WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.44 2014年10月発行

ERCAレポート:アレルギー疾患の知識だけでなく実践的なスキルも学ぶ小児ぜん息 その他アレルギー

実習:除去食のレシピ紹介

卵・乳・小麦不使用のおやつレシピを紹介
米粉を生地に使う際のポイントを解説

講師:小田奈穂 先生(蒲郡市民病院 管理栄養士)

小田奈穂 先生

難しい小麦の代替米粉にも問題が…

小田先生は、卵・乳・小麦不使用のおやつレシピを紹介するなかで、「卵や乳は、他の食材での代替やアレルゲン不使用の加工食品を使うことで対応できますが、料理によく使い、加工食品にも幅広く含まれている小麦の代替がもっとも難しい」と指摘しました。

そして、小麦粉のかわりに使われることが多い米粉について、以下のような問題点を挙げました。

米粉の問題点

  • 時間がたつと硬くなってしまう
  • 成型がしにくい
  • 食感がべたつく、もちもちする
  • 作るたびに出来上がりが変わる

こうした米粉の弱点を回避し、かつ卵・乳・小麦不使用のおやつレシピとして、当日は「簡単 米粉パン」「豆乳きな粉ビスケット」「豆乳パンケーキ」の3つのレシピが紹介されました。

簡単 米粉パンのレシピ

米粉パンの完成写真

材料(14cmタッパーウェア1個分)
  • 米粉        120g
  • コーンスターチ   60g
  • ドライイースト   小さじ1
  • 砂糖        15g
  • 塩         1g
  • ぬるま湯      160ml
  • オリーブ油     適宜
    ポイント型に塗る用

<バリエーション>
ポイント色をつけたり、嗜好に合わせて

  • 人参すりおろし(水気を切る)   20g
  • 黒糖               30g
  • 赤味噌              15g
作り方
  1. ボウルに米粉、コーンスターチ、砂糖、塩、イーストを入れてよく混ぜる
    ポイントぬるま湯を入れる(3)の前に、よく混ぜるのがポイント
  2. 人参を入れる場合は、すりおろし水気をよく切っておく
  3. (1)に(2)の具を入れて均等に混ぜ、計量したぬるま湯を少しずつ加えて、混ぜ合わせる
    ポイント水分を入れたら、さっくり混ぜる(混ぜ過ぎない)。ドロドロが目安
  4. 型にオリーブ油を塗る
  5. (4)に生地を流しこみ、軽くラップをして20~30分発酵させる
    ポイント生地が乾かないよう注意!
    ポイントタッパーのふたを使用する場合は、生地が2~3倍に膨らむため、軽くのせる程度にしておく。
  6. 電子レンジ「弱」の設定で4分加熱し、「強」でさらに1分加熱する
    ポイントオーブンを使わず電子レンジだけでつくれるのも、大きなポイントです!
    ポイントできあがったパンの表面をオーブントースターでこんがり焼き、仕上げにオリーブ油を塗るのもよいでしょう。

豆乳きな粉ビスケット

豆乳きな粉ビスケットの完成写真

材料(10枚分)
  • きな粉    30g
  • 米粉     20g
  • 塩      ひとつまみ
  • 砂糖     大さじ1
  • なたね油   大さじ1
  • 豆乳     大さじ2
  • アレルギー用ミルク   14g
    ポイントアレルギー用ミルクは、不足しがちなカルシウムを補うために加える
作り方
  1. ボウルにきな粉、米粉、塩、砂糖、アレルギー用ミルクを入れて、しっかり混ぜ合わせておく
    ポイント最初に粉類を混ぜ合わせておくのがポイント
  2. (1)にサラダ油を入れ、粉と油をすり合わせるようによくなじませる
    ポイント油と粉をしっかりとなじませるのがポイント
  3. (2)に豆乳を加え、ひとまとめになるようにこねる
  4. 10~15分、生地をねかせる
  5. めん棒で生地を3mm程度の厚さにのばし、型抜きする
  6. オーブンシートをひいた鉄板の上に生地を並べる
  7. 160度のオーブンで10分焼く

豆乳パンケーキ

豆乳パンケーキの完成写真

材料(直径5cmのパンケーキ6~7枚分)
  • 米粉             50g
  • コーンスターチ(片栗粉)   25g
  • アレルギー用ミルク      14g
  • 植物油            小さじ1
  • ベーキングパウダー      小さじ1/2
  • 砂糖             小さじ1
  • 塩              ひとつまみ
  • 豆乳             60ml~(生地の様子を見ながら加減する)

<バリエーション>
ポイント色をつけたり、嗜好に合わせて生地に加えてもよい

  • 人参すりおろし(水気を切る)
  • きな粉
  • ひきわり納豆

など

作り方
  1. ボウルに米粉、コーンスターチ、アレルギー用ミルク、ベーキングパウダー、砂糖、塩を入れ、しっかりと混ぜ合わせておく
    ポイント最初に粉類を混ぜ合わせておくのがポイント
  2. (1)に豆乳を入れ、さっくりと混ぜ合わせる
    ポイント生地の状態を見ながら豆乳の量を加減する。生地は「トロトロ」の状態がベスト
    ポイント混ぜすぎないこともポイント
  3. フライパンに油をしき、生地を流し込んで中火~弱火で丸く焼き上げる
    ポイント生地の厚さは3mm程度
  4. 表面がぷつぷつしてきたらひっくり返す。
    ポイントこのとき、表面が乾かないようクッキングシートかアルミホイルでおおう
  5. 竹串を刺して生地がついてこなければできあがり

米粉と他の材料の黄金比率は2:1

米粉を使ったおやつづくりのポイントとして、先生は下記の2点を挙げました。

  • 生地を米粉だけでつくらない
    生地には、米粉のほかに他の材料(コーンスターチなど)を必ず入れる。そうすることで、食感や成型のしにくさを回避できる。
  • 生地に入れる米粉と他の材料の割合には、「黄金比率」がある
    米粉2:他の材料1が基本。
    (ただしメニューによって異なる場合もある)

また先生は、持参した3種類のおやつの生地を回覧させ、参加者に実際に触れてもらうことで、それぞれの生地の違いを確認してもらいました。

最後に先生は、代替食品の特性を知り、調理の工夫をすることにより、子どもにとって食経験豊かな生活を目指す重要性を強調し、実習を締めくくりました。

実際の生地の様子を確かめる参加者の方


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