インドネシア国・北スマトラ州ダイリ県ヌルン川上流部に広がる水源涵養林の保全を目的として、現地カウンターパート団体との協働のもと住民参加型ワークショップ・協議等を行い、持続的な森林環境保全に資する村条例の策定を支援する。
自然資源利用の慣習法が存在しない入植者の村において、森林保全のための利用ルールの確立を住民主体で目指すという活動の方向性は妥当である。また、現地カウンターパートとの協働体制が確立されていることが、活動実施の効率性を高めている。新たな地域が次々に規則作りに加わり、初年度には2地区で、翌年度には3地区で地区規則が制定されており、活動による直接効果、波及効果は大きい。また、住民全体の意識変化や森林保全に関する理解度の向上などについても大きな効果が認められる。
5地区からなる村全体を包含する条例が制定されれば、インドネシアにおける住民提案による条例第一号という画期的なトピックとなることも大きな成果であると評価できる。
今後は、条例の制定が森林保全と住民の生活安定のためにどのような効果を発揮していくかについてのフォローアップを行っていくことが重要である。
※評点について:評点は、下記の5段階評価としています。
評点 | 内容 |
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A | 極めて高く評価できる水準・状況・結果である |
B | ある程度高く評価できる水準・状況・結果である |
C | 普通の水準・状況・結果である |
D | やや不満足な水準・状況・結果である |
E | 極めて不十分な水準・状況・結果である |