小児ぜん息 基礎知識

発作時の対応

急いで受診するべきぜん息発作ってどんな様子のときですか?

息をすうときにのどやろっ骨の間などがはっきりとへこむ、話すのが苦しい、眠れないなどの「強いぜん息発作のサイン」があるときは医療機関の受診が必要です。お子さんの会話・食欲・睡眠などの生活の様子、顔色や脈、呼吸の様子をよく観察し、受診のタイミングを逃さないようにしましょう。

息をすうときにのどやろっ骨の間などがはっきりとへこむ、話すのが苦しい、眠れないなどの「強いぜん息発作のサイン」があるときは医療機関の受診が必要です。

強いぜん息発作のサインがあるときは医療機関を受診しましょうCHECK!

「強いぜん息発作のサイン」には以下のようなものがあります。これが一つでもある場合には、ただちに受診が必要です。救急車を要請してもかまいません。

サイン1、生活の様子(遊べない、話せない、歩けない、食事がほとんどとれない、横になれない、眠れない)サイン2、全身の様子(顔色が悪い(唇の色や爪の色の赤みがない)、ぼーっとしている、または普段よりも興奮して暴れている)サイン3、呼吸や脈の様子(遠くからでも明らかにゼーゼーしていることがわかる、息をすうときにのどやろっ骨の間などがはっきりとへこむ、小鼻が開く、脈がとても速い)

ぜん息発作のときの観察のポイントmovieCHECK!

次のようなことに注目して観察しましょう。
受診したときはそれぞれの観察のポイントがどのような状態か医師に伝えましょう。

  • ポイント1、日常生活の様子を観察しましょう…Q.食欲や遊び方、睡眠などは普段とくらべてどうですか? A.呼吸が苦しいと遊んだり、話したり、食べたりなどの動作はより呼吸に負担がかかります。また強い発作になると、座った姿勢を好むようになります。横になることも呼吸を苦しくしますので、横になって眠ることが難しくなります。
  • ポイント2、Q.呼吸の様子を観察しましょう…ゼーゼーや息苦しさはどうですか? A.発作が強くなるとヒューヒュー、ゼーゼーがしっかり聞かれるようになり呼吸の苦しさが強くなります。/Q.胸の動きはどうですか? A.ぜん息発作のときには、のどもとやろっ骨の間が息をすうときにへこむ陥没呼吸が見られます。強い発作ではこの様子がより明らかになります。

    【動画】小児ぜん息発作の強さ別の胸の動き(陥没呼吸)の様子

  • ポイント3、客観的な指標を使って評価しましょう…Q.普段の値とくらべてどうですか? A.日常のぜん息の管理としてピークフローの値を計測している場合、ピークフローの値が発作の強さの目安になります。

ぜん息発作が起きたとき、どのように対応したら良いですか?

発作の程度を見極めて気管支拡張薬を中心とした治療を行います。急に発作が起こったときにどの薬を使ったらいいか、薬の正しい使い方、受診のタイミングなど、普段から医師と相談して対応できるようにしておきましょう。

急に発作が起こったときにどの薬を使ったらいいか、薬の正しい使い方、受診のタイミングなど、普段から医師と相談して対応できるようにしておきましょう。

発作治療薬の使い方

発作治療薬の代表が短時間作用性気管支拡張薬です。狭くなった気道を広げる効果があります。吸入薬、飲み薬などすぐに効果が見られるものがありますが、より早く効果があらわれるのが吸入薬です。発作が軽いうちに早く吸入することも大切です。

  • 吸入薬 メプチン、サルタノール、ベネトリンなど

  • 飲み薬 メプチン、ホクナリン、ベネトリン、ベラチンなど

ぜん息の貼り薬(ホクナリンテープ®など)は、効果があらわれるまでに数時間かかります。そのため、発作治療薬としては適していません。

救急受診のタイミング

次のような場合は受診しましょう。

  • ・苦しくて眠れない
  • ・気管支拡張薬の吸入や内服の効果が不十分(右表参照)
  • ・気管支拡張薬が手元にない
  • ・強いぜん息発作のサインがある

ゼーゼーしていても、ぐっすり眠っている場合には、起こして薬を飲ませたり吸入させたりする必要はありません。

落ち着いて対応しましょうCHECK!

ぜん息の発作が起こってしまったら、まずは保護者が落ち着き、子どもに安心感を与えることが大切です。

日頃から発作のときにどうしたら良いのか考えておきましょう。
・薬はありますか?
・どこに受診しますか?(日中、夜間)
症状を冷静に観察しましょう。
・強いぜん息発作のサインはありますか?
・気管支拡張薬で良くなっていますか?
・呼吸以外の症状はありますか?
発作が起きたときの対応の方法CHECK!

次のようなことに注目して観察しましょう。
受診したときはそれぞれの観察のポイントがどのような状態か医師に伝えましょう。

強いぜん息発作のサインがあったときは、気管支拡張薬を使いましょう。発作をくり返すときは早めに医療機関を受診します。気管支拡張薬が手元にないときは、無理せず早めの受診を考えましょう。

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