平成29年10月3日(火)・4日(水)に、若手プロジェクトリーダー2期生を対象としたフィールド実習を静岡県富士宮市において開催しました。
2期生向け研修
研修のねらい
キーワード
『起業マインド』
今回のフィールド実習の企画・運営にご協力いただいた(一社)日本環境NPOネットワークの今永正文氏の進行で、前回の研修をふりかえり、今回の研修のねらいとスケジュールを確認しました。その後、グループ別に午後の現場訪問でヒアリングしたい項目を打合せしました。
2つのグループに分かれて活動地を訪問し、ヒアリングを実施しました。
林業の施業現場を訪問予定でしたが、雨のため林道の通行ができず、事務所への訪問に変更しました。ソマウッド代表取締役の久米歩氏に、SNSを利用した日報管理について説明していただきました。今後は工程別に進捗を分解・数値化するソフトを導入して、スタッフの意識を数値に向けたいとのことでした。
次に原木の集積場所を見学し、木の利用用途や販売先、木材価格の下落にともない衰退して半ば公共事業化している林業の現状、そのような中で起業を決心した経緯について説明していただきました。また、Iターンで起業されたご経験から、移住者が地域の方々から信頼を獲得するためのステップについてもお話いただきました。
その後薪工場に移動し、林業+αとしてエネルギー事業に参入している様子をお話いただきました(薪・薪ボイラー・太陽光パネルの販売、新電力の代理店業務)。「人がやらないことをやる」「社員にいかに長く働いてもらうかを一番に考える」など、久米氏の信念もうかがうことができました。
ホールアース農場の畑を見学し、代表の平野達也氏に育てている作物の種類や作業内容を説明していただきました。富士宮市は有機農家のメッカといわれており、他地域と比べると新規参入者でも農業を始めやすい場所で、東京からくる若い方も多いとのことでした。
次に、ホールアース自然学校の事務所でお話をうかがいました。ホールアース農場は母体であるホールアース自然学校から独立した組織です。大きな団体から5年計画で少しずつ支援を受け、独立するという組織運営のあり方は大変興味深く、研修生は熱心に聞いていました。
また、平野氏が民間企業からホールアース自然学校に転職したいきさつや、組織の大きな転機に経験したことなどをお話いただきました。農業の初心者でありながら独立のリスクを負ってホールアース農場を立ち上げた理由やその事業戦略をうかがう中で、平野氏の熱い思いを感じ取ることができました。
2つのグループは田貫湖ふれあい自然塾の研修室で合流しました。ここでは、静岡県地球温暖化防止活動推進センター ゼネラルマネジャーの服部乃利子氏とチーフマネジャーの青島加奈氏より、企業・自治体・市民などステークホルダーとの協働事例や巻き込むためのポイントについてお話いただき、質疑応答を行いました。
夕食後に、これまでの研修を振り返り、意見や感想を付箋に記入して発表・共有するワークショップを行いました。最新の知識やスキルを体系的に学べたこと、同世代の精神的な支えとなる仲間ができたことが評価されるとともに、プログラムの改善についての新たなアイデアなど、多くの意見が出ました。
1日目の現場訪問のグループごとに、①活動内容、②その経緯・背景、③団体関係者とその関わり、④特徴や印象に残ったこと、の4点に絞ってまとめを行いました。
次に個人ワークで、①目標100%達成に向けてのプロジェクト改善案、②プロジェクト・組織・個人についての今後のプラン、の2点を模造紙にまとめました。
その後、個人ワークでまとめたプロジェクトの改善案と今後のプランを一人ずつ発表しました。模造紙はホワイトボードに貼り、全員がそれぞれの発表内容に対してコメントや励ましの言葉を寄せ書きしました。
最後に1日目の訪問先の方々を招いて、研修生がまとめた現場訪問のふりかえりを発表し、意見交換を行いました。意見交換の中では組織運営や今後のキャリア形成についても話題が及び、これから組織を牽引する人材となる研修生にとって学びのある座談会となりました。
日時 | 平成29年10月3日(火)10:15~10月4日(水)16:10 |
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場所 | 静岡県富士宮市 |
内容 | 【研修一日目】
【研修二日目】
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講師 | 株式会社ソマウッド 代表取締役 久米歩氏 株式会社ホールアース農場 代表 平野達也氏 静岡県地球温暖化防止活動推進センター ゼネラルマネジャー 服部乃利子氏 静岡県地球温暖化防止活動推進センター チーフマネジャー 青島加奈氏 一般社団法人日本環境NPOネットワーク 事務局長 今永正文氏 |
企画運営 | 一般社団法人日本環境NPOネットワーク |
協力 | NPO法人ホールアース研究所 |
富山県出身。静岡県立大学国際関係学部卒業。平成21年(株)ソマウッドを起業して林業の再生事業に取り組む。薪やウッドチップによる熱供給事業にも意欲を示し、地域の雇用促進や子育て支援にも力を注ぐ。3人娘の父。
千葉県出身。大学卒業後森ビル観光株式会社(当時)へ入社。早稲田大学大学院を経て、静岡県富士宮市の「ホールアース自然学校」へ入社。自然ガイドや体験教室の企画、実施を担当。2011年農業生産法人・株式会社ホールアース農場を設立。
静岡県地球温暖化防止活動推進センターのゼネラルマネジャーを務めるとともに、コミュニティパワーによる再生可能エネルギーの普及推進をメイン事業とする「しずおか未来エネルギー株式会社」を設立。代表取締役社長を務める。学校への派遣授業や自治会、公民館講座などへ年間約20回の出前講座を行っている。
環境カウンセラーの資格を持ち、事業では県民運動事務局、芝生化応援団事務局、協賛・寄付企業関連、環境教育プログラム関連を担当する。
ファシリテーター、プロセスコンサルタントとして様々な分野で活躍するかたわら、自身も環境保全や地域振興の現場で活動。静岡市地域づくりアドバイザー、社団法人国土緑化推進機構「森林NPO活動指導者育成研修事業」検討委員/関東ブロック担当(2009年~)、「静岡・田舎で働き隊」/事業推進委員(2010年~)、「森づくりファシリテーター・ミーティング実行委員会」事務局長 など。