成人ぜん息の基礎知識 健康な人と変わらない日常生活を送れるようになること

実践編ぜん息をコントロールする

自分のぜん息の状態を把握する

コントロール状態を調べよう

ぜん息の症状が出ないよう、適切な薬物療法と自己管理を継続することを「ぜん息をコントロールする」といい、症状がまったく出ない状態を「コントロール良好」といいます。
ぜん息治療の目標は「症状なく健康な人と変わらない生活を送ること」すなわち、コントロール良好な状態を維持することです。
あなたは、ぜん息を上手にコントロールできていますか? 下のチェックテストで確認してみましょう。

喘息コントロールテスト(ACT:アクト)

以下の5つの質問について、あてはまるものにチェックを入れ、「合計点を計算する」ボタンをクリックしてください。自動で点数を計算して、結果を表示します。その合計点から、あなたの今の喘息の状態を確認しましょう。

Step1各質問について、該当するものにチェックしてください。

できる限り率直にお答えください。喘息の現状について担当医師に相談する際、役立ちます。

  1. 質問1この4週間に、喘息のせいで職場や家庭で思うように仕事がはかどらなかったことは時間的にどの程度ありましたか?
  2. 質問2この4週間に、どのくらい息切れがしましたか?
  3. 質問3この4週間に、喘息の症状(ゼイゼイする、せき、息切れ、胸が苦しい・痛い)のせいで夜中に目が覚めたり、いつもより朝早く目が覚めてしまうことがどのくらいありましたか?
  4. 質問4この4週間に、発作止めの吸入薬(サルブタモールなど)をどのくらい使いましたか?
  5. 質問5この4週間に、自分自身の喘息をどの程度コントロールできたと思いますか?

Step2合計点

Step3総合点からあなたの喘息状態を、確認しましょう。

点数:25点(満点)
好調です。このまま続けましょう!
あなたの喘息は完全な状態(トータルコントロール)です。全く症状がなく、喘息による日常生活への支障は全くありません。この調子で治療を続けましょう。もしこの状態に変化があるようならば、担当医師にご相談ください。
点数:20点から24点
順調です。あと一息
あなたの喘息は良好な状態(ウェルコントロール)ですが、完全な状態(トータルコントロール)ではありません。担当医師のアドバイスにより治療を継続し、トータルコントロールを目指しましょう。
点数:20点未満
まだまだです。もっとよくなります
あなたの喘息は、コントロールされていない状態です。
あなたの喘息状態を改善するために、担当医師と治療方法をよく相談しましょう。

クオリティメトリック社による著作権2002。喘息コントロールテストはクオリティメトリック社の商標です。

ぜん息が「完全な状態(トータルコントロール)」でなかったら

治療をきちんと継続できているか、自己管理を怠っていないか、以下のチェックリストを使って自分の行動を振り返り、改善していきましょう。

1.医師の指示通りに、薬の吸入や服薬を続けていますか
ぜん息は慢性の病気です。自分勝手に薬を止めてしまわずに継続することが重要です。
2.吸入薬を正しく吸入できていますか
吸入薬は、正しい手順で吸入することによって、はじめて本来の効果を発揮します。自己流になっていないか、きちんと薬を吸入できているか、定期的に医師や看護師、薬剤師にチェックしてもらいましょう。

正しい吸入方法を身につけよう

3.ぜん息の悪化因子への対策をしていますか
ぜん息を悪化させる原因は人によってさまざまです。自分に合わせた悪化因子への対策をしましょう。
4.合併症がある場合、きちんと治療をしていますか
ぜん息と合併することにより、ぜん息に悪影響を及ぼす病気があります。治療を継続してもなかなかよくならない場合、合併症がないか医師に診断してもらうことも大切です。合併症がある場合には、きちんと治療を受けましょう。

ぜん息との合併に気をつけたい病気

上記をすべて改善してもぜん息がよくならない場合、医師は薬の量や種類を増やす(治療をステップアップする)ことを検討します。

「完全な状態(トータルコントロール)」と判定されたら

ぜん息のコントロール状態は良好です。症状が出ない状態が続けば医師の判断で、薬の量を減らしたり、最終的には薬を中止できる可能性があります。
ただし、医師の指示がない限り自分の判断で薬を止めたり、減らしてはいけません。ぜん息は慢性の病気なので、症状が出ない状態であっても、目に見えない気道の中では炎症が続いています
医師は症状に加え、呼吸機能検査や呼気NO測定など病院での客観的な検査の結果もふまえて、総合的に判断して、薬の量や種類を減らしたり(治療のステップダウン)、薬の中止を考えたりします。いまの治療や自己管理を、きちんと継続していきましょう。

関連リンク

LINEで送る

コントロール状態を調べよう
日常生活の改善
ピークフロー測定とぜん息日記

成人ぜん息トップに戻る

このページの先頭へ