小児ぜん息 基礎知識

ぜん息の薬

ぜん息の治療ではどんな種類の薬が使われますか?

ぜん息の治療で使われる薬には2種類あります。一つは、苦しくないときも続けて気道の炎症を鎮めて発作を予防する吸入ステロイド薬などの長期管理薬です。もう一つは、発作のときだけ使って気管を広げて楽にする気管支拡張薬などの発作治療薬です。

ぜん息の治療で使われる薬には、長期管理薬と気管支拡張薬などの発作治療薬の2種類あります。

1. 慢性的に続く炎症を抑えて発作を予防する薬(長期管理薬)

気道の慢性的な炎症(“ヒリヒリ”)を鎮め発作が起こらないようにする薬が長期管理薬です。発作がなくても毎日定期的に使用します。続けることで少しずつ気道の炎症が改善され、発作が起こりにくくなります。効果を実感するまでに少し時間がかかりますが、根気よく続けましょう。

気道の炎症がいつもある状態で長期管理薬を続けた場合は気道の炎症が抑えられます。反対に長期管理薬を使わなかった場合は気道は発作が起こりやすく、だんだん固くなってしまいます。

長期管理薬は症状がなくても毎日続けましょう。自己判断でやめないようにしましょう。きちんと使用しても十分に予防できていない場合は、医師に相談しましょう。

【主な長期管理薬】

吸入ステロイド薬(オルベスコ、パルミコート吸入液、フルタイドエアー、アドエア50エアゾール、キュバール、パルミコートタービュへイラー、フルタイドディスカス、アドエア100ディスカス) ロイコトリエン受容体拮抗薬(オノンカプセル、オノンドライシロップ10%、シングレアチュアブル錠、シングレア細粒、キプレスチュアブル錠、キプレス細粒

その他にクロモグリク酸ナトリウム(インタール®)、テオフィリン薬、長時間作用性β2刺激薬、Th2サイトカイン阻害薬(アイピーディ®)などがあります。
※吸入ステロイド薬と長時間作用性気管支拡張薬の配合剤

2. 気道を広げて発作を止める薬(発作治療薬)

発作が起きたときに、狭くなった気道を広げて楽にする薬です。代表的な発作治療薬は短時間作用性気管支拡張薬です。吸入薬、飲み薬などがありますが、より早く効果があらわれるのが吸入薬です。気道の炎症を抑える効果はありませんので、炎症が鎮まらない限りまた発作が起こります。その場しのぎの治療をせず、長期管理薬を使用しましょう。

発作が起きたときに、発作治療薬を使った場合は狭くなった気道を広げてくれるため呼吸が楽になります。ただし炎症を抑える効果はないので、気道の炎症は続いたままとなり、炎症が鎮まらない限りまた発作が起こります。

発作がひどくなる前に吸入または内服をしましょう。効果が不十分な時は受診しましょう。

【主な発作治療薬】

気管支拡張薬(メプチン吸入液ユニット、メプチンキッドエアー、メプチンエアー、サルタノールインヘラー、アイロミールエアゾール、ベネトリン吸入液0.5%) 飲み薬(メプチン、ホクナリン、ベネトリン、ベラチン など)

気管支拡張薬の貼り薬(ホクナリンテープ®など)は、効果があらわれるまでに数時間かかります。
そのため、すぐに効いてほしいときに使う薬としては適していません。

吸入ステロイド薬の副作用が心配なのですが・・・

吸入ステロイド薬のように毎日続ける長期管理薬も、正しい使い方をしていれば副作用の心配はありません。吸入の後、うがいをしたり水を飲んだりするのは副作用を防ぐために大切です。

吸入ステロイド薬のように毎日続ける長期管理薬も、正しい使い方をしていれば副作用の心配はありません。

吸入ステロイド薬とステロイド内服薬の違い

吸入ステロイド薬は、気管支に直接届くため(局所投与)、内服の100分の1程度のわずかな量でも充分に効果を発揮します。一方で、ステロイドの内服薬や注射薬は、全身にわたって作用します(全身投与)。このため使用し続けている間は、ステロイドの作用で成長が止まったり、毛深くなったりします。ただし、発作のときに数回飲んだり注射する程度では問題ありません。

吸入は気道の炎症部位に直接作用し、内服は全身に作用します

吸入ステロイド薬の全身への副作用はほとんどありません

吸入した後に、吸入ステロイド薬の一部は口の中に残って胃腸で吸収されます。しかし、ごくわずかな量で、それもすぐに肝臓で分解されてしまうため内服薬のような副作用は起こりません。

吸入したステロイド薬の一部が肺に届きますが、血液中に流れるステロイドは微量で全身循環への影響・副作用はほとんどありません。また、吸入ステロイド薬の一部は口の中に残って胃腸で吸収されますが、ごくわずかな量で、すぐに肝臓で分解されてしまうため内服薬のような副作用は起こりません。

吸入の後はうがいをしましょう

吸入ステロイド薬の一部が口の中に残ったままだと、のどの違和感や、口の中にカビが生えること(カンジダ症)があります。これを防ぐために、吸入の後は毎回うがいをしましょう。うがいができない年齢では、吸入後に水を飲んで胃に流します。

吸入ステロイド薬の一部が口の中に残ったままだと、のどの違和感や、口の中にカビが生えること(カンジダ症)があります。これを防ぐために、吸入の後は毎回うがいをしましょう。

身長の伸びと関係あるの!?

ぜん息の子どもの治療に、吸入ステロイドを使用したグループと使用しないグループの身長を比較したところ、使用したグループの子どもで身長の伸びが1~2cm抑えられていたという研究の結果があります。この結果から吸入ステロイド薬はわずかですが身長の伸びに影響を与える可能性が指摘されています。吸入ステロイド薬がない時代は、発作のコントロールが悪く、睡眠障害から成長抑制をきたしてしまうこともありました。吸入ステロイド薬は気道の炎症を鎮めて発作の回数を減らし、ぜん息による生活の制限を減らすことができます。吸入ステロイド薬の普及により確実にぜん息で命を落とす患者さんの数は減少したことがわかっています。また医師は吸入ステロイド薬の効果とその副作用の両方を考えて、必要と判断した場合に処方して定期的に子どもの状態を観察、評価して使用する量や期間を決めています。

ぜん息の子どもの治療に、吸入ステロイドを使用した子どもで身長の伸びが1~2cm抑えられていたという研究の結果から吸入ステロイド薬はわずかですが身長の伸びに影響を与える可能性が指摘されています。吸入ステロイド薬がない時代は、発作のコントロールが悪く、睡眠障害から成長抑制をきたしてしまうこともありました。吸入ステロイド薬は気道の炎症を鎮めて発作の回数を減らし、ぜん息による生活の制限を減らすことができます。また医師は吸入ステロイド薬の効果とその副作用の両方を考えて、必要と判断した場合に処方して定期的に子どもの状態を観察、評価して使用する量や期間を決めています。

長期管理薬の種類や量はどのように決められているのですか?

長期管理薬の種類や量は、どのくらいのひどさの発作が何回起こったかによって決まります。コントロールの状況に合わせて、薬の量を増減していきます。

長期管理薬の種類や量は、どのくらいのひどさの発作が何回起こったかによって決まります。

医師は患者さんのぜん息の程度を見極めて、薬を決めている
まず、ぜん息発作のひどさや頻度から重症度(みかけの重症度)を決める。
1. まず、ぜん息発作のひどさや頻度から重症度(みかけの重症度)を決める。…間欠型(年に数回、季節性に咳や軽いゼーゼーがある。)、軽症持続型(咳や軽いゼーゼーが毎週ではないが、月に1回以上はある。)、中等症持続型(咳や軽いゼーゼーが毎日ではないが週に1回以上はある。)、重症持続型(咳や軽いゼーゼーが毎日ある。)、最重症持続型(しばしば夜に中・大発作で時間外受診し、入退院を繰り返し、日常生活が制限される。)
“これまでの治療ステップ"と重症度から"現在必要な治療ステップ”(真の重症度)を決める。
2. “これまでの治療ステップ”と重症度から“現在必要な治療ステップ”(真の重症度)を決める。
“現在必要な治療ステップ”に年齢をふまえて治療薬を決める。
3. “現在必要な治療ステップ”に年齢をふまえて治療薬を決める。(発作とこれまでの治療を知ることで、本当に必要な薬の量がわかります。長期管理薬は吸入ステロイド薬が中心となりますが、年齢に応じて使用する薬の量が少し異なります。長期管理薬を続けて発作の回数が減ったら、治療ステップを下げていきます。)

【2歳未満】の基本治療と追加治療
【2~5歳】の基本治療と追加治療
【6~15歳】の基本治療と追加治療

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