大気環境の情報館

公害対策基本法の成立(1967年)

四日市の大気汚染に対し、1963年、厚生省と通商産業省は共同して、専門家からなる黒川調査団(団長:工業技術院 黒川真武院長)を編成し、現地に派遣して、汚染影響調査、発生源対策調査を行い、1964年、四日市公害に関する勧告を政府に提出しました。次いで同調査団は、三島・沼津のコンビナート建設問題調査のため、現地で発生源の調査と事前予測・評価を行いました。

各地で発生した公害問題に対する国民世論が急速な高まりを見せてきている中、公害の対象範囲、公害発生源者の責任、国、地方公共団体の責務の明確化など、施策推進の前提となる基本原則を明らかにするべきであるとの声が高まりました。こうした結果、1967年7月に「公害対策基本法」が成立しました。

この法律は、第1章総則をはじめ全体が4章30カ条で構成され、ばい煙、汚水、廃棄物等の処理による公害防止のための事業者の責務のほか、国民の健康保護と生活環境保全に対する国の責務、地域の自然的、社会的条件に応じた公害の防止に関する地方公共団体の責務、公害防止の施策に協力する住民の責務、政府による環境基準の設定、国の大気汚染等に関する規制措置、地方公共団体による公害防止のための施策の実施と市町村の行なう施策の総合調整、内閣総理大臣の都道府県知事に対する特定地域に係る公害防止計画の策定指示と都道府県知事による公害防止計画の策定、公害防止事業費用の事業者による負担、総理府への公害対策会議、環境庁への中央公害対策審議会、都道府県への都道府県公害対策審議会、市町村への市町村公害対策審議会の設置と各々の役割などが定められていました。

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