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地球環境基金・要望書の書き方講座2「活動計画の整合性」

要望書書き方講座(1)では、「活動計画の立て方」について説明をさせていただきました。特に、「やりたいこと」をスタートに考えていただく方法で考えてきました。ワークシートで要望したい活動について、整理していただけたものと思います。

ここからは、審査員がどのような視点で見ているかという観点から話を進めていきたいと思います。最初に、ロジックモデルは目標から考えてほしいというお話をいたしました。

目標から考えてみると、作っていただいた活動計画について、本当に活動が適切なのか、活動の量が適切なのか、疑問が出てくることがあります。例えば、「本当に活動計画がアウトカムを達成するものとして適切なのだろうか。」「活動の量、アウトプットはアウトカムを達成するために十分な量なのだろうか。」といった点です。

それでは、先ほどのカレーライスの例を目標から考えてみることにしましょう。
今度はAから順番に見ていきます。

  • A なぜそれをやろうと思っているのか。「おなかが空いたから」
  • B 理想はどうなってほしいか。「満腹になりたい!」
  • C 何がどうなれば成功したと言えるか?「もう食べられないと思うようになる」
  • D やとうと思っていることは何か。「カレーライスを食べよう!」
  • E どれくらいやるか。「カレーライス3杯」

○要望書の書き方ワークシート(カレーライス)

少し、考えて見ましょう。

もう食べられないと思うようになるには、本当にカレーライスが適切なのでしょうか?「ほかの料理ではダメなのでしょうか。」

もう食べられないと思うようになるには、カレーライス3杯。仮に2杯分の材料しかなかった場合はどうするのでしょうか。他の手はないでしょうか。

こういったところを審査員の人は見ています。

同じように自然観察会の例を見てみましょう。

  • A なぜそれをやろうと思っているのか「自然を汚す人が多い!」
  • B 理想はどうなってほしいか「自然を大事にする人が増える!」
  • C 何がどうなれば成功したと言えるか「自然の大事さがわかるようになる」
  • D やろうと思っていることは何か「子ども向けの自然観察会がやりたい!」
  • E どれくらいやるか「春、夏、秋の3回」

○要望書の書き方ワークシート(自然観察会)

では、考えて見ましょう。

自然の大事さがわかるようになるためには「子供向け自然観察会をやる」ことが本当に適切でしょうか。他の活動の方で「自然の大事さがわかるようになる」とはならないでしょうか。それから、春、夏、秋の3回で本当に、自然の大事さがわかるようになるのでしょうか?もしかしたら、活動の量についても見直しが必要かもしれません。こういった点を審査員の方は見ています。今一度、自分の活動がアウトカムにつながっているのか。考えてみていただければと思います。

ここで、アウトカム設定のポイントについてお話しします。アウトカムは、多くの人にとって具体的にイメージできるものでなければなりません。例えば「地域の活性化」「持続可能な社会」と言われて、何がどうなれば、地域が活性化した、持続可能な社会になったと言えるでしょうか?こういった表現では、環境に、社会にどのような変化がおこるのか、具体的にイメージできないかと思います。将来実現したい望ましい変化を具体的に書いていただくことがとても大事になります。

<つづく>

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