ぜん息などの情報館

1-2-1 気管支喘息のテーラーメイド的予知に基づく発症予防法とQOL調査票を導入した独創的評価法の確立に関する調査研究

代表者:近藤 直実

研究の概要・目的

  1. 気管支喘息は遺伝要因と環境要因が絡みあって成り立っている。健康診査事業の効果的な実践及び改善のための評価手法に関して、この両面からの問診と検査を、簡易遺伝子検索法を導入し、テーラーメイド的(個別化的)発症予知をより正確に行い、それに基づいたテーラーメイド(個別化)予防指導を確立することを目的とする。
  2. 上記の気管支喘息発症予知と指導の効果を評価する画期的方法を確立する。QOL調査票を導入して、健康診査事業における小児気管支喘息発症のテーラーメイド的予知とそれに基づくテーラーメイド予防指導の効果の多面的な評価法を確立することを目的とする。

年度ごとの研究目標(計画)

平成21年度

(1)全(フル)コースと(2)分割コースに分けて並行してすすめる。(1)全(フル)コースは3つのフィールドでの1才6ヶ月健診でアレルギーの予知・予防について、①アレルギーの問診(アンケート)、②診察を行い、さらに希望者に③血液と④遺伝子解析に基づいて⑤アレルギー発症のテーラーメイド予知に基づいて⑥危険因子対策のテーラーメイド(個別化)予防指導を行う。さらに(2)分割コースとして各ステップをすすめる。

平成22年度

  1. 喘息は遺伝要因と環境要因により成立する。健康診査事業において、この両面からの問診と検査を、簡易遺伝子検索法を導入し、スコア化も考慮して、「気管支喘息発症のテーラーメイド予知パネル、テーラーメイド予防パネルおよび評価パネル」を改訂確立する。
  2. このパネルを使用して、個々人での発症予知をスコア化などを考慮して行う。
  3. それに基づいたテーラーメイド(個別化)予防指導を確立する。
  4. QOL調査票を導入して、健康診査事業における喘息発症のテーラーメイド的(個別化的)予知とそれに基づくテーラーメイド予防指導の効果の多面的な評価法を確立する。
  5. 1~4.を踏まえ「気管支喘息発症のテーラーメイド予知・予防マニュアル」を作成する。

3年間の研究成果

平成21年度

  1. 全(フル)コースでは、アレルギー発症のテーラーメイド予知に基づいてテーラーメイド予防指導を行った。
  2. 分割コースは先の全コースでの効果を、前もって判断できるエビデンスを短時間で得るために、各ステップについてのプロジェクトを並行してすすめた。その結果、以下の極めて有用な成果が得られた。
    1. 喘息のテーラーメイド予知パネルの確立
    2. 喘息のテーラーメイド予防指導法パネルの確立
    3. 喘息のテーラーメイド予知予防指導効果のQOL調査票の確立とそれによる評価パネル (QOL調査票・QOLの評価)
    4. 遺伝子多型と危険因子との関連のプロテオミクスによる解析に基づく機能的因果関係の解明。
    5. テーラーメイド予防指導に関する親の反応に関するアンケート

上記により各ステップの有効性のエビデンスが得られたので全コースですすめているプロジェクトの多大な効果が期待できる。

平成22年度

  1. 「気管支喘息発症のテーラーメイド予知パネル、テーラーメイド予防パネル及び評価パ ネル」を改訂確立し、さらに「同マニュアル(試案)」を作成した。
  2. 3つのフィールドでの1才6ヶ月健診でアレルギーの予知・予防について、(1)アレルギーの問診(アンケート)、(2)診察を行い、さらに希望者に、(3)血液検査と(4)遺伝子解析に基づいて、上記パネルを使用して、(5)アレルギー発症のテーラーメイド予知を行い、それをもとに、(6)危険因子対策のテーラーメイド予防指導を行い、一定の成績を得た。

評価結果

平成21年度

平成21年度評価結果(PDF:85KB)

平成22年度

平成22年度評価結果(PDF:40KB)

平成23年度

平成23年度評価結果(PDF:164KB)

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