WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.47 2016年3月発行

ERCAレポート:ぜん息予防等に関する出張型講習会小児ぜん息 その他アレルギー

アレルギーの基礎知識・学校給食と食物アレルギーの対応

講師:山本貴和子 先生 (国立成育医療研究センター 生体防御系内科部アレルギー科医師)

山本貴和子 先生の写真

エピペン® 練習用トレーナーを手にしながら使い方を説明する山本先生

山本先生は、最初に児童生徒のアレルギー疾患が増えている現状や、ぜん息の病態・治療法を説明しました。

食物アレルギーについては、「子どもと接する職業であれば、いつか必ず症状に遭遇します」と注意を促し、血液検査の結果だけではなく症状の有無で診断すること、多くの場合、原因食物でも「食べられる量」があることなどを説明。ただ給食対応としては、安全確保上、「食べる(除去解除)か食べない(完全除去)」の二者択一が基本であることを強調し、食物アレルギーの生徒の現状把握や緊急時対応の検討、診断書の依頼など学校で必要な対策を挙げました。

続く実践編では、アドレナリンの作用メカニズムやエピペン® 使用の目安となる症状を解説したうえで、エピペン® 練習用トレーナーを用いた講習を実施。参加者は手順を確認しながらその使い方を学びました。とくに、クラスに食物アレルギーの生徒がいる担任の先生は、演台で人形に注射するシミュレーションにも積極的に手を挙げるなど、熱心な様子がうかがえました。

最後に山本先生は、「講習会だけでは緊急時に対応できません。学校全体で検討しシミュレーションすること、緊急時の役割を決めておくことが重要です」と、参加者に普段からの備えの重要性を訴えました。

写真1

人形にエピペン® を打つシミュレーション。クラスにアレルギーの生徒がいる担任の先生が進んで参加した。

写真2

エピペン® 練習用トレーナーを使い、手順を確認する参加者


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