ぜん息などの情報館

1-3 ぜん息キャンプ・水泳訓練教室・音楽教室の効果的な実践及び改善のための評価手法に関する調査研究

代表者:宇理須 厚雄

研究の概要・目的

ぜん息キャンプ、水泳訓練教室、スケート教室、音楽教室(事業)でも使うことができるJapan Pediatric Asthma control (JPAC)、ピークフローモニタリング(PF)、NIOX MINO®(Aerocrine社製)による呼気中NO(eNO)測定はそれぞれぜん息コントロール状態、気流制限、気道炎症を評価することができる。これらの自己管理教育用ツールの意義を明らかにし、ぜん息キャンプ、水泳教室、音楽教室でも使うことができる自己管理教育のためのプログラムを作成する。
ぜん息患者の気道に対して非侵襲的評価法である呼気凝縮液中(EBC)のLTE4、サイトカイン、モノカインの測定やimpulse oscillometry system(IOS)は小児でも可能である。これらの意義を明らかにするとともに、キャンプなどで用いうるJPACやeNO測定と比較検討する。

年度ごとの研究目標(計画)

平成21年度

  1. 平成21年度の名古屋市主催の事業とその説明会で治療管理の4本柱(薬物療法、環境整備、運動療法、自己管理)やJPAC、PF、eNOの判読法など、自己管理教育に主眼を置いて患児または保護者に対して講話と実習を行い、その効果をアンケート調査で判定する。
  2. 事業で使用しうるJPAC、PF、eNOの意義を明らかにする。
  3. 気道の非侵襲的評価法であるEBC中のLTE4、サイトカイン、モノカインやIOSの意義を明らかにする。

3年間の研究成果

平成21年度

  1. JPACは臨床的コントロール状態を簡単に判断でき、自己評価・自己管理に有用であった。
  2. JPACの点数とeNOは相関を認めなかった。しかし、個々の患者で両マーカーの変化は関連する傾向がみられた。
  3. 平成21年度の事業後の家庭でのPF実施率とぜん息日記記録状況は平成19・20年度と比べると増加していた。
  4. eNOはIOS%R20と正の相関を示し、中枢気道炎症を反映していると考えられた。
  5. ぜん息や咳喘息患者のEBC中LTE4やEotaxin, MCP3, MIG, IL-1αの増加が認められ、EBCが気道炎症の評価に有用であることが示唆された。

平成22年度

  1. 改訂自己管理教育用プログラムの有用性が明らかになった。
  2. 事業で使用できるJPAC、PF、呼気中NOは簡便に臨床的コントロール状態、気流障害、気道炎症を評価し得るものであった。
  3. 呼気NOは経時的に測定すると気道炎症の変化を評価でき、長期管理に有用である。
  4. 非侵襲的評価法である呼気凝縮液中のサイトカイン・モノカインはぜん息重症度と関連が示されたが、不明な点も多く、さらに検討が必要である。

評価結果

平成21年度

平成21年度評価結果(PDF:81KB)

平成22年度

平成22年度評価結果(PDF:36KB)

平成23年度

平成23年度評価結果(PDF:151KB)

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