ぜん息などの情報館

1-1-1. 気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド的予知のスクリーニング基準の確立

代表者: 近藤 直実

研究の概要・目的

本研究は、新たな健康診査のモデル事業として、問診、血液検査による評価に加えて、 ぜん息発症の遺伝因子および遺伝-環境関連因子など新たな客観的指標を用いて、ぜん息発症のリスクを個別的(テーラーメイド的)に予知するためのスクリーニング基準を、エビデンスに基づき確立することを目的とする。
平成23年度までにG県内の3つのフィールドにおける1歳6ヶ月児健診時の小児と親または保護者を対象として、問診、診察を行い、さらに希望者に採血により一部、遺伝子検索などを行った。これらの小児の3歳児健診時を対象に、問診(環境因子を含む)、診察、血液検査および遺伝子検査による評価に加えてぜん息発症の遺伝因子(ぜん息を発症しやすい体質や遺伝子を有するかどうか)および遺伝-環境関連因子(ぜん息発症環境因子の影響を受けやすい体質や遺伝子を有するかどうか)と3歳児健診時までのぜん息発症の有無との関連を網羅的かつ個別的(テーラーメイド的)に分析する。
これらのエビデンスに基づいて、各因子を選定し、「気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド予知のスクリーニング基準(マニュアル)」を作成する。

年度ごとの研究目標(計画)

平成24年度

平成23年度までに確立した「気管支ぜん息発症の個別化予防のためのテーラーメイド予知パネル」(案)の実用化と有用性の検証を行うと共に、そのエビデンスに基づいて「気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド的予知のスクリーニング基準(マニュアル)」(案)を作成する。
①問診(環境因子を含む)、診察、血液検査による評価に加えてぜん息発症の遺伝因子(ぜん息を発症しやすい体質や遺伝子を有するかどうか)および遺伝-環境関連因子(ぜん息発症環境因子の影響を受けやすい体質や遺伝子を有するかどうか)と3歳児健診時までのぜん息発症の有無との関連を網羅的かつ統計的に解析する。さらに個別的(テーラーメイド的)に分析する。
②上記のエビデンスに基づいて、各因子を選定し、「気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド予知のスクリーニング基準(マニュアル)」(案)を作成する。

平成25年度

平成24年度に作成した「気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド的予知のスクリーニング基準(マニュアル)」(案)の実用性と有用性を検証し、「同スクリーニング基準(マニュアル)」を確立する。
①平成24年度に引き続き、同様の方法で3歳児健診時までのぜん息、アレルギーの発症の有無を判定する。
②平成24年度と同様の方法で、ぜん息、アレルギーの発症と問診(改訂版)、血液検査、遺伝子検査データとの関連について網羅的かつ統計学的に解析し、さらに個別的(テーラーメイド的)に分析する。
③以上のエビデンスに基づいて、上記「同スクリーニング基準(マニュアル)」(案)を十分に検証し、一部変更を経て、最終的に本調査研究の目的である「気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド的予知のスクリーニング基準(マニュアル)を世界、本邦に先駆けて確立する。

2年間の研究成果

平成24年度

1歳6ヶ月児健診での問診項目のいくつか(特に“家族ぜん息”と“かぜでゼーゼー”)により、3歳児健診での医師診察による、ぜん息発症を予知することが可能であり、これらの問診項目同士を組み合わせると、予知の可能性が高まることが示された。
さらに、これらの予知に関わる問診項目は、種々の遺伝子の多型・変異で裏打ちされていることが明らかになった。
また、ぜん息発症因子は種々であるが、個々の児でみると因子の数は多いわけではなく、1~3つの児が大半であり、テーラーメイド予知と予防の必要性が示された。
以上の結果をもとに、気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド予知のスクリーニング基準(マニュアル)(案)を作成した。

平成25年度

平成24年度より引き続き解析を行った。1歳6ヶ月児健診での問診項目のいくつか(特に “かぜでゼーゼー”と“運動でゼーゼー”と“家族歴ぜん息”)により、3歳児健診での医師診察による、ぜん息発症を予知することが可能で、問診項目同士を組み合わせると、予知の可能性が高まることが示された。
さらに、これらの予知に関わる問診項目は、種々の遺伝子の多型・変異で裏打ちされていることが明らかになった。
また、ぜん息発症因子は種々であるが、個々の児でみると因子の数は多いわけではなく、むしろ1~3つの因子の児が大半であり、テーラーメイド予知と予防の必要性が示された。
以上の2年間の結果に基づいて、各因子を選定し、「気管支ぜん息発症予防のための客観的かつテーラーメイド予知のスクリーニング基準(マニュアル))」を作成した。

評価結果

平成24年度

平成24年度評価結果(PDF:73KB)

平成25年度

平成25年度評価結果(PDF:92KB)

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