大気環境の情報館

大気環境の現在

大気汚染モニタリング調査とは?


自動車排出ガス測定局の
採気管(東京都)

あなたは、目には見えない大気環境の調査方法をご存じですか?実は、日本には国設の19の測定所を含め約2000の測定所が設置され、大気汚染状況の常時監視(24時間測定)が行われているのです。各都道府県は測定局で測定されたモニタリングのデータをシステムによって収集し、大気環境の状況を常に正しく把握して大気汚染対策に役立てています。
測定局は、自動車の排気ガスによる大気汚染状況を把握する目的で道路周辺に設置された「自動車排出ガス測定局(自排局)」と、それ以外のさまざまな目的で設置されている「一般環境大気測定局(一般局)」の2種類に区分され、私たちの暮らしと健康を身守っています。

環成境基準と達状況

環境達成率とは、すべての測定所のうちで、環境基本法によって定められた各大気汚染物質の環境基準を満たした測定所の割合を意味します。

大気汚染物質の環境基準と平成21年度の達成状況

物質 環境基準 達成状況
NO2 1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。 一般局
100.0%
自排局 95.7%
SPM 1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること。 一般局
98.8%
自排局 99.5%
SO2 1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること。 一般局
99.6%
自排局 100.0%
CO 1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。 一般局
100.0%
自排局 100.0%
Ox 1時間値が0.06ppm以下であること。 一般局
0.1%
自排局 0.1%

二酸化窒素(NO2)、浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)は、これまでのさまざまな規制や取り組みにより、ほとんどすべての測定局で環境基準を達成しています。しかし、その一方で、光化学オキシダント(Ox)の達成状況は極めて低く、1980年代以降全体的な平均濃度は漸増の傾向にあり、その影響は大都市だけでなく地方にまで拡大しています。これにはさまざまな原因が考えられますが、大気汚染物質の越境による影響も指摘されており、地球規模で大気環境の改善に取り組む必要性をうかがわせています。
また、直径2.5マイクロメートル以下の超微粒子である微小粒子状物質(PM2.5)は、2009(平成21)年に環境基準が定められ、実態の把握と対策が急がれています。

PM2.5の環境基準と平成21年度の大気中の濃度(東京都板橋区氷川測定局)

物質 環境基準 濃度
PM2.5 1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること。 14.56μg/m3

※2010年4月~2011年3月までの測定結果を基に算出

今、必要なこと

グローバル化する大気汚染の拡大を防ぐために、必要なことは何でしょうか?広い視野を持って、国を越えた枠組み作りを行うとともに、私たちひとり一人が、暮らしの中から大気汚染問題に取り組んでいくことが求められています。

国と国とが助け合うこと

大気に国境はありません。大気汚染は決して限られた地域の問題ではなく、近年では、大気汚染物質が国境を越えて外国にも影響を及ぼす「越境大気汚染」が懸念されています。特にアジア諸国では、急速に経済が発展したことで大気汚染問題が年々深刻化しており、その影響として日本でも光化学スモッグや酸性雨などの増加が心配されます。
そんな中、2000(平成12)年以降に注目を集めているのが、国際社会全体が協力し合い、発展途上国の環境汚染問題や地球温暖化問題を解決しながら、持続可能な開発を助ける「コベネフィット・アプローチ」という手法です。大気環境分野では、燃料効率の改善や交通対策による大気汚染物質削減など、環境先進国である日本の高い技術やノウハウを活かして、さまざまな国の環境改善に貢献しています。

私たちにもできること

大気汚染は、私たちの健康にもさまざまなかたちで被害を与えることがわかっています。国や地方公共団体、また企業等が大気汚染物質排出の削減に取り組むのはもちろん、私たちひとり一人が心掛けていくべき問題でもあるのです。日本の大気汚染対策はこれまでに一定の効果をあげ、産業部門や運輸部門のエネルギー消費量は横ばい、または減少傾向にあるものの、家庭やオフィスなどの民生部門のエネルギー消費量は1990(平成2)年と比較して30%以上も増加し、また、自動車の保有台数も、乗用車に限ってみると増加の傾向が続いています。大気環境をさらに改善させて私たちのかけがえのない健康を守っていくために、快適さや利便性を求めがちなライフスタイルを個人レベルで見直していく必要がありそうです。


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