発作が起こらなければ朝のテオドールを抜かしていきましょう」というお話があったのですが、抜くと3日後くらいに、冬になると夕方に空気が変わるので、そういう時にまた発作を起こしたりするのです。薬をやめていく時の目安としてどのように考えたらよいのでしょうか。

松井:
症状と治療の関係を見ながら薬を減らしていくわけですけれども、そのためには先ほども申し上げたように、ぜん息日誌をつけていらっしゃいますか。

質問者B:
はい、ピークフローもやっています。

松井:
4歳だとなかなかピークフローもうまく吹けなくて、少し信頼性が落ちるところがあるかもしれませんけれども、ただ、1週間発作がないから薬をやめるという状態ではないと思うのです。
先ほども申し上げたように、テオドールというお薬はアレルギーの炎症を抑える作用もあるということが最近わかってきていますし、そういう作用があると言われる前に、同愛記念病院にいらした馬場先生という私の恩師と「このテオドールという薬はアメリカなどでは発作がなくても1年くらい飲ませるそうだ」と、その当時は抗アレルギー薬というのはありませんでしたから、そういう薬だという話は臨床的にはあったのです。
ですから、テオドールという薬は発作が少し治まったからすぐにやめるというような薬ではないと思います。ただ、季節的に今のような冬というのはぜん息が一番起こりにくいのです。大体12月から3月くらいまではぜん息が一番起こりにくいのです。このような時は、薬を減らしていく1つのチャンスかもしれません。
ただ、その時にやめると発作を起こすようであれば、まだ時期尚早でありまして、発作がなくなって本当に落ち着いてくるまでは続けられることが必要だと思います。
今4歳のお子さんですけれども、例えば8歳、9歳になればもっと気管支の細いところまで肺機能が調べられますから、そのようなことも調べながら慎重にやめていくのがよいと思います。

質問者B:
やめてみようと思った時にたびたびそういう発作を繰り返していると、やはり治りにくくもなりますね。そう考えたらおかしいですか。

松井:
たしかに、やめて発作が起こるというのは結果として時期尚早だと考えてよいと思いますけれども、タイミングということもありますが、発作がきちんとコントロールされている状態が、少なくとも数か月続いていることが、薬の減量の目安になるのではないかと考えています。
ただ、例えばβ刺激薬などのいわゆる発作止めと言われる薬については、もしもやめられてよいのであれば、比較的早めにやめていく方向へもっていくと思いますけれども、いわゆる長期管理薬と言われている薬については比較的長く、発作を十分コントロールしてからやめていくというのが一般的な方法と考えています。

質問者B:
わかりました。ありがとうございました。


質問者C

質問者C:
簡単なことで3つほど質問があります。私は新宿区の保育園に勤めている保育士です。私には4歳になる次男の子がいるのですが、その子はアトピーとアレルギー性のぜん息で2年ほど抗アレルギー剤を飲んでいますが、初めの質問はホクナリンテープのことですけれども、保育園の園児の中に去年くらいからテープを貼って登園してくる子が非常に多くなりました。
保育者の中で「この子はずっと貼っているね」とか「けっこう頻繁に貼っているわね、大丈夫なのかしら」という声が出ていて、私も自分の息子がそれを貼ると非常に楽になって効くので「その子が楽になって楽しく保育園生活を送れるのであれば」というような話を同僚にはしています。ホクナリンテープについて気をつけることがあれば教えていただきたいと思います。それが1点目です。
次は気圧のことですけれども、このつき合い方の中には気圧のことが載っていませんが、どうも気候の変わり目にはどのクラスからもゲホゲホゴホゴホと同じ日に昼寝の時にせきをするのです。そうすると、わが子のことも考えたりしてとてもかわいそうになってくるのですが、予防というか対策というか、その辺でどうかということが2点目です。
3つ目はとても簡単なのですが、そういう子たちはとても鼻が利くのです。とてもにおいに敏感で、ぜん息の子はそういうものなのかということを聞きたいと思います。

松井:
どれも本当はなかなか難しい話なんですが、ホクナリンテープについて、私は長期管理薬の中に書いておいたのですが、あそこに位置づけるかどうかについてはまだ科学的な根拠が十分あるとは言えないのです。あのように、発作止めとして貼る薬としては、世界で初めて開発された薬なのです。その評価に関しては、これも今日本小児アレルギー学会のほうで「もう少し詳しい検討をしてみよう」というところが1点です。
それから今、厚生省(現厚生労働省)でぜん息治療に関する研究班ができていて、私が主任研究者をやっている研究があるのですが、その中の1つにホクナリンのテープについて今検討をしている最中です。
今までのところは、成人については大きな問題は起きていないようですけれども、まだ十分証拠が揃っているとは言えません。それが出てからこのような場ではお答えできるかと思います。今非常に広く使われてきていますが、まだ十分にそれを評価するだけの話がしにくいというところがあります。
もう1つは気圧の話ですが、ぜん息と気圧の関係というのは昔から言われているのですが、実は例えば本当に気圧が低くなるとぜん息の発作が起きやすいかというと、そういうことはないのです。それはいろいろな本に書いてあります。
それが一番よくわかるのは、人工気象室というものをつくってみて、そこでいきなり気圧を下げてみるということをやるわけです。そうすると、本当に発作が起こってくるのだろうか、あるいは発作が起こりやすい状態になるのだろうかということを調べたデータがいくつかあるのです。
その結果、案に相違して発作を誘発することに失敗しているのです。ですから、気圧の変動そのものがぜん息発作の誘因ではないらしいのです。
アメリカでおもしろいことがわかったのですが、アメリカの砂漠の町で、雨が降ってくれば気圧が低くなるわけですけれども、雨が降る前になると救急室の患者さんがワッと増えるのです。雨が降り始めて、雨がやむとぜん息の救急患者さんが少なくなるのです。
なぜそういうことが起こるか、これは例の気圧の話ではないかと思ったわけです。ところが、いろいろ調べてみると雨が降る前に気圧が下がりますが、その前に必ず風が吹くのです。風が吹いた時に、その都市の辺りでは土埃の中に含まれているカビが空中飛散する量が大変増えるのです。それがアレルギーの原因になってぜん息の発作を起こすということがわかったわけです。
要するに、一見するとそのものとすぐに結びつきやすいのですが、よくよくたどるとそういう原因になるものが見つかることがけっこうあるのです。
例えば、湿度が高くなってくるとダニが元気になります。空中から水分を得てダニが繁殖しやすくなるわけです。台風のシーズンというのはダニにとっては非常に繁殖しやすい時期になります。
ですから、表面的なことも大事なのですが、そのもう1つ奥にあるものを1つ1つ解析していくことが、ぜん息の治療法あるいは発作の予防法にとって大事だと思います。
ただ、表面的には台風が来るとぜん息が起きやすいということがあるわけですから、そのころになったら普段β刺激薬を使っていない子もあらかじめ使ってみるのも1つの方法ではないかと思います。
もう1つ、最後のご質問ですが、ぜん息の子は鼻が利くということについて、これには2つあるのです。小児のぜん息の患者さんの場合は、大体80?90%がアレルギー性鼻炎を合併しています。そうすると、アレルギー性鼻炎のある患者さんは2つのタイプに分かれるのです。
1つは、鼻がまったく利かない人です。鼻閉型で鼻が非常に鈍い、においも、ひょっとすると味もよくわからないというタイプが1つです。
もう1つは、非常に敏感なタイプです。ですから、ほんの少しお化粧のにおいがしても嫌で、電車の中で厚化粧の女の人がいたらすぐに息を止めて通り過ぎてしまうという子もいるくらいです。その2つがあると思います。


質問者D

質問者D:
私の子も生後半年からいわゆるぜん息状態で、ずっと薬を飲み続けていて、2歳くらいから食物アレルギーということで、除去食ということで油はもちろんのこと卵がだめですからプリンなどもだめで、お肉も牛肉以 外がまったくだめで、本当に食べるものがまったくないくらいから始まって、今は5歳である程度解除はされてきたのですが、いまだに基本的には油もだめ、卵もだめ、牛乳もだめという状態なのです。
とは言いながら、やはり周りとの共同生活の中である程度「これくらいの量だったら」という感じで、自分の家でつくる朝食や夕食以外はけっこう許してしまっているのです。その辺の加減がどうなのかということをお聞きしたいと思います。 それから、食物アレルギーと言われたこととぜん息と、またやはりアトピーというか乾燥肌というか、かゆみが出たりということとの関連性についてお聞きしたいのです。
食物アレルギーというのはぜん息のほうなのか、それとも肌のほうなのか、それとも両方なのか、実は何年かつき合いながらもよくわかっていないところがあるので、その辺をお聞きしたいと思います。
それからダニの問題ですが、やはりアレルギー検査を何回かやって、家の中のダニやハウスダストが問題だと言われたのですが、やはり働きながらでは掃除を毎日、しかも1日に何回もというのはまず無理ですし、結局のところ普段はちょっと片づけるだけで、掃除機すらも2日に一度くらいしかかけられないのですが、何かよい方法はあるのでしょうか。

松井:
後半のお話のほうが答えやすいので、先にそちらからお答えします。今、やはり共働きの家庭が増えているのです。医者というのは、多くは今までの実験データから理論的に考えられる一番よい方法を言うわけです。例えば、お布団を毎日干さなければだめ、掃除は毎日したほうがよい、1畳について1分近くかけなさいといった話をするわけです。
そうすると、患者さんはできないわけです。できないと、お母さんたちは大体発作を起こすたびに罪悪感にかられるわけです。「私がお布団を干さないから」「毎日掃除をしないからこの子が発作を起こしてしまうのだ」と。
事実として、例えば家の埃の中のダニの数でぜん息に過敏になる、あるいは1g中にダニが400~500匹以上いるとぜん息の発作を起こす、ぜん息の発作を抑えるためには1g中のダニの数が100匹以下までコントロールするとよいということはデータとしてあるわけです。
そして、親御さんが反論をできないような形で言うのが、医者が優位に立つために一番よい方法なのです。ですから、そういう言い方をしてお母さんたちに言うことを聞かせるという方法もあるわけです。
しかし、私はそれはよくないと思うのです。クォリティ・オブ・ライフ、生活の質がより上がって、普通の人に近いような生活ができる、あるいはできるだけ簡便な方法、実際的な方法を考えるべきだと思うのです。
逆にいうと、一番ダニが増える梅雨のころは、実際にはお布団を毎日干せるはずなどないのです。今はその他の方法が見つかっているわけです。例えば、先ほど申し上げたようにダニ対策の中で一番大事なのは顔をつける部分、お布団なのです。お布団や毛布、枕なのです。その手入れの一番簡単な方法は何かというと、今はこのデフレの時代ですからスーパーマーケットへ行けば化繊の安い布団が売っています。昔は、布団1組が嫁入り道具で30万円というような時代がありましたけれども、今は布団1枚で下手をするとバーゲンで3000円くらいで売っています。そういう新しい布団をまず買ってくるのです。
そして、布団の中で一番問題なのは、生きているダニもそうなのですが、もっと大変なのはダニのふんなのです。ふんをためないようにすることが大事なのです。
そのためには、新しい布団にはまずダニはついていません。その布団を、ダニを通さないようなもので最初から覆ってしまえばよいのです。そうすればダニは入り込めませんから、毎日布団を干す必要などないわけです。そういう布団カバーというのが今は出ているわけです。
私がこのような場でお話しする場合、学会でそのような効能が認められたものについてだけお話しすることにしています。これは東レと帝人から明らかに有効であるというものが出ています。ですから、毎日お布団を干さないで罪悪感にかられるよりも、そのようなものを利用することを教えてあげたほうが、私はよほどぜん息の子の親御さんのためになると思っていますし、そういうことをお勧めしています。
私は何も東レや帝人から何かもらっているわけではないのですが、よくおじいちゃん、おばあちゃんのところへ行くと発作を起こしてしまう子がいるのです。それは、多くはやはり使っていないお布団などを使って発作を起こしてしまうことが多いのです。
そういう時、親御さんに何と言うかというと、例のダニを通さない包布だけ持って行きなさいと言うのです。お母さんがそのような気を使うのは、大体旦那さん側のご両親のところへ行った時ですから、そのような時に「お布団が汚くてこの子が発作を起こす」などと言うと夫婦げんかのもとになりますから、そういう時には「おじいさま、おばあさま、お休みなさい」と言って部屋へそっと戻って、それからお布団カバーをかけなさい。そうするとトラブルは起きませんよ、と言うのです。
実際にそうやってみると、発作を起こさないことがけっこうあるのです。ただ、そこの家で動物などを飼っているとなかなか難しいところがあります。そのようなことからも、そのような有効性はあるのではないかと思います。
次に食物アレルギーの話ですが、これは皆さんに誤解があるといけないのですが、病名のつけ方なのです。アレルギーの反応が主に気管支で起こるのが気管支ぜん息、皮膚で起こるのがアトピー性皮膚炎、鼻で起こるのがアレルギー性鼻炎です。 ところが、スギの花粉症という言い方をします。スギの花粉症というのは、実は鼻だけではないのです。目にも起こるし、アトピーが悪くなる人もいるのです。その原因になるも のを、特に多いのでスギの花粉症と称するわけです。
したがって、食物アレルギーといっても、簡単なものはじんましんだけのこともあるし、鼻炎を合併してくることもあります。食物アレルギーが原因になって鼻炎が出ていることもあるし、アトピー性皮膚炎になることもあるし、ぜん息を起こすこともあります。
ですから、それは病名のつけ方なのです。食物アレルギーの一部には気管支の症状を示すものもあるわけです。逆にいえば、気管支ぜん息の一部は食物アレルギーで起こってくることもあります。
アトピー性皮膚炎も、全部が食物アレルギーではありません。アトピー性皮膚炎の一部は食物のアレルギーで起こってくるわけです。ですから、その辺の誤解のないようにしていただくとよいと思います。
先ほどご質問になった「普通の生活にだんだん近づけていきたい」というのは当然のことです。食生活が普通の子と違うというのは非常に大変なことだと思います。
食物アレルギーの場合、年齢によってずい分出方が違うのです。1歳以下の赤ちゃんですと、例えば血液で反応が出ている場合には、食べさせる検査をやるとほとんどが症状が出るし、場合によっては非常に重篤な症状が出ます。
これは私が昔ある病院にいたころに、血液で反応の出る子は赤ちゃんにも全部食べさせてみたのです。そうすると、入院させなくてはいけない症状を起こしたり、ほとんどが明らかに症状が出ます。
3歳、4歳になると、血液で反応が出ていても症状が出てこなくなることがあります。私どもはこれを耐性、耐える力というのですが、耐性が出てくる患者さんがたくさんいるわけです。
そのような患者さんには、食事をだんだんと食べさせていくこともできるわけです。あるいは、食物アレルギーの症状を抑えてでも少しずつ食べさせていくということもある程度できるわけです。それは、例えば抗アレルギー薬のインタールをあらかじめ飲ませたり、あるいは他の抗アレルギー薬を飲むことによって症状をある程度抑えることもできます。
ですから、社会生活との関連等も考えて、食事の除去はだんだん緩められていくのが普通だと思いますし、実際にそのような薬を飲まなくても、多くの患者さんはおそらく食べられるようになっていきます。
食べ物の種類によって、比較的早く食べられるようになるものと、なかなか食べられるようにならないもの、食べるとどうしても症状が出てしまうことが長く続くものと、種類によってもいろいろありますので、具体的にはまた何かの機会にお話ししたいと思います。
今、一般的には赤ちゃんのうちには厳密な除去が必要なことが多いですが、多くの患者さんは大きくなるといろいろなものが食べられるようになってきます。
非常にごくまれに、どうしても厳格な除去をしないと非常に重篤な症状を起こし、それが長く続く患者さんもいます。そのようなことでご理解いただければと思います。


質問者E

保育園に勤めている看護婦なのですが、やはり園に何人かぜん息のあるお子さんがいらして、お聞きしたいことが2つあるのです。
日中、外に出るとぜん息の発作を起こして途中で帰ってきたり、遊んでいる間はよいのですが、2時間くらいしてお昼寝の時間あたりからゼイゼイが始まったりするお子さんがいるのです。
そういうこどもたちへの対応というのは、日中は外に出ないということでよいのかどうかということなのです。以前は気管支を鍛えるために外に出たほうがよいということも言われていたことがあるので、そこをお聞きしたいと思います。
それから、ご両親が働きに行かれていますので、吸入薬を預かってほしいと言われることがあります。それがアルデシン等の簡易型のものとか、アンプルをカットしてセットするようなものの場合もあるのですが、地元の医師会のほうからは、責任問題もあるので預からないほうがよいと言われるのです。
しかし、目の前のこどもがゼーゼーしているとどうなのだろうというところもありまして、先生のご意見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

松井:
外に出すと発作を起こすというお子さんですが、それはたぶん多くはぜん息が安定していないために、運動誘発性ぜん息が起こっていることが多いのです。そういう子に「あなたは中で待っていなさい」と言うのは、できれば避けていただきたいと思います。
運動誘発性ぜん息の多くは30分以内に治まってきます。そういう子がもしも薬を十分飲んでいなくてそういうことが起こっているのであれば、むしろ薬を飲ませても外で遊ばせたほうがよいのです。
それから、こどもというのは運動誘発性ぜん息の場合、そのうちに自分で「このくらいの体調の時はこのくらいの運動をしても平気だ」ということを体で覚えていくのです。私はむしろ体で覚えていってもらったほうがよいと思っています。
もう1つは、寝る前ころに発作が起こってくるということは、私としてはどうも寝具に問題がないかということを考えざるを得ないです。ですから、そのようなところからの検討をしていただければよいと思います。
園での薬の扱いですが、これはしばしば問題になるところです。私どもとしては、例えば「この子は吸入ステロイド、アルデシンを1日4回やってくれれば普通の生活が送れる。ただ、どうも1回抜かしてしまうと発作が起こるのであれば、園の先生にやっていただければ非常に助かるな」と思うのです。
例えば、発作時の対応までその先生にやってくださいということはなかなか難しいかもしれません。ただ、発作の長期管理の予防薬を医者の指示通りにやる範囲であれば、普通そう問題が起こることはないと思います。
ですから、もし園のほうで対応していただければ、私どもとしては非常に助かると考えています。

質問者E:
どうもありがとうございました。

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