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Q 子どもがぜん息になったのは、私の掃除の仕方が悪かったからではないかと心配です。

子どものぜん息のほとんどはアトピー型で、わが国では子どものぜん息患者の90%以上が室内塵(ハウスダスト)、家ダニの抗原に感作されており、採血してRASTの検査をすると室内塵やダニに対する特異的IgE 抗体が陽性になります。室内塵の中には、ペット由来の抗原や、カビ、花粉などの抗原も含まれますが、最も主要な抗原はダニで、室内塵RAST陽性は、ほぼダニRAST陽性と一致します。ダニはぜん息の発症および増悪に関わる環境因子として重視されていますので、ダニ抗原を少なくする環境整備は必要です。
さて、お子さんがぜん息を発症したのは掃除が不十分だったのではないかとの質問ですが、結論から申しますとその心配は無用と思います。ご存じのようにダニは、寝具やたたみ、じゅうたんなどに多く生息しますので、これらのクリーニングが効果的と考えられますが、徹底的に行うには経済的にも労力的にも大変なことであります。しかも、もしたいへん努力されて環境整備をしたとしても、ぜん息発症を阻止できるという保証はありません。過去のことを心配なさるよりも、すでに発症した患者さんでダニRASTが陽性の人の場合には、抗炎症作用のあるぜん息薬による長期管理とともに、防ダニふとんカバーを用いた寝具のダニ対策など、無理のない範囲で環境整備をされることが効果的です。きちんと治療管理すれば、薬なし・発作なしの状態になることが期待できますのでがんばってください。