WEB版すこやかライフ ぜん息&COPD(慢性閉塞性肺疾患)のための生活情報誌

小児ぜん息 成人ぜん息 COPDすこやかライフNo.52 2018年9月発行

読者の広場

  • お答えします!読者Q&A
  • ウチのこんなエピソード
  • わたしのしているこんな工夫

お答えします!読者Q&A

本誌に寄せられているぜん息&COPDに関するさまざまな悩みや疑問に、編集委員の先生方がわかりやすくお答えします。

読者Q&Aコーナーの質問は、アンケートフォームから

Q 高齢者のぜん息とCOPDの関係について教えてください。(87歳・男性)

A 高齢になってからぜん息を発症することもあります。また、ぜん息とCOPDが合併することもあります。

ぜん息は若い人の病気、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は高齢者の病気と思っていませんか。確かにぜん息は、子どもから若い人に多いのは事実です。COPDは、一般的に長期間喫煙をしていた40歳以上の方が発症し、60歳以上の患者さんが多い病気です。40歳以前にCOPDになることもありますが、非常にまれです。

問題は、40歳以上のぜん息とCOPDです。基本的に、成人になってからのぜん息は治りません。もし、ぜん息の患者さんが喫煙したらどうなるでしょうか。ぜん息とCOPDを併せ持つ病態になっても不思議ではありません。このように、ぜん息とCOPDを併せ持つ病態をACO(エーコ)といいます。最近提唱された概念で専門医の中でも議論がされています。

また、高齢者で発症するぜん息も決して少なくありません。高齢者ぜん息では、心疾患や糖尿病の合併、加齢に伴う変化(老化)が加わって複雑になるため、ぜん息自体の診断も難しくなります。ぜん息死の約90%が高齢者といわれています。しかし、高齢者ぜん息は、通常のぜん息と同様に吸入ステロイド薬の定期吸入でコントロールすることが可能です。

まとめると、以下のようになります。

  • COPDは長期間の喫煙習慣が原因であるため、40歳以上の喫煙者(元喫煙者)に発症します。
  • 一方、ぜん息は若い人に多い病気ですが、高齢者が発症することは珍しくありません。
  • ぜん息とCOPDを併せ持つ病態もあります。ぜん息では、高齢者でも吸入ステロイド薬、COPDでは気管支拡張薬が治療の中心です。

いずれの病気でも、病態を正しく理解し、正しい治療を受けることが重要です。

高齢者… WHOでは65歳以上を高齢者と定義しています。感情的な問題もあり難しいのですが、世界的には65歳以上が高齢者といわれていることは覚えておきましょう。身体的には高齢者でも心は青年でいいと思います。

亀田京橋クリニック 副院長 金子教宏先生


Q ぜん息の5歳の子どもが、寝る時間になると発作はないのにせきをします。医師からは、ぜん息は落ち着いているので、精神的なもので心配ないと言われていますが、よい対処法はあるでしょうか。(35歳・女性)

A せきが出ているときだけでなく、元気なときも子どもと一緒に過ごす時間を増やしてみてください。

ぜん息には、ストレスが関与して症状がおきる心身症タイプのものがあります。小児の場合、心身症とはいわないまでも、症状や治療にまつわる経験が、その後の行動に影響していると感じることは、珍しいことではありません。

よく見られるのは、“発作が起きたときは親が心配してなにかと構ってくれるけれど、元気なときはあまり構ってくれない”という状況です。子どもは親に構ってもらいたい気持ちから、何となくせきをするようになります。弟のぜん息発作が落ち着いたら、ぜん息ではない兄がなんとなくせきをするようになった、という事例もあります。特に寝る前や、不機嫌なときにせきをすることが多いようです。

このような子どもの気持ちがわかると、親は「甘えている」と考えがちです。しかし、子どもは自分の気持ちをうまく表現することが苦手です。不安な気持ちや寂しい気持ちを、言葉の代わりにせきで表現しているのかもしれません。

しかし一方で、すべて心理的なものと片付けてしまうことも危険です。大事なことは、きちんと治療(吸入)をすることです。せきが出ている場面をよく観察して、ぜん息日記などに記録します。ピークフローメーターが測定できる年齢ならば、客観的データとして有効です。そして、症状にあった適切な対応を医師と相談しましょう。そのうえで、せきが出たときだけ心配するのではなく、元気なときもできるだけ一緒に過ごす、遊ぶ、話を聞くなど、積極的にお子様と接してみてはいかがでしょうか?

そうすれば、構ってほしいときにわざわざせきをする必要がなくなります。

都立小児総合医療センター 看護部 益子育代先生


ウチのこんなエピソード

読者の皆様から寄せられた、うれしかったこと、楽しかったこと、大変だったこと、困っていること、失敗談など、ぜん息やCOPDの治療中に身の回りで起こったさまざまなできごとをご紹介します。

エピソードの応募は、アンケートフォームから

希望をもってぜん息治療を(55歳・男性)

息子は、幼いときにぜん息と診断され、家庭用のネブライザーを使っていました。しかし、中学生の頃には自然と治っていきました。

いま小児ぜん息で大変な思いをされている保護者の方にも、大きくなるとよくなることがある、と希望を持っていただければと思います。

動くことで体が楽になる(80歳・女性)

毎日、食事の準備などの家事をすべて、自分でやっています。時間を見つけて呼吸体操もやっています。

体を動かすことで、自然に体も呼吸も楽になるように思います。物事を前向きに考えて、楽しい毎日を過ごしていきたいと思っています。


わたしのしているこんな工夫

ぜん息・COPD治療・管理のために行っている「工夫」をぜひ、教えてください。

わたしの工夫の投稿は、アンケートフォームから

ぜん息の方の工夫

74歳・男性からの投稿

医師にすすめられて、ピークフローメーターの記録を続けています。

数値が下がってくると早めに対処しようと考えられるようになりました。

25歳・男性からの投稿

医師から水分をよくとるよう言われたので、こまめに水を飲んだり、温かい紅茶を飲むようにしています。

COPDの方の工夫

74歳・男性からの投稿

いつも使っている手帳に、毎日の天気や気温、体調や感じたことを記入しています。どんなことで体調が悪くなるのか、わかるようになってきて、少しでも具合が悪いときは、早めに病院へ行くようになりました。


わたしの工夫を応募する

(注)投稿いただいた内容のすべてが、WEB上に掲載されるわけではありません。あらかじめご了承ください。

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