アトピー性皮膚炎にぜん息を合併しているお子さんの運動についてですが、まずはぜん息について考えてみます。
ぜん息のお子さんでは、そのほとんどが運動をするとぜん息の発作が起きてしまいます。いわゆる「運動誘発ぜん息」という状態です。そこで、体力をつけながら何か運動ができるようになることをねらう場合に、発作を起こしにくいという点で水泳は適しています。そして、体力がつけば、ほかの運動をしても発作が誘発されにくくなってきます。水泳以外でも運動誘発ぜん息が起きないようであれば、好きな運動を選ぶといいでしょう。
次にアトピー性皮膚炎と水泳の関係ですが、アトピー性皮膚炎の方のすべてに水泳がよくないわけではありません。ただ、消毒の塩素濃度が高いと皮膚症状が悪化する場合があります。オゾン殺菌との併用などで塩素濃度を調節している施設もありますし、プールから出た後のシャワー浴の仕方なども関連してきます。ですから「入る前にまずスキンケアをする、入った後にシャワーでよく洗い流す」これを原則に、試しに1 回プールに入ってみましょう。プールの消毒やプール後のシャワー・スキンケアについては施設の条件にも左右されます。プールの状況はどうか、落ち着いてスキンケアできる環境か、また家からの距離はどのくらいかなど、環境についてよく確認してみましょう。
また、アトピー性皮膚炎の場合には、どんなスポーツでも、シャワーで汗を流すことで症状が改善することが確認されています。ですから、体力があるお子さんなら「シャワーとスキンケアができること」を条件に、好きで長く続きそうな運動をお選びになることをおすすめします。
すこやかライフ企画編集委員