石綿健康被害と給付制度について

鉄骨の梁（はり）に耐火被覆として吹きつけているところ。この作業周辺は粉じんが舞っており、作業者や周辺で作業をしていた者が高濃度ばく露した可能性がある。

ボイラー（お湯を沸かす装置）本体、そのボイラーから派生する管に、熱がさめないように保温材が巻かれている。この保温材に石綿が入っていた可能性があるため、劣化・破損に注意が必要。

左官工事の壁下地調整。塗装や壁紙を貼る作業の下地用接着剤等に、不純物として石綿が入っていた可能性がある。

造船所内での溶接作業。過去には溶接ヒュームで火傷や火事にならないように火よけとして石綿クロスが敷かれることもあった。

自動車のブレーキパッド。以前は、鉄粉、石綿その他混和材を入れディスクの磨耗の低減および制動効率のアップを図っていた。修理・交換時に、摩耗して堆積した石綿含有粉じんにばく露した可能性がある。

体育館などの木質フローリング張り。下地は鋼鉄二重床。石綿セメント板などが２層から３層貼られている。修理、解体時にはばく露の可能性がある。

日本家屋の新街（街場 まちば）作業で、大工職が石綿非含有の石膏ボードを丸鋸（のこ）で切断しているところ。石綿含有の場合にも、同様に多量の粉じんが飛散したことが想像される。

石綿ケイカル板を開削して設備器具を付ける作業。断面の繊維がささくれだっており、このような断面から繊維が飛散し作業者がばく露した可能性がある。

民家の解体。以前は、石綿含有屋根材や外壁の石綿含有サイディング材等を事前に取り除くことなく、まとめて解体していた。解体時に発生する石綿含有粉じんにばく露した可能性がある。

側面からのビル解体作業。吹きつけ材、内外装材、煙突などの建材や空調のダクトパッキング、配管エルボ等は解体前に石綿含有無の調査が義務づけられ、重機作業の前に石綿製品を除去してから解体するが、以前はそのまま解体されていた。

舞台の袖から天井を見上げた写真。照明ライトやスクリーンを吊っている上はブドウ棚があり、殆どのホールで吹きつけ施工されている。奥、両袖の壁および奈落部も同様。吹きつけの劣化や損傷により、舞台関係者がばく露する可能性がある。

エレベーターシャフト内（竪穴区画の吹きつけ石綿）。この閉ざされた空間をエレベーターは高速で何回も上下しているので粉じんが舞っているものと推測できる。修理、点検時に作業員が区画内に立ち入り、堆積した石綿粉じんが再飛散してばく露する可能性がある。