WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.42 2013年9月発行

小児ぜん息 成人ぜん息 COPD特集 長引くせきにご用心!からだが発する「危険サイン」を見逃さない!

原因1:せきぜん息

こんな症状があったら「せきぜん息」を疑う

慢性のせきの原因 (16 歳以上の慢性咳嗽/ぜん鳴あり群)円グラフ せきぜん息38.0%、ぜん息(せき優位型)32.5%、アトピー咳嗽8.4%、COPD7.8%、胃食道逆流症(GERD)3.6%、副鼻腔気管支症候群2.4%、感染後咳嗽 2.4%、百日咳 0.6%、その他4.2%
出典:Niimi A, Ohbayashi H, Sagara H, Yamauchi K, Akiyama K, Takahashi K, Inoue H, Wakayama T, Kobayashi H, Hasegawa M, Kimura G, Yokoe T, Adachi M. Cough Variant and Cough-Predominant Asthma are Major Causes of Persistent  Cough: A Multicenter Study in Japan. J Asthma. 2013 Jul 11. [Epub ahead of print] を一部改変

長引くせきの原因として、最近とくに注目されているのが、せきぜん息です。新実先生らの調査(右図)によると、慢性のせきの原因の約4割が、せきぜん息です。

せきぜん息は、たんがほとんど出ない乾いたせきが続きますが、ぜん息特有の「ゼーゼー」「ヒューヒュー」というぜん鳴や呼吸困難はありません。ぜん鳴のない乾いたせきが8週間以上続く場合は、せきぜん息が強く疑われます。

子どもから高齢者まであらゆる年代で見られますが、子どもよりも大人に、男性より女性に多く見られる傾向があります。

せきぜん息を放っておくと3〜4割の人がぜん息を発症!

せきぜん息の特徴 ●たんのない乾いたせきが長く続く。●ゼーゼー、ヒューヒューというぜん鳴はない。●かぜが引き金となり、せき症状が長引く。●夜間から明け方にかけてせきがでる。●冷たい空気、たばこの煙、ハウスダスト、運動などによりせき込みやすい。●台風や季節の変わり目などで悪化しやすい。

せきぜん息は、ぜん息ではありませんが、ぜん息と同様に気道に炎症が起こり、いろいろな刺激によって気道が狭くなることでせきが出る病気です

そのため、せきぜん息では、アレルギーがある人が多く、ダニやホコリなどのアレルゲンがせき発作の原因になったり、深夜や早朝、また季節の変わり目などに症状が出ることが多いといわれています。

問題は、症状がせきだけだからと治療をせずにそのまま放置すると、ぜん息になる可能性が高いということです。実際にきちんと治療をしない場合、せきぜん息の3~4割の人がぜん息に移行するといわれています。

それを防ぐためにも、せきが長引く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

せきぜん息の診断 1ぜん鳴をともなわないせきが8週間以上
持続する。 2聴診器で診察しても、ぜん鳴を認めない。 3ふつうのかぜ薬やせき止めは効かず、気管支拡張薬(β2刺激薬)が有効である。 治療せずに放っておくとぜん息に移行!さらに悪化の危険が!

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