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Q.1 吸入器が変わるたびに吸入補助具を買わなくてはならないのでしょうか? (50歳女性)

スプレータイプ式の吸入薬(p-MDIといいます)は、呼吸のタイミングに合わせて噴霧しなくてはならないので、吸入方法としては比較的むずかしいです。しかし、吸入補助具(スペーサー)を使うと、そのタイミングを合わせる必要がなくなるので、乳幼児はもちろんのこと、呼気が弱い成人や発作で吸入が困難な場合でも吸入することができます。また、吸入補助具を用いた発作薬の吸入では、副作用も少なく安全です。
以前は、吸入補助具は各製薬メーカーが提供していましたが、多様な薬剤に普遍的に併用できるもの、臨床的に検討されているものが推奨されるようにいなりました(現在も一部吸入薬専用の吸入補助具を提供しているものもあります)。国内で市販されている吸入補助具は、発作吸入薬やステロイド吸入薬など、薬剤が違っても、吸入器の口が丸型、楕円型でも、共通で使用できます。吸入補助具には、マスクタイプとマウスピースタイプがあります。口呼吸がしっかりできる方ならマウスピースでよいのですが、発作時に呼吸をコントロールするのは難しいと感じられるのであれば、マスクタイプの方がよいかもしれません。マウスピースタイプにマスクを取り付ければいいものと、別々に購入しなければならないものがあります。吸入補助具の寿命は1年程度といわれています。自分でどのタイプの吸入方法があっているのかを、購入の都度主治医に相談されるとよいでしょう。
いずれにしても正しい吸入方法、適切なお手入れをしなければ効果は半減しますので、実際に目の前で吸入するところを医師、看護師、薬剤師などに見てもらいながら指導を受けることをおすすめします。

東京都立小児総合医療センター看護部/小児アレルギーエデュケーター 益子育代先生

東京都立小児総合医療センター看護部/
小児アレルギーエデュケーター 益子育代先生