WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

小児ぜん息 成人ぜん息 その他のアレルギーすこやかライフNo.46 2015年9月発行

医療トピックス

いま注目のアレルギー治療法「アレルゲン免疫療法」を知る

アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを少量から投与していき、体をアレルゲンに慣らしていく「アレルゲン免疫療法」。ダニに対するアレルゲン免疫療法が新たに保険適用となり、注目を浴びています。アレルギー疾患を根本から治す可能性のある唯一の治療法であるといわれる一方、年単位での治療が必要であるなど、注意点も多くあります。

そこで今回は、埼玉医科大学呼吸器内科教授永田真先生と、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野教授大久保公裕先生のお話をもとに、アレルゲン免疫療法についてご紹介します。

より詳しくは、次のメニューからご覧ください

お話をうかがった先生方

埼玉医科大学呼吸器内科教授 永田真先生

永田真(ながた・まこと)先生

プロフィール

1983年埼玉医科大学卒業。92〜95年米国ウィスコンシン大学アレルギー科に留学。
2005年より現職。
09年より埼玉医科大学病院 アレルギーセンター長を兼任。

メッセージ

2015年4月、ダニに対するアレルゲン免疫療法が保険適用となりました。アレルゲン免疫療法は、薬を減らす可能性や、ぜん息症状が軽い人であれば治る可能性のある治療法です。とくに若い方のぜん息は、ダニだけがアレルゲンであることが多くありますので、長い年月を必要としますが、続けられるようであればアレルゲン免疫療法を考慮してみてください。ただし、まだ実施できる医療機関が少ないので、どこの地域でもできるような状態を今後は作っていきたいと思っています。

日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野教授 大久保公裕先生

大久保公裕先生

プロフィール

1984年日本医科大学卒業。88年同大学院修了。89年より米国国立衛生研究所NIHアレルギー疾患部門へ留学し、91年帰国。93年日本医科大学耳鼻咽喉科講師、医局長、准教授を経て2010年より現職。

メッセージ

スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法は非常によい治療法なので、おすすめしたいと思いますが、とくに舌下免疫療法は、患者さんご本人が治療の内容や方法をよく知っておく必要があります。舌下免疫療法は、自分で自分の"アレルギーの素"をまとめて持って帰る治療法です。また数年間、継続しなければならない治療法ですので、根気や努力も必要になります。医師とよく相談し、アレルゲン免疫療法を受けるメリット、デメリットを理解したうえで、治療に臨んでいただきたいと思います。

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