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日本エコツーリズムセンターの「尾瀬・片品フォーラム」を現場視察しました。

平成27年10月6日(火)、7日(水)、(特非)日本エコツーリズムセンターが開催したサステイナブル・ツーリズム国際認証「尾瀬・片品フォーラム」の現場を視察しました。本フォーラムは、地球環境基金がフロントランナー助成として助成しているプロジェクトとして行われたものです。

日本の自然保護活動の原点である尾瀬を抱える群馬県片品村の村役場を会場に、100名を超える方が参加し、そのうちの半数は地元からの参加でした。

まず、講演として国連世界観光機関のハーモニー・ラム氏からのサステイナブル・ツーリズム協議会の取り組み、コスタリカ政府観光局のアナ・バエス氏から国際基準のもとになったコスタリカでの取り組みについて講演がありました。続いて、片品山岳ガイド協会の松浦和男氏から、尾瀬の自然保護の歴史についてお話しがありました。

パネルディスカッションでは、環境省関東地方環境事務所上杉所長、観光庁観光資源課長﨑課長、片品村木下副村長らが登壇され、それぞれの立場から、訪日観光客への対応を中心とした議論がありました。このほか、翌日に世界遺産登録地の熊野古道、絹遺産群の里における取組について事例紹介がありました。

2日間にわたり行われた分科会では、参加者が①宿泊施設、②オペレーター、③観光地、④インバウンドのテーマに分かれ、ワークショップ形式で議論が行われました。議論は、尾瀬、片品村における様々な取り組みがサステイナブル・ツーリズム国際認証基準に当てはまるかという視点で議論がなされました。

例えば、片品村は、訪日観光客が増加しても受け入れられる宿泊施設のキャパシティがあるが一方で地産地消といった地域経済循環のしくみはあまり進んでいないのでは。尾瀬のガイドは女性が増加しており、雇用の機会を生んでいる。入山者の利用集中の緩和のため低公害車を運行しているといった具体的な取り組み事例が挙げられ、地域の持続性について活発な議論が展開されました。

日本エコツーリズムセンターからは、国際認証制度というとハードルが高いと考えてしまいがちだが、今やっている具体的な取り組みが国際基準に当てはまるかどうかを考えていけばいい。今後は、国際認証制度のモデル地域をつくって、サステイナブル・ツーリズムを普及させていきたいというプロジェクトの展望が示されました。

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