ぜん息などの情報館

2-4 思春期・成人の気管支ぜん息、慢性気管支炎、肺気腫の発症・変動因子に関する研究

研究代表者:大田 健

研究の目的

気管支喘息およびCOPDの発症にはいろいろの因子が想定され、基礎的な研究を通じてその検証が広く行われている。 しかし、未だ決定的因子は明らかではない。 喘息やCOPDの発症機構あるいは発症に関与する因子を明らかにすることは、各疾患の発症を予防する方策を確立することを可能にするものである。

本研究では、患者のQOLや予後の改善に必要な生活環境の整備や治療における標的を確定し、より良い生活指針と治療法を確立するために、喘息の発症・変動因子を明らかにすることを目的とした。

12年度研究成果

気管支喘息およびCOPD両者について、発症・変動因子を現在まで知られている知見を文献的に検索し、エビデンスの質を検討した。
現在まで、知られている因子について、どの程度エビデンスが蓄積されているかについて浮き彫りにできた。 喘息については、喘息の発症因子として、遺伝、アレルゲン、気道過敏性を支持する根拠ある論文があることが客観的に証明された。
COPDについては喫煙がCOPDの発生、進展の最も強い危険因子として挙げられる。 他の因子については、賛否両論存在し、今後さらにこの発症・変動因子について、基礎的レベルから検討を加える必要があることが浮き彫りにできた。

気管支喘息については、これら発症・変動因子の日本での現状を把握するために来年度より行う質問表の作成を進めた。

今後の課題

喘息およびCOPDの発症あるいは悪化に係わる要因のなかから、文献検索で抽出された事項をまとめ質問表を作成する。
今回の検討では喘息およびCOPD両者について同時に検討できる形に質問表を改変し用いることとした。
両疾患について同時に解析を行うことにより、それぞれの発症・変動因子が、正確に把握できることが期待できる。

この質問表を用いて調査を行い、各症例の住居内のアレルゲンおよび居住地域における大気監視モニターの結果と突き合わせながら、発症・変動因子の解析を行う。

さらに基礎的レベルから関与のメカニズムを明らかにし、発症および変動因子として、信頼性の高いレベルで検証する計画を樹立する。

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