WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.47 2016年3月発行

小児ぜん息 COPD特集:小児ぜん息・COPD 検査結果の活用法を知ろう

血液検査

おもに最初に行われる検査

目的:アレルギー体質か、アレルゲンは何かを調べる
小児ぜん息は、ダニなどに対するアレルギーが原因となって起こる「アトピー型」がほとんどです。アレルギー体質であるかどうかは、ぜん息を診断するために重要な情報となります。そのため、まずは血液をとってその中の「総IgE 値」からアレルギーのなりやすさを調べます。
また、どんなものがアレルギーの原因(アレルゲン)になっているかを「抗原特異的IgE 抗体値」から調べます。自分のアレルゲンがわかったら、それらを回避することが治療の基本となります。

結果が出たらここをチェック

総IgE値

アレルギーを起こしやすい体質かどうかを調べます。基準値よりも高い場合、アレルギーを起こしやすい体質といえます。
検査結果には検査測定値とともに基準値が記載されていますので、比較してみてください。

抗原特異的IgE抗体値

何がアレルゲンになっているかを調べます。
検査結果にはアレルゲン別の抗原特異的IgE抗体値とクラスレベルが記載されています。ここには、ハウスダストとヤケヒョウヒダニとスギ花粉に対する特異的IgE抗体値がクラス4を示す検査結果例をあげています。
この患者さんの場合、ハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ、スギ花粉に対する特異的IgE抗体値のクラスが高いので、これらを回避する工夫が必要になります。

総IgE値の基準値は、子どもの年齢によって異なります。

抗原特異的IgE抗体値は、一般的に0~6のクラスに分けられ、数値が高くなるにつれて、アレルゲンである可能性が高くなります。

検査を受けて行動をチェンジ!

環境整備でアレルゲンを回避

自分のアレルゲンがわかったら、それらを回避することで、ぜん息の悪化予防になり、必要な薬を減らすことにもつながります。

ダニやハウスダストがアレルゲンの場合、掃除機でのこまめな掃除、定期的な布団カバーやシーツの洗濯、部屋の風通しをよくするなどが有効です。

ただし、アレルゲンは成長にしたがって変化するとされています。そのため、子どもの成長に伴いその都度検査を受け、アレルゲンを判定していくことも大切です。


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