WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

すこやかライフNo.50 2017年10月発行

小児ぜん息ぜん息児へのエール:「50号記念座談会」

適度な運動を取り入れると呼吸が楽になる

田中 みなさんは、どのように体調管理していますか。

竹内 アレルギーやぜん息の治療をするようになってから、腸内環境をよくするために毎日、乳酸菌をとっています。

寺川 習慣的に運動をするようにしています。引退して気づいたのですが、私は運動をしない時期が続くと必ず体調を崩してしまいます。

それから、適度に菌に触れて免疫力を高めることは人間の体にとって大切なことだと聞いたので、あまり除菌などに過敏になりすぎないようにしています。

清水 僕は現役を引退して8年目になりますが、ぜん息とつき合っていくうえで、運動を続けることがとても大事だと感じています。毎日できないにしても、週に2、3回でもいいので、軽い運動をするといいと思います。

運動は不眠症にも効果があると感じています。あまり運動をしていなかった時期、眠れなくて睡眠導入剤に頼っていましたが、運動をするようになったらよく眠れるようになりましたね。

田中 やはり、適度な運動が健康にいいようですね。

私は、ぜん息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の人には、毎日よく歩くことをお勧めしています。歩数計で普段どのくらい歩いているかを知り、徐々に歩数を増やしていくのです。最初は呼吸が苦しくても、根気よく続けていれば、呼吸が楽になっていくのを感じられるはずです。

COPDの人に限らず、日常生活でよく動いている人は動かない人に比べて、QOL(生活の質)が向上し、病気の悪化や死亡率が低下することがわかっています。

では、メンタル面の管理についてはいかがでしょう。

竹内択さん竹内 僕は毎年11月から3月はヨーロッパで過ごし、その間、約40戦の試合に出場しています。それが終わると日本で1か月間オフになるのですが、以前はその期間に無気力になって、誰にも会いたくなくなり、そんな自分がすごく嫌で悩んでいました。

そのことをメンタルトレーナーに相談したら、「無理に自分を変えようとしなくていい」とアドバイスされて、気持ちが楽になりました。それまでは自分のダメな部分もよく見せようと頑張っていたのですが、この言葉で、ありのままの自分を「受け入れる」ことができるようになり、無気力な状態になることはなくなりましたね。

寺川 私は、嫌なことを我慢しながら続けるのが一番ストレスになると思うので、嫌なことも嫌ではない方向に、自分で意識的に変えるようにしています。

田中 食事についてはどのように考えていますか。

竹内 スキージャンプ競技は体重制限があるので、食事にはとても気をつかっています。サラダから食べて血糖値が急に上がらないようにして、よくかんで食べるようにしています。

寺川綾さん寺川 幼い頃、私の家では一品ずつ料理が出されるという変わったルールがありました。ですから嫌いなものが出てきても、食べ終わらないと次の料理が出てこなかったのです。でもそのおかげで、好き嫌いなく何でも食べられるようになりました。

サプリメントなど、食べ物以外のもので栄養を補うこともできますが、食べ物から栄養をとるのが人間が生きるうえで大事なことだと考えているので、なるべくそういったものに頼らず、バランスのよい食事を心掛けています。

清水宏保さん清水 僕は子どもの頃、野菜が大嫌いだったので、母は苦労したようです。ニンジンをミキサーで砕いてハンバーグの中に入れたり、農家から材料をもらってきて豆乳や青汁をミキサーで作ってくれたりして、すごく食べ物に気をつかってくれました。

そうした食事が、良質な筋肉をつくり上げてくれたのだと思うので、両親には感謝しています。

田中 では最後に、ぜん息の子どもたちに向けて、メッセージをお願いします。

清水 僕はぜん息をバネにオリンピックで金メダルを取ることができました。人よりつらいことがあるかもしれませんが、あきらめずに頑張っていれば、必ず夢はかないます。

竹内 医療は進歩しているので、悲観的に考えず治療を続けることが大事だと思います。僕もそう信じて、平昌オリンピックでメダルを取れるようにトレーニングに励みますので、一緒に頑張りましょう。

寺川 長く治療を続けなければならないと聞くとショックを受けるかもしれませんが、ぜん息は治療によって自分でコントロールできるので、怖がらなくても大丈夫。自分らしく、楽しく生活してください。

田中 みなさんのお話を伺って、ぜん息であることをオープンにできる環境づくりに、もっとわれわれも取り組まなくてはならないと思いました。

本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

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