大気環境の情報館

天然ガス自動車

仕組み

天然ガス自動車は、天然ガスを燃料とした内燃機関(エンジン)によって走行する自動車です。天然ガスの貯蔵方法によって、圧縮天然ガス(CNG)自動車、液化天然ガス(LGN)自動車、吸着天然ガス(ANG)自動車の3つに分類されます。なかでも、天然ガスを気体のまま20MPaまで圧縮して高圧ガス容器に貯蔵し、それを燃料とする圧縮天然ガス(CNG)自動車が世界的に最も普及しており、日本の場合はすべてCNG自動車です。

特徴

天然ガス自動車は、エンジンの電子制御、触媒技術、希薄燃焼技術の導入により窒素酸化物(NOx)の排出量を低く抑えることができます。
天然ガスは、燃料中の不純物や高分子炭化水素の含有量が少ないため、粒子状物質(PM)はほとんど排出されません。光化学反応性の炭化水素(非メタン系HC)、一酸化炭素(CO)の排出も同様に低く抑えられています。また、硫黄分などの不純物を含まないため、排出ガスの浄化が容易で、黒煙も出ません。さらに、オクタン価がガソリンより高く、圧縮比を上げることで従来のガソリンエンジンよりも高効率化を図ることができ、燃料燃焼時に発生する二酸化炭素(CO2)の排出量がガソリン車よりも20~30%低減することが可能です。
天然ガス自動車の用途は広範囲におよんでいます。基本的な構造がガソリン車やディーゼル車と共通なので改造が容易で、軽自動車・乗用車からバス・トラック等まで幅広く生産されています。天然ガス自動車の走行性能や燃費はガソリン車やディーゼル車と同等です。ディーゼル車から改造した天然ガス自動車の場合、ベース車と比べて騒音や振動が大幅に改善されます。また、気体燃料であることから、低温下でのエンジンの始動性が良好です。

課題

燃料が気体であるため、貯蔵容積効率がガソリン車の1/3~1/4程度で、1回のガス充填で走行できる距離がそれだけ短くなり、走行可能距離は小型貨物車(バン)では約300kmとなっています。最近では、ガス容器の軽量化により搭載本数が増え、ガソリン車との走行距離に差がなくなりつつあります。
ガス容器積載による、車体重量の増加を抑えるために、 FRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)容器やオールコンポジット容器などの軽量容器による重量の軽減化が進められています。

燃料の供給方法

エコ・ステーション等の急速充填設備で充填することができます。また、自家用昇圧供給装置もあります。これは、天然ガス自動車と原則的に1対1で設置する小型の燃料供給装置で、この装置を一般の家庭に引かれているガス管に接続すれば、各家庭で簡単に取り扱うことができるものです。ただし、蓄ガス器を持たないため充填に時間がかかります。

主な車種

トヨタ「プロボックスバン」、日産「セドリックセダン」、ホンダ「シビック」、ダイハツ「ミラバン」などが代表的な車種です。

メンテナンス/購入・リースの方法

従来のガソリン車やディーゼル車と燃料系統が異なるだけなので、燃料系統以外はベース車両と同じメンテナンスです。
燃料供給系の定期点検は、資格のある整備工場にユーザーが車両を持ち込んで行ってもらいます。点検項目、方法等については、CNG自動車構造等取扱基準に基づいて実施されるもので、点検の内容としては、燃料ガスの漏洩を防止するためのガス容器、配管等の気密性の点検が中心です。点検間隔は、事業用車両で点検項目に応じて12カ月または3カ月毎、自家用車両で点検項目に応じて24カ月または12カ月毎になっています。ガス容器及び容器付属品は高圧ガス保安法に基づいて初回4年、以降2年と1カ月以内毎の点検が必要です。
基本的には一般車と同様に販売店(代理店)で購入することができます。またリースの場合は、リース会社と契約することになります。

普及状況・研究開発状況

都市用途の路線バスや荷物集配車などの商用車を中心に開発及び普及が進んでいます。1993年度には1,000台に満たなかった天然ガス自動車はその後、急速に台数を増加させ、2011年9月末で、国内では40,823台が使用されています。
なお、世界的にはパキスタン、イラン、アルゼンチンを中心に約1,300万台以上が走っています。

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