大阪市は、1988年から市民に対する健康被害予防事業の一環として、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関する相談事業をスタート。現在は、COPDの予防と健康回復・保持増進をめざした呼吸器講演会を年5回開催し、呼吸筋ストレッチ体操や呼吸リハビリテーションの体験も好評を博しています。
大阪市が1995年度から実施している呼吸器講演会には、これまで延べ約5000人が参加するなど、COPDに関する知識の普及啓発やその予防に大きな役割を果たしてきました。コロナ禍においては感染防止の観点から講演会で行っていた肺年齢測定は中止しましたが、希望者を対象に、呼吸器に関する日ごろの不安や悩みに応える医師の個別相談を実施しています。
参加者は、昨年度の実績では主に60代から80代の方が多く、休日の開催では40代から50代の参加者も増え、COPDを知ってほしい年齢層の方に幅広く参加いただいています。
今年度は、医師による講演と健康運動指導士による呼吸筋ストレッチ体操を年4回、医師による講演と理学療法士による講演と呼吸リハビリテーション体験を年1回の計5回実施しています。
COPDへの理解を深め、生活習慣や症状の改善をめざすプログラムです。
9月に開催した呼吸器講演会には約80名の参加者があり、専門医によるCOPDの病状や治療についての講話と事前申し込み制による個別相談を実施しました。さらに、理学療法士による呼吸リハビリテーション体験が実施され、参加者は「口すぼめ呼吸」や「腹式呼吸」について学んだり、筋力や持久力の低下を防ぐための運動として、椅子を使ったストレッチやつま先立ち、立ち座り体操などを体験しました。
顔を上げながら鼻からゆっくり息を吸い胸を拡げて、胸の伸びを感じる。
口からゆっくり息をはきながら、肘を頭の上に持ち上げるように体の側面を伸ばしていきます。
ふくらはぎを意識しながら、かかとをゆっくり上げる。
※関節リウマチの方は実施しないでください。
背すじをしっかり伸ばして、お辞儀をするように⽴ち上がります。
※赤い部分を意識してゆっくり立ち座りします。
※当日の講演資料に基づきイラストを作成
また、理学療法士の講演は会場からの質問にも答えながら、双方向のコミュニケーションがとれる形で進みました。呼吸リハビリテーション体験では「無理をせずにできる範囲で」という声掛けのもと講師と参加者が共に体を動かす一体感のある講演会となりました。
COPDは新聞・テレビで取り上げられる機会が少ないので、今回の講演で新しい知識を得ることができてよかった。
教えていただいた体操で身体がとても軽くなった。毎日少しのことでも自分を変えられると感じた。