大気環境の情報館

自動車NOx・PM法

自動車交通が集中し、自動車から排出されるNOx(窒素酸化物)による大気汚染の著しい東京、名古屋、大阪等の大都市地域においてディーゼル自動車(乗用車、トラック、バス、特殊自動車)に対する特別の排出ガス規制等を行い、二酸化窒素(NO2)及び浮遊粒子状物質(SPM)に係る大気環境基準の確保を図るための法律。

窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域

自動車NOx・PM法による車種規制、事業者排出抑制対策が適用されるのは、「窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域」(以下「対策地域」)である。
対策地域は以下の要件を同時に満たす地域である。
(1) 自動車交通が集中していること
(2) 大気汚染防止法による従来の措置(工場・事業場に対する排出規制及び自動車1台ごとに対する排出ガス規制)だけでは、二酸化窒素・浮遊粒子状物質に係る大気環境基準の確保が困難であること

窒素酸化物対策地域
原則として、走行量密度、自動車保有台数密度及び窒素酸化物排出量密度がいずれも全国平均の3~4倍を超える地域
粒子状物質対策地域
原則として、走行量密度、自動車保有台数密度及び粒子状物質排出量密度がいずれも全国平均の3~4倍を超える地域

具体的には、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、三重県、大阪府及び兵庫県内の276市区町村が指定されている。

車種規制

対策地域に指定された地域で、特別の排出基準を定め、これに適合する窒素酸化物・粒子状物質の排出量がより少ない車を使うようにするための規制。

窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準(以下「排出基準」)を満たしていない自動車は、猶予期間(初度登録からの経過年数)経過後は、対策地域内で登録できない。

排出基準及び猶予期間については、以下のようになっている。

排出基準

<ディーゼル乗用車>
NOx : 0.48g/km(昭和53年規制ガソリン車並)
PM : 0.055g/km

<バス・トラック>
1.7t以下
NOx : 0.48g/km(昭和63年規制ガソリン車並)
PM : 0.055g/km

1.7t超2.5t以下
NOx : 0.63g/km(平成6年規制ガソリン車並)
PM : 0.06g/km

2.5t超3.5t以下
NOx : 5.9g/kWh(平成7年規制ガソリン車並)
PM : 0.175g/kWh

3.5t超
NOx : 5.9g/kWh(平成10年、平成11年規制ディーゼル車並)
PM : 0.49g/kWh(平成10年、平成11年規制ディーゼル車並)

猶予期間

普通貨物自動車 : 9年
小型貨物自動車 : 8年
大型バス : 12年
マイクロバス : 10年
ディーゼル乗用車 : 9年
特種自動車 : 原則10年

 

事業者排出抑制対策

自動車NOx・PM法においては、対象自動車を使用する事業者であって、その対象自動車のうち、対象地域内にその使用の本拠の位置を有する対象自動車の数が政令で定める台数以上のものである自動車を使用する者を特定事業者としている。

特定事業者は、事業活動に伴う窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置の実施に関する計画を作成し、都道府県知事(自動車運送事業者等については国土交通大臣。以下同じ。)に提出するとともに、毎年、実施状況について都道府県知事に報告しなければならないこととなり、また、実施状況が著しく不十分である場合には、都道府県知事による勧告・命令の対象となる。

要件の具体的内容は、
対象自動車:乗用車、トラック、バス、特種自動車
台数:30台以上

施行時期

・車種規制については、
バス、トラック : 平成14年 5月
ディーゼル乗用車 : 平成14年10月

・事業者排出抑制対策については、平成14年 5月
自動車NOx・PM法に基づく政令の一部改正等について(環境省ホームページ)


関連用語:

このページの先頭へ