WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.50 2017年10月発行

小児ぜん息特集:「ぜん息・COPD Q&A」

Q5.園や学校にぜん息のことをどうやって知ってもらえばいいですか。

A.「アレルギー疾患用生活管理指導表」を活用し、他の子どもと変わらない生活を目標に。―橋本光司先生― ―益子育代先生―

現在、学校や幼稚園には、文部科学省による「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」、保育所には厚生労働省による「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」があります。これにのっとり配慮を必要とするぜん息児は、「アレルギー疾患用生活管理指導表」を医師に記入してもらい、園や学校に提出することで、安全で安心な園や学校での生活を実現できるようになっています。

治療の進歩により、ぜん息はコントロールできる病気になっています。治療を継続してぜん息をコントロールできれば、園や学校で「何をしてはいけない」ではなく、みんなと同じ行動をとることができます。体育でも行事でも当番でもまずはやってみて、ぜん息発作が出た時点で対応を考えても遅くないと思います。うまくいかない場合は、長期管理薬が不足していたり、薬を勝手に中止していたりすることも多く、少しの注意で解決する場合も少なくありません。

ただし、修学旅行、移動教室など環境が変わる場合や、遠足、運動会、マラソン大会などの行事のときは発作が起こりやすいので、医師に相談し、普段よりも薬物療法を強化してもらうことと、発作治療薬の使用法の指導を受けることも大切です。

要求ではなく協力をお願いする姿勢で

園や学校にお願いするときは、「協力してください」という姿勢で相談してみましょう。子どもの発作をひどく心配していると、お願いも熱心になるだけに、先生方にとっては強い要求ととられかねません。たくさんの園児・児童がいる中で、忙しい先生方に特別な配慮をしていただくことは難しいものです。こちらの要求が可能かどうか、難しければどんな工夫ができるか、お互いが納得できる、やれる範囲のことを決めていくのが基本だと考えましょう。

また、逆に園や学校がぜん息に無関心な場合は、「病院の先生に言われました」と、保護者が園・学校と病院をつなぐ橋渡しの立場に立つと、うまくいくこともあります。

アレルギー疾患用生活管理指導表について

生活管理指導表ダウンロード

Q5.園や学校にぜん息のことをどうやって知ってもらえばいいですか。
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