WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.41 2013年3月発行

地方公共団体健康回復事業レポート:希望者にダニアレルゲンチェック!アレルギー相談事業

乳幼児健診などでアレルギー疾患の疑いがあった児についての健康相談を実施している地方公共団体は多くありますが、東京・文京区では相談内容にあわせて保健師、栄養士、環境衛生監視員による保健指導を行い、希望者には環境整備のために出張調査・アドバイスも行っています。このアレルギー相談事業の中で、今回はとくに環境衛生監視員による環境整備指導を中心に、その取り組みを紹介します。

問診と医師の診察により相談を3分野にわけて対応

文京区「アレルギー相談事業」は、15歳未満で小児ぜん息や湿疹などのアレルギー症状のある人を対象とした事業です。

健診・相談は電話にて予約、区内2か所の地域の保健サービスセンターで、それぞれ月1回実施されています(合計年24回)。

ぜん息をはじめとするアレルギー疾患の発症要因は多岐にわたるため、保健師による問診に加え、アレルギー専門医による診察、そして食物が原因と疑われる場合は栄養士が、環境が疑われる場合は環境衛生監視員が、それぞれの立場からきめ細かい相談・指導を行い、予防や改善のアドバイスを行うことが特徴となっています。

アレルギー相談事業の流れ

1.問診
保健師が問診票に基づき、主訴、症状、治療歴、家族歴、生活環境、栄養などを確認。
2.診察
アレルギー専門医が問診票をベースに患児を診察。症状と希望に合わせて指示票で「栄養」「環境衛生」「保健」の3分野に振り分け、各専門職に保健指導の内容について指示。
3.相談
栄養士
離乳食の進め方や除去食について、また母乳の場合は母親の食事について相談・指導。
環境衛生監視員
ダニ、ハウスダスト、結露・カビ・シックハウスなどの環境相談・指導。状況、希望に応じて出張による室内環境調査を実施。
保健師
スキンケア、薬・保湿剤の使い方、鍛錬法などの相談・指導。
4.まとめ
医師が今回で終了するか、継続するかを判断し、継続の場合は次回の相談日を決定。問診票に保健指導の内容を記録。

環境整備でアレルギーを抑え、将来の発症を防ぐ

医師から環境指導の指示があった場合は、環境衛生監視員が相談・指導を行います。

相談者が何を心配しているかなど相談を受けながら、「アレルギー健診・相談時環境相談票」に基づき、住宅の構造、周囲の環境、冷暖房、換気口、寝具、ペットの有無、掃除や洗濯の仕方について、ダニ・カビ・結露の発生などについてチェックし、住居環境の中で、アレルゲンとなるものがないかを調べます。

また、アレルゲンが発生しやすい環境かどうかを把握する情報源として、間取りを描いてもらい、フローリングやじゅうたんなど床材質や平成15年の建築基準法改正以前の24時間換気設備のない建物かどうか、カビ発生の原因となる結露ができやすい構造かなどについても確認します。相談者が知りたいこと、心配していることなどが明確になったら、掃除の方法や掃除機の使い方、布団などの素材の選び方や洗濯の仕方についてなど、アレルゲン除去のための環境整備の方法などをアドバイスします。

希望者には出張してその場で汚染状況をチェック

アレルギー児の保護者やぜん息への移行に不安を持っている保護者など、状況により希望者には自宅への出張による室内環境調査をしています。

相談者が普段から不安に思っている場所についてダニアレルゲン測定キットで実際にダニの汚染状況を調べ、実態に合わせて改善策をアドバイスします。

調査結果が10〜15分ほどで出る測定キットを使用することですぐに結果がわかり、その場で汚染状況を知ることができるため、保護者が不安に思っている部分と実際の結果が組み合わさることによって、気をつけるべき点や対策が明確になり、より理解が深まります。また、実際に掃除機をかけて前後での汚染状況の変化を示すことで、さらに環境整備への意欲が強くなるようです。

環境衛生監視員が直接自宅に出向き、目前での測定結果を基にした環境整備アドバイスは効果が高く、「アドバイスが聞けてよかった」など、相談者の方々の反応も良好といいます。

相談者の中には週に2回の掃除が難しいような家庭もあるそうですが、「週に1回はしっかり掃除をする」など、必ずできることは何かを一緒に見つけ、相談者の家庭事情に即したアドバイスをするよう心がけているそうです。


環境衛生監視員のほか、医師、保健師、栄養士などさまざまな職種のスタッフが協働してアレルギー相談事業を運営しています。

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