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Q 小児ぜん息から15歳以降に大人の内科に移る際のポイントを教えてください。(36歳女性)

小児ぜん息は比較的治りやすいものの、15歳以降に持ち越してしまう場合も少なくありません。その場合、高校生以上を診療の対象としている内科に移ることが考えられます。ただ、この時期はいわゆる思春期・青年期と呼ばれ、成人とは異なったむずかしい面を持っているため、長い間小児科に通っていた子がいきなり内科に移るべきかどうか、迷うこともあるでしょう。年齢だけで「内科に移りましょう」というと、患者さんは突き放されたり、見放されたように感じてしまうこともあります。実際、ぜん息を専門に診ている小児科ほど15歳以上の患者さんの割合が多くなっています。
内科へ移行する際のポイントは、年齢だけでなく、患者さん本人の転科希望がある場合や、小児科の主治医が転科の必要性を感じた場合などがあげられます。本人が希望する場合は、小児科への受診に抵抗を感じたり、生活習慣の変化などにより内科受診の方が好都合である場合などです。一方、主治医が転科をすすめる場合は、小児科通院が患者さんにとってよくないと考えられるときです。ぜん息はセルフコントロールが非常に重要な病気ですので、小児科通院を続けることでその機会を奪ってしまったり、長期間のつき合いでいわゆる馴れ合いのような状態になり、治療に真剣さがなくなってしまったりすることは、決していいとはいえません。
以上のようなことを踏まえ、現在の小児科の主治医の先生とよく相談なさってください。

東海大学医学部付属八王子病院 医学部医学科専門診療小児科学 特任教授 山口公一 先生

東海大学医学部付属八王子病院 
医学部医学科専門診療小児科学 特任教授 山口公一 先生