大気環境の情報館

石綿健康被害救済法の制定

2005(平成17)年12月、政府は「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」を開き、当時社会的関心を集めその迅速な対応が求められていたアスベスト問題について総合的な対策をとりまとめ発表しました。この内容には、(1)隙間の無い健康被害者の救済として、救済新法の制定、労災補償制度の周知徹底等、被害者救済に資する研究の推進等が、また(2)今後の被害を未然に防止するための対応として、既存施設におけるアスベストの除去等、解体時等の飛散・ばく露の防止、アスベスト廃棄物の適正な処理、アスベストの早期全面禁止が、さらには(3)国民の有する不安への対応として、実態把握と国民への積極的な情報提供、健康相談等による対応が盛り込まれていました。

この方針に沿って、石綿による健康被害者であって労災による補償の対象とならない方に対し、迅速かつ安定した救済制度を確保することを目指して、2006(平成18)年2月に「石綿による健康被害の救済に関する法律」が国会で成立しました。

この制度では、対象となる疾病は、中皮腫、石綿による肺がん、著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺・びまん性胸膜肥厚となっています。また、給付には、医療費(自己負担分)、療養手当て、葬祭料、救済給付調整金、遺族の方に対する特別遺族弔慰金、特別葬祭料があります。環境再生保全機構は、この給付を受けようとする方からの申請に基づいて、中央環境審議会の意見、環境省の医学的判定を踏まえて認定することとなっています。また、救済給付の費用は、環境再生保全機構の中に設けられた「石綿健康被害救済基金」(事業者、国、地方公共団体から拠出)から支出することになっています。

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