WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.45 2015年3月発行

小児ぜん息 成人ぜん息 その他のアレルギー医療トピックス:知っておきたい 食物アレルギーの診断と検査の方法

必要最小限の除去を実践するために

このように食物アレルギーの原因食物は、問診から血液検査、食物経口負荷試験という正しい手順で検査を受けることではじめて、確定させることができます。

食物経口負荷試験の結果が陽性であっても、食べても症状が出ない量が決定された場合、それを超えない範囲で摂取できることがあります。一方、原因食物を完全に除去しなければならないこともあります。その場合でも、発酵や高温高圧加工、加熱調理などによって低アレルゲン化した食品は、食べられることがあります。たとえば、大豆アレルギーであっても、醸造によってタンパク質が分解されるしょう油やみそは、食べられることが多いとされています。

ただし、このような必要最小限の除去を実践する際には、自分の判断だけで進めるのではなく、必ず医師や栄養士の指導に従ってください。

タンパク質含有量を知って、食べられる加工食品を増やしましょう

アレルゲンとなるのは食物の中に含まれているタンパク質です。食物経口負荷試験で食べられる量が決定した場合は、その食物中のタンパク質含有量を知ることで、さまざまな加工食品に応用することができます。

たとえば、牛乳を100ml 飲めるようになった場合、そこに含まれるタンパク質含有量を知ることで、他の加工食品をどのくらい食べることができるかがわかり、食べられる加工食品の範囲が広がります。

ただし、同じ食物でも加工の仕方によって、アレルゲンの強さが異なることもあります。最初は、安全に食べることができると予想される量よりも、少ない量から始めるほうがよいとされています。

病院の栄養士など専門スタッフに指導を受け、食べることができる加工食品の種類を広げていきましょう。


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