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Q 春先にぜん息が悪化しますが、花粉と何か関係がありますか?

スギ花粉の時期にぜん息が悪化することは、以前から知られていました。しかし花粉の粒子自体(約30 〜40 μm)が大きく、鼻腔を通じて肺に到達する可能性は低いと考えられ、これまで花粉とぜん息の発症・悪化の関係は明らかではありませんでした。最近では肺まで入ってくるオービクル(花粉表面の微粒子)上のアレルゲンがぜん息の発症・悪化原因の一つではないかと考えられています。
花粉症はぜん息とくらべると直接生命への危険がない疾患ということもあってか、ぜん息を持つ方が花粉症を発症していたとしても、なかなか花粉症の症状を訴えることが少ないようです。ところが、最近の研究ではアレルギー性鼻炎の治療をしっかり行えば、気管支の粘膜にも影響がおよび、気道の過敏性が改善されるという研究結果もあるようです。ぜん息の方は、花粉が飛散する時期に目や鼻の調子がどうなのか、自分の体調を把握し飛散時期のぜん息発作の程度や頻度を記録しておくと、花粉症との関連がはっきりするでしょう。もし花粉症の症状があらわれた場合は、医師にしっかりと伝えましょう。ほとんどの場合、ぜん息のかかりつけ医は内科・小児科ですが、症状をしっかりと伝えることで、花粉症の症状を抑える治療をしてもらうことが可能となります。ふだんから抗アレルギー薬を服用していたとしても、花粉症を発症しないですむかというと、そういうわけではありません。花粉の飛散時期はアレルゲンが身のまわりに急増するわけですから、なるべく接触しないことが大切です。