ぜん息、COPDと新型コロナウイルス感染症 ウィズコロナの時代、ぜん息、COPD患者はどう過ごすか

新型コロナウイルス感染症が全世界で流行しています。世界の感染者数は約9500万人、亡くなった方は約203万人に達しました。基礎疾患があると重症化するとされていますが、ぜん息患者は発症しにくく、COPD患者は重症になるリスクが高いようです。新型コロナウイルス感染症と、ぜん息やCOPDとの関係、基本の感染予防策を理解することは、新型コロナウイルス感染症の予防だけでなく、日々の症状の良好なコントロールにつながります。ウィズコロナの時代、ぜん息やCOPD患者と、その家族はどう過ごせばよいのか。倉敷中央病院副院長で呼吸器内科主任部長の石田直先生と帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授の長瀬洋之先生にお話をうかがいました。

(本内容は2021年1月現在)

新型コロナウイルス感染症って何?

中国・武漢市で2019年末に発見

細菌やウイルスの感染によって起こる病気を感染症といいます。古くから知られている結核やインフルエンザのほか、エボラ出血熱など新たに発見されたウイルスが引き起こす感染症も少なくありません。2019年12月以降、中国の湖北省武漢市で原因不明の肺炎が相次いで発生し、入院中の患者から新種のコロナウイルスが2020年1月に見つかりました。コロナウイルスはそれまでに6種発見されており、武漢で見つかったウイルスは7番目となります。世界保健機関(WHO)はこの新しいコロナウイルスで起こる感染症の正式名称を「COVID-19」と名付けました。
コロナウイルスのうち4種は鼻汁、咳、咽頭痛、発熱などの典型的なかぜ症状を起こすウイルスで、ヒトは一生に数回はかかるとされています。このほか2002年に確認された「重症急性呼吸器症候群(SARS)」を起こすウイルスと、2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスの2種があります。コロナウイルスは形態が、太陽のコロナに似ていることから名付けられたとされます。コロナウイルスの遺伝情報はウイルス内のRNA(リボ核酸)に保存されています。自分自身で増殖することはできませんが、粘膜などから入り込み人の体内で増殖し、感染症を引き起こします。患者の体内で増えたウイルスは、その患者から咳やくしゃみなどと放出され別の人に感染することで、増殖を繰り返します。

感染者の飛沫と接触で感染

新型コロナウイルス感染症は一般的に飛沫感染、接触感染でうつります。飛沫感染とは、感染者のくしゃみ、咳、唾液などの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。接触感染は感染者のくしゃみや咳などに含まれるウイルスが感染者の手や、ドアノブ、電車のつり革などに付着し、別の人がそれを触ると手にウイルスがつき、その手で口や鼻、目などを触ることでうつります。また、密閉された空間では空気感染もあるとされています。空気感染は感染者から放出された飛沫の水分が蒸発し、ウイルスを含んだ微細な粒子が空気中を漂い、これを吸い込んで感染します。
飛沫の吸い込みを抑えたり、外部になるべく出さないという点でマスクは有効ですし、外出から戻った後に手洗いや手指の消毒をすることは、接触感染を防ぐという点で重要です。また、密閉空間にならないよう換気をすることも大切です。

風邪に似た症状、8割は軽症

ウイルスが体内に侵入し、実際の症状が出るまでの期間を潜伏期間といいます。新型コロナウイルス感染症は平均で5、6日、長い場合には14日かかることもあるとされます。インフルエンザは1~3日なので、比べると潜伏期間は長いといえます。
潜伏期間後に、発熱、咳、倦怠感など風邪と同じような症状が現れます。また、味覚や嗅覚の異常を訴える方も多いです。症状が出た患者の約8割は軽度から中程度の症状とされます。重症化する場合、最初の症状が出てから5~7日程度で、息切れ、胸の痛みや圧迫感が現れ、症状が急速に悪化し肺炎を起こし死亡するケースもあります。一方、感染しても症状の出ない無症状感染者も数%から60%いるとみられています。
ぜん息やCOPDの方で、発熱などの症状があり感染が疑われるような場合には、かかりつけ医に電話で相談しましょう。
感染の疑いがあると判断された場合、PCR検査を受けます。また、夜間や休日の場合は、各都道府県が設置している「相談センター」などを利用してください。感染の疑いがあると判断された場合、適切な診療を行う「新型コロナウイルス外来」を紹介され、検査を受けます(図1)。

新型コロナウイルス感染症が心配なとき検査までの流れの1例

東京都福祉保健局などの資料をもとに作成

一般的な検査はPCR検査

新型コロナウイルスの感染を調べるには3つの検査法があります(表1)。
一般的なものがPCR検査です。鼻の奥の分泌物や唾液を採取して、新型コロナウイルスの遺伝子配列があるかどうかを調べ、今ウイルスに感染しているかどうかがわかります。ウイルスの遺伝子は非常に微量なので、ポリメラーゼ連鎖反応という方法で増やして検査します。感度の高い検査のため確定診断に使われていますが、判定には時間がかかるうえ、検査機関で実施するため結果が出るまで1日程度かかることもあります。感染していても陰性と出ることもあります。
抗原検査は、ウイルスが持つ特徴的なタンパク質(抗原)を検出します。PCR検査と異なり抗原を増やすことはできないので、一定以上のウイルス量が必要で感度が低いという欠点があります。インフルエンザと同様に検査キットがあり、その場で診断できるため約30分で判定できます。
抗体検査は、ウイルスに感染した人の体内でつくられるウイルスを攻撃するタンパク質(抗体)を検出します。抗体は感染から一定の時間が経たないとつくられないうえ、半年程度で消えてしまうとの報告もあります。早期診断には向かず、過去の感染を確実に把握できるとは限りません。
いずれの検査も、確実な陰性証明とはなりません。

3種の検査の主な特徴

特効薬はなく対症療法が中心

新型コロナウイルス感染症にはまだ特効薬がありません。世界中で新薬の研究が行われていますが、開発には時間がかかるので、治療現場では別の病気に使われるさまざまな薬が使われています。現在、日本ではエボラ出血熱の治療薬として開発中だった抗ウイルス薬のレムデシビルと、ステロイド系の抗炎症薬のデキサメタゾンの2種が承認されており、いずれも中等症から重症患者向けです。吸入ステロイド薬の中では、シクレソニド(オルベスコ)に有効な可能性があるとの報告がある一方、国内の臨床試験では、軽症な方には肺炎発症の予防効果がなかったとの報告もあります。現在使用中の薬剤が合っていれば、継続してください。軽症患者では確立された治療法はなく、発熱やせきなどの症状を緩和する対症療法が中心です。

イギリスなどでワクチン接種始まる。

ワクチンは人工的につくった無毒化・弱毒化された病原体を接種して、人の体内に免疫をつくらせ感染症にかかりにくくする医薬品です。世界各国が新型コロナウイルスのワクチンを開発中で、2020年12月にはイギリス、アメリカでワクチン接種が始まりました。日本政府は海外の製薬会社と開発が成功した場合にワクチン供給を受けることで合意しています。早ければ2月にも接種が始まります。

ぜん息患者はかかりにくい?

ウイルスの入り口が少ない?

ぜん息患者は、新型コロナウイルス感染症にかかりにくいのではないかと指摘されています。新型コロナウイルス感染症の患者には、ぜん息患者が少ないようです。世界3カ国(中国、米国、メキシコ)の新型コロナウイルス感染症患者1万7485人を対象に研究した論文を分析したところ、この3カ国全体のぜん息患者の割合は8.0%だったのに対し、新型コロナウイルス感染症患者に占めるぜん息患者は5.3%で、明らかに少なかったのです。
ウイルスが人に感染する仕組みからも、ぜん息患者は感染しにくいのではないかと考えられています。新型コロナウイルスは、気道の細胞表面にあるACE2(アンジオテンシン変換酵素2)受容体を、人に侵入する入り口としています。ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質とACE2受容体が結合し、新型コロナウイルスの表面の膜が溶けて、ウイルスの遺伝情報をもつRNAが細胞に入り込むことで感染します(図2)。
しかし、ぜん息で吸入ステロイド薬を服用されている方は、気道のACE2受容体が少なくなっている可能性が報告されています。また、ぜん息患者では、炎症を起こすIL-4(インターロイキン4)やIL-13というサイトカインが分泌されていますが、これによりACE2受容体が少なくなることもわかっています。つまり、ぜん息患者は新型コロナウイルスが人の体内に侵入する入り口が少なくなっているため、感染しにくいと推測されているのです。
ぜん息患者が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化するかどうかはまだはっきりわかっていません。新型コロナウイルス感染症のうち呼吸器疾患を持つ患者1460人を対象にした日本呼吸器学会の調査(2020年7月)によると、全体の死亡率5.6%に対し、ぜん息は4.1%にとどまっていました。一方、新型コロナウイルス感染症で入院した患者(重症を示す)を調べると、ぜん息患者は全体平均より少し多かったというデータもあり、はっきりしないのです。

新型コロナウイルスが感染する仕組み

東京大学医科学研究所などの資料をもとに作成

COPD患者は重症化しやすい

COPD患者は一般的に感染症にかかりやすいとされていますが、新型コロナウイルス感染症にかかりやすいかということは、まだはっきりわかっていません。その一方で、COPD患者は、新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいことはわかってきました。さきほどの日本呼吸器学会の調査では、COPD患者の死亡率は13.0%と全体の死亡率5.6%より明らかに高かったのです。
COPDは「たばこ病」ともいわれるほど喫煙と深く関係しています。WHOは新型コロナウイルス感染症の重症化リスクとして、持病のある人、高齢、肥満などとともに喫煙をあげました。重症者の割合は、非喫煙者に比べ喫煙経験者が1.7倍多かったという研究もあります。これらの理由については、COPD患者は肺にダメージがもともとあるため、健康な人と比べると深刻な肺炎になりやすく、新型コロナウイルスの入り口になるACE2受容体が喫煙により増えているなどと分析されています。
しかし現時点では、ぜん息やCOPDと新型コロナウイルス感染症の関連については、未解明な点が多く、米国立衛生研究所(NIH)などが詳細な研究に取り組んでいます。

いつもの治療を続けることが大切

オンライン診療の利用も

オンライン診療の利用も

新型コロナウイルスの感染を恐れて、医療機関の受診を控える方もいるようですが、正しい感染予防策をとったうえ、いつもの治療を続けることが大切です。ぜん息患者でも、COPD患者でも、症状をコントロールして、よい状態で過ごせるよう心掛けてください。もともとの病気の状態がよくないときに、新型コロナウイルスに感染すると、より重い症状になりかねません。
長期管理薬として吸入ステロイド薬を使っている方は、必ず継続してください。吸入ステロイド薬は新型コロナウイルス感染症に対して、防御的に作用する可能性が指摘されています。
また、普段服用している薬を確認して、予備をしっかり確保しておくことも重要です。定期受診をされており症状が安定している方であれば、パソコンやスマートフォンなどを使ったオンライン診療も可能です。主治医との電話相談で、かかりつけ薬局から処方された薬を送ってもらえる場合もあります。

感染予防策の徹底

日々の生活で心掛けてほしいのは、基本の感染予防策の徹底です。詳しくは「感染予防を徹底しましょう」にて紹介します。2019年から20年にかけての冬は季節性インフルエンザに感染する人がとても少なかったのですが(グラフ1)、新型コロナウイルスの感染予防策として、多くの人が手洗いやうがいの実行、マスクの装着、人混みを避けること(3密回避)を徹底したからと考えられています。
ぜん息やCOPD患者と、そのご家族は普段から、風邪をひかないよう注意されていると思いますが、これらの感染予防策こそ、新型コロナウイルス感染症予防にもインフルエンザ予防にも有効なのです。

東京都のインフル円座の感染者数の3年分の推移

東京都感染症情報センターなどの資料をもとに作成

ワクチンの接種を

この冬は季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が心配されていました。インフルエンザの流行は毎年1~2月がピークですが、4~5月に散発的にはやることもあるので油断は禁物です。ぜん息患者、COPD患者、そしてそのご家族には、インフルエンザワクチンの接種をおすすめします。インフルエンザワクチンを接種すると、インフルエンザにかかりにくくなり、重症化を予防するなどの効果があります。
インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も初期の症状は発熱で、区別がつきにくいです。しかし、インフルエンザワクチンを接種しているのに発熱していれば、インフルエンザの可能性は低いと考えられ、新型コロナウイルス感染症の早期診断につながります。診断が早ければ、その分早く治療できるので、重症化のリスクを下げることになるでしょう。
新型コロナウイルスの影響は、まだしばらく続くと予想されていますので、来年の冬がくる前のワクチン接種も忘れないでください。また、65歳以上など対象になっている方は、肺炎球菌ワクチンの接種もおすすめします。

インフルエンザと新型コロナウイルスの違い

日本感染症学会の資料などをもとに作成

この機会に禁煙

喫煙により、新型コロナウイルスの侵入口になるACE2受容体が増えることも指摘されています。また、新型コロナウイルス感染症に伴う在宅勤務や長期の休校などにより、家庭内で喫煙者と一緒にいる時間が増え、ぜん息やCOPD患者が受動喫煙にさらされるリスクも高まると考えられます。たばこを吸う方は、ぜひ禁煙しましょう。

COPD患者へ 閉じこもらず適度な運動を

COPD患者は家に閉じこもって体を動かさないこと自体が、体力を低下させ、症状悪化につながります。感染予防をしっかり行い、体を動かす生活を心掛けてください。外出自粛により、普段のリハビリテーションを受けづらくなっているかもしれません。治療薬と胸郭のストレッチを続け、ゆっくり大きく呼吸を整えることを心掛けてください。
COPD患者の新型コロナウイルス感染を恐れるあまり、外出を制限されるご家族の方もいるかもしれませんが、体が衰え、筋力低下が起こるフレイルやサルコペニアなどが心配されます。マスクなどの予防策をとり、3密を避けた屋外での散歩や軽い運動であれば、さほど心配することはありません。また、これまで「すこやかライフ」で取り上げた屋内でできる運動に取り組むのもよいでしょう。

感染予防を徹底しましょう

まず手指衛生

手指衛生は接触感染を防ぐのに有効です。新型コロナウイルスは人の皮膚で約9時間感染力を保ち、インフルエンザウイルスより数倍長いとされています。外出から帰った後、食事の前などには必ず手を洗いましょう。
洗い方はハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎの方法を2回繰り返すのが、手についた細菌数を減らすことに最も有効とのデータがあります。爪を短く切り、手を洗うときには指先の汚れをかき出すようにしてください。外出先で何かに触れたら、その手で自分の髪や皮膚、身につけているものには触らず、触る前には手指を消毒しましょう。除菌用のアルコールは濃度70~80%が有効です。

正しい手の洗い方

  1. 流水でよく手をぬらした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。

    ① 流水でよく手をぬらした後、石けんをつけ、手のひらをよくこすります。

  2. 手の甲をのばすようにこすります。

    ② 手の甲をのばすようにこすります。

  3. 指先・爪の間を念入りにこすります。

    ③ 指先・爪の間を念入りにこすります。

  4. 指の間を洗います。

    ④ 指の間を洗います。

  5. 親指と手のひらをねじり洗いします。

    ⑤ 親指と手のひらをねじり洗いします。

  6. 手首も忘れずに洗います。

    ⑥ 手首も忘れずに洗います。

石けんで洗い終わったら、十分に水で流し、
清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取って乾かします。

出典:首相官邸HP

いつでもマスク

マスクはウイルスの拡散と吸い込みを抑え、飛沫感染予防に役立ちます。理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」を使った解析で、不織布マスクと布マスクは、咳をした際の飛沫量の約80%を抑えることが示されました。東京大学医科学研究所の研究では、布マスクはマスクなしと比べてウイルスの吸い込み量を60~80%に抑えることもわかりました。
マスクは顔にぴったり装着させることが必要です。鼻からあごまでを覆い、不織布マスクでは折り目を下向きにしてください。一方、透明なプラスチックで顔を覆うフェイスシールドは側面や下側から飛沫が漏れてしまい、マスクと同じような効果は期待できません。
風邪やインフルエンザは症状が出たときからマスクをすれば感染拡大防止に有効でした。しかし、新型コロナウイルス感染症は、感染すれば症状が出る前からウイルスを排出します。そのため症状の有無にかかわらず、いつでもマスクをすることが大切になります。

正しいマスクの着用

  1. 鼻と口の両方を確実に覆う

    ① 鼻と口の両方を確実に覆う

  2. ゴムひもを耳にかける

    ② ゴムひもを耳にかける

  3. 隙間がないよう鼻まで覆う

    ③ 隙間がないよう鼻まで覆う

出典:首相官邸HP

3密回避

新型コロナウイルス感染症は主に、飛沫感染と接触感染でうつります。このため、密閉、密集、密接といういわゆる「3密」の状況で感染リスクが高まります。厚生労働省はこのほか、飲酒を伴う懇親会、大人数や長時間に及ぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりという「5つの場面」で感染リスクが高まると説明しています。「3密」や「5つの場面」をなるべく避けるように過ごすことを心掛けましょう。

長瀬 洋之 先生 顔写真

帝京大学 医学部内科科学講座
呼吸器・アレルギー学 教授
長瀬 洋之 先生

読者へのメッセージ

ぜん息の方は過度にコロナを恐れる必要はありません。かかりにくいかもしれないし、吸入ステロイドは新型コロナウイルスの受容体を少なくする可能性もあるといわれています。感染予防策を徹底して気をつけながら生活すれば、やりたいことを全て我慢する必要もありません。COPDの方は家に閉じこもって体を動かさないこと自体、COPDによくないことです。人混みを避けて、散歩も続けてください。工夫しながら安全な範囲で身体活動を維持するようにしてください。

プロフィール

1994年東京大学医学部医学科卒業。96年東京大学物療内科を経て、2003年帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学、16年から現職。日本アレルギー学会気管支喘息ガイドライン専門部会作成委員。

石田 直 先生 顔写真

倉敷中央病院 副院長 兼 呼吸器内科主任部長 京都大学 臨床教授 石田 直 先生

読者へのメッセージ

もしかするとこの冬、インフルエンザはあまり流行しないかもしれません。昨年の冬と同様、多くの方が新型コロナウイルス感染症予防として手指衛生などをきちんと行うと推測されるからです。でも、油断は禁物。インフルエンザなどのワクチンを接種し、これまでの治療を継続し、風邪をひかないよう注意しましょう。手指衛生、マスク着用、ソーシャルディスタンスを保つことは風邪の予防にもなり、インフルエンザ、新型コロナウイルスなど、あらゆる感染症の予防に有効です。

プロフィール

1984年京都大学医学部医学科卒業。京都大学胸部疾患研究所、国立姫路病院(現・姫路医療センター)を経て、88年に倉敷中央病院赴任。2000年から呼吸器内科主任部長、20年から副院長兼務。京都大学臨床教授。日本感染症学会インフルエンザ委員会委員長・インフルエンザ-COVID-19アドホック委員会委員長。