ぜん息などの情報館

Q5 ぜん息の治療中に治療のステップアップ、ステップダウンということを聞いたのですがくわしく教えてください。

A5

ぜん息の治療を行う場合、患者さんの重症度を判定して治療方針(治療薬の種類や使用量)を決定します。ぜん息の重症度は、ぜん息の症状が、ある期間にどの程度の強さで何回起こったか、夜間の症状を含めて症状の強度や発生頻度に応じて判定されます。ぜん息の重症度は、ステップ1(軽症間欠型)からステップ4(重症持続型)の4 段階に分類され、推奨される治療方針がガイドラインで具体的に示されています。医師はこれを参考に、患者さんの治療薬の種類と使用量を決定し、ぜん息症状の改善と安定を図るわけです。

ぜん息治療の基本となる考え方は、「発作が起きたら治療する」のではなく「発作を起こさないようにコントロールする」ことです。したがって、ぜん息症状がなくなったら治療をやめるのではなく、ぜん息症状を予防する長期管理が標準的な治療プランとなっています。長期管理がうまくいくと、ぜん息症状のない生活を送ることができます。でもこれはぜん息が治ったからではなくうまくコントロールされていることを意味します。患者さんはできれば治療薬を少なくしたいと感じていますし、医師も必要最低限の治療薬でコントロールしたいという気持ちは同じです。現在の治療薬で少なくとも3 か月以上無症状であれば、治療薬の使用量をワンステップ下げる「ステップダウン」を行います。逆に、現在の治療薬を指示どおり使っているのにもかかわらずぜん息症状が続くため、短時間作用性吸入β2刺激薬(発作治療薬)を1 日に3〜4 回以上使用する日が週に3 回あるような場合は、ぜん息のコントロールが十分とはいえません。医師に報告し、治療方針をワンステップ「ステップアップ」し長期管理薬の使用量を変更します。

じれったく感じるかもしれませんが、医師はぜん息治療のもう一つの目標として「気道のリモデリングの予防」ということを考えています。ぜん息発作をくり返し、本来弾力性のある気道が傷ついて気道壁が厚く狭い状態になる(気道のリモデリング)と、効果のあるはずの治療薬が効かなくなってしまいます。自己判断で治療を中断し、発作をくり返すと気道のリモデリングが進んで重症化してしまうのです。(すこやかライフ特別号P10-11参照)

ぜん息治療の「ステップアップ・ステップダウン」の判断には、ぜん息日誌でのピークフロー値の変動も参考となります。ぜん息症状のない快適な生活を送るためには、自己判断による治療の中断は禁物です。主治医の先生とよいパートナーシップを築いて、二人三脚でぜん息治療を行うことが大切です。

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