大気環境の情報館

主な大気汚染物質と人体への影響

主な大気汚染物質と人体への影響

大気汚染物質とは一般的に、これまで規制の対象とされてきた窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などをはじめとする、大気中に存在する有害な物質および物質群の総称です。ここでは戦後から現在にかけて社会問題化してきた主な大気汚染物質を見ていきましょう。

戦後~現代

硫黄酸化物[ S O x ]

二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物(SOx)は、石油や石炭などの化石燃料が燃える際に発生します。日本では高度経済成長の時代に、工場からの煙などに含まれる硫黄酸化物(SOx)による大気汚染が進行し、大きな問題になりました。また、酸性雨の原因にもなります。さまざまな対策や規制の結果、その濃度は現在、減少しています。

人体への影響…気管支炎やぜん息の原因になると言われています。

窒素酸化物[ N O x ]

窒素酸化物(NOx)は、燃料を高温で燃やすことで、燃料中や空気中の窒素と酸素が結びついて発生します。工場や火力発電所、自動車、家庭など発生源は多様です。都市部の自動車から排出される窒素酸化物(NOx)による大気汚染が問題となり、現在も排出ガス規制などにより排出量を減らす努力が続けられています。

人体への影響…高濃度の二酸化窒素(NO2)は、のど、気管、肺などの呼吸器に悪影響を与えます。

光化学オキシダント[ O x ]

光化学オキシダント(Ox)は、自動車や工場などから排出された窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(VOC)が、紫外線を受けて光化学反応を起こすことで生じる物質です。高濃度の光化学オキシダント(Ox)が大気中に漂う現象を光化学スモッグといいます。近年では、海外からの影響も指摘され、注目されています。

人体への影響…目の痛みや吐き気、頭痛などを引き起こします。

粒子状物質[ P M ]

粒子状物質(PM)は固体および液体の粒を指します。工場などの煙から出るばいじんや、鉱物の堆積場などから発生する粉じん、ディーゼル車の排出ガスに含まれる黒煙などのほか、土ぼこりなど自然現象によるものもあります。高度経済成長期には、洗濯物や室内の汚れなど生活環境への被害が発生しました。

人体への影響…高濃度の粒子状物質(PM)は呼吸器疾患やガンなどと関連があると考えられています。

浮遊粒子状物質[ S P M ]

粒子状物質(PM)のうち、粒径10マイクロメートル以下の小さなものが浮遊粒子状物質(SPM)と呼ばれます。粒径がより小さいため、吸い込まれると肺や気管などに沈着しやすく、人体への影響が心配されます。都市部の自動車交通量の急増に伴い、浮遊粒子状物質(SPM)による大気汚染が深刻化したため、さまざまな規制が実施されています。

人体への影響…呼吸器に悪影響を与えるだけでなく、ガンや花粉症などのアレルギー疾患との関連が指摘されています。

微小粒子状物質[ P M 2 . 5 ]

浮遊粒子状物質(SPM)のうちで、さらに小さい粒径2.5マイクロメートル以下のものを微小粒子状物質(PM2.5)と呼びます。浮遊粒子状物質(SPM)よりさらに肺の奥まで入りやすく、健康への影響も大きいと考えられています。日本では2009(平成21)年に環境基準が設けられ、対策が急がれています。

人体への影響…気管支や肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器疾患だけでなく、肺ガンなどを引き起こす可能性があると言われています。

その他の大気汚染の原因物質

塗料やインク、接着剤などに溶剤として含まれる揮発性有機化合物(VOC)は、揮発しやすく大気中で気体になる物質で、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどがその代表です。揮発性有機化合物(VOC)は、光化学スモッグを引き起こす光化学オキシダント(Ox)や浮遊粒子状物質(SPM)の生成原因となることから、法律による規制だけでなく、事業者による自主的な排出削減への取り組みが行われています。

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