WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.44 2014年10月発行

COPD現場レポート:「隠れたCOPD」を見つけ出し「実感と納得」の 禁煙外来を実施

禁煙外来受診者の5割近くがCOPDと診断される

そして2011年、「隠れたCOPD」を見つけ出すため、一般外来でも喫煙に関する問診を開始し、禁煙外来の内容も"バージョンアップ"しました(資料1)。

まず、ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)など通常の禁煙外来のメニューに加え、CAT(COPDアセスメントテスト)を実施し、患者さんの健康や日常生活に対するCOPDの影響度を把握するようにしました。呼吸機能検査も必ず実施し、COPDの診断基準である「1秒率70%未満」かどうかを確認、肺年齢も算出します。さらにSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)も測定し、呼吸機能の低下による全身の酸素不足で、身体各部に障害が起きる恐れを調べます。

現在、禁煙外来受診者のうち呼吸機能検査によりCOPDと診断される方は46.9%(注1)に達しています。"バージョンアップ"前は2割程度だったことから、「隠れたCOPD」を見つけ出すという目的は、十分に達しているといえます。

(注1) 2013年度実績。禁煙外来受診者数49人中、23人がCOPDと診断。

資料1 バージョンアップ後の禁煙外来(治療)のメニュー

  1. 1問診表(票)
    TDS 5点以上
    ブリンクマン指数 200以上
    CAT SCORE
  2. 2呼気中一酸化炭素濃度測定
  3. 3スパイロメトリーによる呼吸機能検査
    (肺年齢含む)
  4. 4SpO2(安静時 階段昇降 歩行時)
  5. 5禁煙指導用DVD視聴
  6. 6診察
  7. 7胸部CT
  8. 8トレッドミル運動負荷試験
  9. 9心エコー
  • (注) 通常の禁煙外来のメニューは6番まで。COPDの疑いのある場合は7番まで、循環器疾患の可能性がある場合は8、9番を実施する。必要に応じて、ABI検査(足関節上腕血圧比)も実施し、全身の血管の状態をチェックする。

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