WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.41 2013年3月発行

ガイドラインの変更点から学ぶ

ポイント1 長期管理とともに発作時の対応も重要

ぜん息治療の中心は、長期管理薬を使い、気道の慢性的な炎症を抑えることにあります。気道の炎症を抑え、発作をおこさないようにすることで、健康な人と同じ生活を送ることができるのです。しかし、発作がおこってしまったときの対応も、ぜん息治療においては重要なポイントとなります。

今回のガイドラインでは、発作をおこした患者さんが病院を受診した際に医師が行う治療を、治療内容の軽いものから重いものへ4段階に分けた「発作治療ステップ」が取り入れられました。医師はステップ1の治療から始め、症状が改善されなければ、次のステップに移ります。

この改訂により、発作時に適切な治療が受けられることにつながります。患者さんにとって重要なことは、発作時に家庭でできる対応を前もって知っておき、対処できるようにすること、救急外来を受診する症状のめやすを知っておくことです(下記参照)。

ただし、もっとも大切なことは、発作をおこさないこと。日々の長期管理は忘れないようにしましょう。

発作のとき家庭でできる対応、緊急外来受診のめやす

ポイント2 合併症やぜん息に関連するさまざまな要因を知り、対処する

ぜん息とCOPD

ぜん息とCOPD

ぜん息による死亡者数は減少しているものの、2011年にぜん息で亡くなった方のうち、88.5%が65歳以上の高齢者です。高齢化が進むなか、ぜん息死ゼロに向けて高齢者への対応が重要になってくるため、本ガイドラインでも高齢者ぜん息の項目を充実させています。なかでも、高齢者で大きな問題となってくる「ぜん息とCOPDの合併(オーバーラップ症候群)」についてくわしく解説されています。

高齢者がぜん息とCOPDを併発している割合は24.7%にのぼるという報告があり、コントロールされていないぜん息とCOPDを合併している場合、COPDを単独で発症する場合とくらべて予後が悪いというデータもあります。

ゼーゼーしたり息苦しいという症状が共通しているため、ぜん息がある場合、COPDを合併していることに気づかないことが多くあります。喫煙経験がある場合は、COPDを発症する確率が高くなりますし、COPDを発症している人に、ぜん息の発作が出る場合もあります。

ぜん息の長期管理薬をきちんと使い気道の炎症を抑えることで、呼吸機能をよい状態に保っておくことができるため、COPD合併予防のためにも日頃の長期管理はやはり大切です。COPDは治療により症状が改善する疾患ですから、早めの対処ができるよう、ぜん息とCOPDの合併が気になる場合は、主治医に相談して検査を受けてみましょう。


アスピリンぜん息

アスピリンぜん息

ぜん息のある人が、アスピリンなどの含まれた薬を飲んだ際におこる強いぜん息発作を「アスピリンぜん息」といいます。とくに鼻にポリープがある人に、アスピリンぜん息をおこしやすい傾向があります。

アスピリンを飲んで、強いぜん息発作がおきた経験のある方は、病院を受診する際、医師にかならずそのことを伝えるようにしましょう。また、アスピリンを飲んだことがない場合は、飲んだことがないという情報を医師に伝えることも大切です。

また、飲み薬だけでなく皮ふに貼る貼付薬や坐薬、塗り薬、目薬でもアスピリンぜん息が引き起こされることがあるので、注意が必要です。

ぜん息であっても、今までにアスピリンを飲んで強い発作がおきたことのない人が、突然アスピリンぜん息をおこす、ということは少ないようですが、むやみに飲んだり、使ったりしたことのない薬を使用しないこと、薬局で市販薬を購入する際には、ぜん息があることを薬剤師に伝えるようにしましょう。


ぜん息とアレルギー性鼻炎

ぜん息とアレルギー性鼻炎

ガイドラインには、ぜん息患者さんの80%前後に、アレルギー性鼻炎が合併していると記載されています。

高い合併率だけが問題なのではなく、アレルギー性鼻炎があると、ぜん息が治りにくくなったり、悪化する要因になることも知られています。ぜん息患者さんでアレルギー性鼻炎がある場合には、たかが鼻炎とあなどらずに、鼻炎の治療を必ず受けるようにしましょう。

このほかにも、副鼻腔炎、中耳炎、アレルギー性気管支肺真菌症などについても、診断基準や治療法を掲載し、非専門医であっても本ガイドライン1冊で問題が解決できるようになっています。

合併症を治療することは、ぜん息治療のためにも大切なことです。ぜん息以外に気になる症状が出た場合は、必ず主治医に相談し、治療を受けるよう心がけましょう。


災害時のぜん息診療

自然災害時にはぜん息などの慢性疾患が悪化しやすいとして、本ガイドラインでは、災害時のぜん息診療についても取り上げられています。

自然災害時には、ぜん息薬の供給が途絶えることや感染症の流行、大気汚染、暖房不足による寒さ、精神的ストレスなどが、患者さんにとって大きな問題となります。

患者さん自身も、災害時に備えて、予備の薬やお薬手帳の控えなどを準備しておくとともに、治療や発作時の対処法もしっかり理解しておきましょう。


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