WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.44 2014年10月発行

小児ぜん息 成人ぜん息特集:ぜん息治療 薬だけに頼っていませんか?

医師とコミュニケーションをとりながらアレルゲン・悪化要因を絞り込む

自分のアレルゲンが何なのかを知るためには、血液検査が有効です。また、自分の生活を振り返り、どんな状況で発作が起こりやすいのか、詳しく医師に伝えることも重要です。

医師は患者さんの話を聞き、治療方針を立てますが、患者さんの生活習慣すべてを把握しているわけではありません。医師が気づいていないところにアレルゲンや悪化要因が隠れている恐れもあります。患者さん自身も自己防衛の意識を持って有効な情報を医師に伝え、コミュニケーションをとりながら、発作の原因がどこにあるのか明らかにしていきましょう。

アレルゲンを知る

アレルゲンは、日常生活のさまざまな場面に潜んでいます。血液検査を受けることと同時に、発作が起きてしまったときの状況を振り返り、チェックすることも大切です。

アレルゲンを知るためには

1.血液検査(特異的IgE抗体検査)でアレルゲンを調べる

自分にとってのアレルゲンは何なのか、特異的IgE抗体検査という血液検査で調べることができます。

この検査は、一般的な血液検査と同様に血液を採取して行います。ハウスダストや花粉など、特定のアレルゲンに対するIgE抗体がどのくらい作られているかで、その人にとってのアレルゲンが何なのかを調べます。

症状に結びついているのか確認することも大事

検査の結果で特定のアレルゲンに対するIgE抗体値が高いことばかりに目が向きがちですが、そのことが症状に結びついているのか、振り返ってみることも大事です。日常生活の中のどんな状況で発作が起こるのかに注目してみてください。ダニの抗体は一番よく調べられて他の項目よりも数値が高くなりがちですが、実際にはそれより影響が大きいものが他にあるかもしれません。医師とのコミュニケーションで生活の中にあるアレルゲンを見つけるヒントを得て、生活上無理のない、無駄のないアレルゲン対策を立てていきましょう。

高増先生からのアドバイスでした。

2.ぜん息症状が起こった状況をチェックし、医師に伝える

血液検査でアレルゲンに対する数値を調べるだけでなく、ぜん息発作が起こってしまったときの状況を振り返り、確認することも大事です。

たとえば、以下のような場面でぜん息の症状が出ることはありませんか?

  • 夜、布団の中に入ったとき、押し入れから布団を出すとき
  • 掃除をするとき
  • エアコンをつけた部屋にいるとき
  • ネコを飼っている家に入ったとき

このような状況で症状が出てしまうのは「ぜん息だからあたりまえ」と思っていませんか?じつは、あたりまえではありません。ぜん息の症状を引き起こすアレルゲンに合わせた適切な対処や、ぜん息を悪化させる原因を避ける工夫をすれば、症状なく生活できるようになるのです。


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