WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.49 2017年3月発行

COPD医療トピックス:COPD(慢性閉塞性肺疾患)の栄養療法

多くのエネルギーが必要なのに、さまざまな理由で十分な栄養が摂れない

COPDにやせ型の人が多い理由を(下図)にまとめました。中でも大きな理由のひとつが、COPDの人は呼吸筋を激しく使って呼吸するため、健康な人よりもたくさんのエネルギーが必要になるという点です。さらに、肺に生じた炎症が全身に広がるため、体の中で熱が発生し、エネルギーを消耗してしまいます。COPDの人の1日に必要な安静時エネルギー量は、健康な人の約1.5倍と考えられています。

その一方で、肺が膨張し胃を圧迫するため満腹感を得やすい、常に息苦しさを感じているなどの理由で食事量が減り、摂取エネルギーは減少します。

必要なエネルギー量は健康な人よりも多いのに、さまざまな理由が重なって十分な栄養が摂れない。これが、COPDの人がやせてしまう理由です。

やせ型の人が多い理由

図 やせ型の方が多い理由。消費エネルギーの方が摂取エネルギーよりも多い場合、バランスが崩れやせてしまう

  • 呼吸がしにくいため、呼吸筋を激しく使う
  • 肺だけでなく全身に炎症が起こる
  • ふくらんだ肺が横隔膜を 押し下げ、胃を圧迫するので 満腹感を得やすい
  • 食べることで呼吸が乱れるのでたくさん食べられない
  • 炎症により胃腸の働きが低下
  • 抑うつや不安感を覚える

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