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コンテンツ 医療最前線
ぜん息、COPDと新型コロナウイルス感染症 その2
ワクチンの効果と新型コロナ最新情報

新型コロナウイルス感染症が収束する兆しは、まだ見えません。3回目のワクチン接種も進み、治療薬も登場しましたが、オミクロン株などの変異株が相次いで出現しています。今回の医療最前線も昨年のすこやかライフ55号に続き、新型コロナウイルス感染症を取り上げます。新たにわかったぜん息やCOPDと新型コロナウイルス感染症の関係や、小児や3回目のワクチン接種をどうするか、新型コロナウイルスの変異株などについてまとめます。国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の多屋馨子先生と、帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授の長瀬洋之先生にお話をうかがいました。

(本内容は2022年1月現在)

ぜん息患者はかかりにくい

重症ぜん息は注意が必要

ぜん息と新型コロナウイルス感染症の関係については、世界的に多くのデータが集まってきました。例えば、約16万人の世界の新型コロナウイルス感染症患者を解析した2021年のデータでは、ぜん息患者は1.6%。世界的なぜん息の有病率は4.4%とされているので、新型コロナウイルス感染症の患者では、一般の集団よりぜん息の比率が低いことになります。日本呼吸器学会による新型コロナウイルス感染症の患者で呼吸器疾患を合併する1460人を調べた研究でも、ぜん息患者は3.4%で、10%前後と推定される日本のぜん息有病率より低くなっています。これらから、ぜん息患者は新型コロナウイルス感染症にはかかりにくいことが、はっきりしてきました。

ぜん息患者が新型コロナウイルス感染症にかかった場合、重症化や死亡するリスクは、一般の人と変わらないというデータも集まってきました。しかし、重症ぜん息患者では、死亡リスクがわずかに増加するという気になる報告もあります。もともと全身状態が良くないことや、ぜん息の発作を抑える経口ステロイドを服用していると全身の免疫機能が低下するからなどと推測されています。また、成人ぜん息の約4割、小児ぜん息の約1割を占めるとされる非アレルギー性ぜん息では、重症化しやすいことをうかがわせる報告が出ています。

吸入ステロイドでウイルスの入り口が少なくなる

ぜん息患者が新型コロナウイルス感染症にかかりにくい理由についても、いくつかの仮説が示され解明が進んでいます。新型コロナウイルスは、気道の細胞表面にあるACE2(アンジオテンシン変換酵素2)受容体を人に侵入する入り口としています。ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質とACE2受容体が結合すると、タンパク分解酵素が働いて新型コロナウイルスの表面の膜が溶けて、ウイルスの遺伝情報をもつRNAが細胞に入り込み感染が成立します(図1)。米国の研究で、吸入ステロイド薬(ICS)を服用すると、ACE2受容体とタンパク分解酵素が少なくなることが示されました。ぜん息患者では、炎症を起こすIL-4やIL-13というサイトカインが分泌されていますが、これによりACE2受容体が少なくなることもわかってきました。

このほかにも、ぜん息患者は比較的若い年齢層に多く合併症が少ないこと、風邪をひかないよう発作を起こさないよう日常生活に気を配り感染予防をしていることなどが指摘されています。

図1 新型コロナウイルスが感染する仕組み
東京大学医科学研究所などの資料をもとに作成

やはり高い COPD患者の重症化率

COPD患者が新型コロナウイルス感染症にかかりやすいかということは、まだよくわかっていません。しかし、新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいことは、はっきりしてきました。さきほどの日本呼吸器学会の調査では、呼吸器疾患を合併する新型コロナウイルス感染症患者全体の死亡率は5.6%であるのに対し、COPD患者の死亡率は13.0%と明らかに高かったのです。WHO(世界保健機関)と厚生労働省は持病のある人、高齢、肥満などとともに、COPDを重症化リスクとしています。

COPD患者は高齢で他の疾患を持つ人が多いこと、肺に炎症があるためウイルスが増殖しやすいことなどが要因だといわれていますが、喫煙も大きく影響しているとみられています。喫煙者では自然免疫が低下していることが指摘されています。

ぜん息もCOPDも今の治療を継続しましょう

ぜん息での入院減少

日本の急性期病院に入院した患者約1万6000人を調べた2021年の研究では、新型コロナウイルス感染症の流行前の17年や18年に比べると、流行した20年は小児、成人ともぜん息の悪化による入院患者が大きく減っていました。世界的にも、ぜん息とCOPDの悪化は減少しています。これはぜん息とCOPD患者が新型コロナウイルス感染症の蔓延する中、毎日をどのように過ごすかの大きなヒントになります。つまり、新型コロナウイルス感染症の基本的な予防策である、マスクの装着、人混みを避ける(3密回避)、換気の徹底、手洗いの実行(手指衛生)は、ぜん息やCOPDを悪化させないことに大きな効果があったことを示しているのです。20年から21年にかけての冬は、季節性インフルエンザがほとんど流行しませんでした。これも基本的な感染症予防策が徹底されたことも一因だとされています。

さらに、ぜん息患者では、ぜん息の悪化や新型コロナウイルス感染症への不安から、患者さんが薬を休まず服用しようとする意識が向上したというデータが示されました。

受診控えが一時みられたり、電話相談が増加するなどの報告もありましたが、基本的な感染症予防策と、これまでの治療を継続することが増悪予防のために何よりも大切です。生物学的製剤の使用は、新型コロナウイルスの入り口となるACE2受容体を増やすのではないかと心配されていましたが、特定のリスクを示す報告はほとんどありません。ぜん息患者でもCOPD患者でも、これまでの治療を継続して症状をコントロールし、毎日をよい状態で過ごせるよう心掛けてください。

図2 会食での感染症対策
厚生労働省などの資料をもとに作成

COPD患者孤立を招かないように

COPD患者は家に閉じこもって体を動かさないと、体力が低下し症状の悪化につながります。新型コロナワクチンを接種する、マスクなどの感染予防策をしっかり行う、人混みを避けるなどの対策をとりつつ、体を動かすことを心掛けてください。これまで「すこやかライフ」で取り上げた屋内でできる運動に取り組むのもよいでしょう。

外出をしなくなると、家族や友人との接触が減り、必要な情報も得にくくなるなど、社会からの孤立が心配されます。新型コロナウイルス感染症が心配で、離れて暮らす家族と会う機会が減っていますが、孤立を招かないためにも、家族、友人、知人と電話やスマートフォンなどで連絡を取り合うよう心掛けてください。

学校行事や会食参加は主治医に相談を

友人や知人との会食や旅行、学校行事への参加は大きな楽しみですが、新型コロナウイルス感染症が流行する中では、自粛はやむを得ないものでした。まして、ぜん息やCOPDの患者では、いっそう控えてしまうでしょう。

しかし、しばらくは「ウィズコロナ」の時代が続きます。新型コロナワクチンを接種し、感染予防策を徹底し、また住んでいる地域の自治体の方針に基づいて、参加してみるのはいかがでしょうか。心配な方は、かかりつけの医師に相談してみましょう。

3回目のワクチン接種検討を

一定期間をあけて2回接種

日本で認められている新型コロナワクチンは、ファイザー社製、武田/モデルナ社製、2021年8月から接種可能になったアストラゼネカ社製の3種類です。ファイザー社製と武田/モデルナ社製は、ウイルスのたんぱく質をつくるもとになる情報の一部を注射します。アストラゼネカ社製は、増殖できないように処理したサルアデノウイルスに新型コロナウイルスの遺伝情報の一部を組み込んだものを注射します。これらの情報をもとに人の体の中でウイルスのたんぱく質の一部ができ、これに対してウイルスに感染した細胞を攻撃する抗体や免疫(獲得免疫)がつくられます。いずれも効果を高めるため、一定の期間をあけてワクチンを2回接種します。

3回目で抗体価増強

ワクチンには高い発症予防効果がありますが、時間が経つと効果が徐々に低下していくことがわかってきました。これはウイルスを攻撃する抗体の量が減っていくためで、血液検査で測定できる抗体の量を抗体価といいます。厚労省のホームページによると、米国などで実施された臨床試験では、ファイザー社製で3回目の接種から1カ月後の抗体価は2回目接種から1カ月後より数倍高く、武田/モデルナ社製では1.76倍高いと報告されています。

国内では21年12月から3回目接種が始まりました。2回目の接種を終えたときから原則6から8カ月以上経過した18歳以上のすべての方が対象で、2回目までと同じく無料です。3回目接種のワクチンは初回接種のワクチンの種類に関係なく、ファイザー社製か武田/モデルナ社製になります。

表1 3種のワクチンの副反応と3回目の接種
厚生労働省などの資料をもとに作成

副反応は2回目と同等か

ワクチンを接種すると免疫ができる以外の反応が起こることがあり、副反応と呼ばれます。3回目接種の副反応はファイザー社による米国での臨床試験で、2回目接種とほぼ同じとされています。初回と比べてリンパ節の腫れが起こることが多いようです。

アレルギーでも接種可能

日本アレルギー学会は、ぜん息や食物アレルギーなどがあってもアナフィラキシーを起こすリスクはそれらのアレルギーがない場合と違いはないとしています。ただし、これまでに薬や注射でアレルギーを起こした人は、アナフィラキシーショックが心配されます。接種後に具合が悪くなったときに対応できるよう、待機時間は通常の15分より長く30分です。また、コントロール不良のぜん息は、アナフィラキシーを重篤化させる要因の1つです。自己管理をしっかり行うとともに対応できる医療機関での接種が望ましいでしょう。

アレルギーがあっても、1回目、2回目と同じように3回目の接種は可能です。予診票にはアレルギーをチェックする項目があるので正しく記入し、医師の問診でもしっかり伝えましょう。1回目や2回目のワクチン接種でアナフィラキシーを起こした場合、次の接種では同じワクチンは接種できません。

5~11歳でも接種

無料でワクチンを接種できるのは満12歳以上で、ファイザー社製と武田/モデルナ社製ワクチンでしたが、厚生労働省は2022年1月、ファイザー社製のワクチンについて5歳から11歳までの接種を特例承認しました。同社が海外で実施した5〜11歳の子ども約2300人の臨床試験の結果、2回目接種後の発症予防効果は90・7%で、副反応は成人とほぼ同様と報告されています。米国では21年10月末に、5歳から11歳までの子どもにファイザー社製ワクチンの緊急使用が認められています。

一方、日本小児科学会は、思春期の子どもや若年成人は接種部位の痛みや発熱、倦怠感の頻度が高齢者よりも高いとしています。本人と保護者が、接種のメリットとデメリットを十分に理解することが大切です。また、アレルギーがある子どもが接種を受ける場合、成人と同様に予診票は正しく記入し、医師の問診時にもアレルギー歴を正しく伝えることが重要です。子どもの場合、接種の前後には、きめ細かな対応が必要になります。接種に当たっては、まずかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。

新型コロナウイルス 変異株次々と

心配なオミクロン株

2019年12月以降、中国の湖北省武漢市で原因不明の肺炎が相次いで発生し、20年1月に入院中の患者から新種のコロナウイルスが発見されました。これが新型コロナウイルス感染症の発端です。コロナウイルスはそれまでに6種発見されており、このうち4種は咳や発熱など風邪症状を起こし、人によっては一生に数回はかかるとされています。しかし、20年に発見された新型ウイルスは人類が初めて接したウイルスで誰も免疫を持っていないため、またたく間に全世界に広まりました。

コロナに限らずウイルスは自分自身では増殖できません。生きている細胞に感染することで複製し、自分の遺伝情報のコピーをつくっていきます。増殖を繰り返すうちにコピーミスが起こり、一部の遺伝情報が変化し、ウイルスの性質が変化したものが変異株です。WHOは感染力が強くなったり、感染すると重症度が上がるなど影響の大きい変異株を「懸念される変異株」に指定しています。当初は発見された国名などで呼ばれていましたが、その後ギリシャ文字で呼ぶようになりました。最初の懸念される変異株は20年9月にイギリスで見つかったアルファ(α)株で、21年11月に南アフリカで見つかった変異株がオミクロン(ο)株です(図3)。

感染力の強い変異株が生まれると、徐々に変異株に感染する人の割合が増え、最終的に変異株に置き換わります。21年7月からの第5波の流行で若者世代の感染者が増えたのは、感染力の強いデルタ株への置き換わりも一因とみられています。

オミクロン株は、ウイルスが人体に侵入する際の足がかりになるスパイクタンパク質の変異が、感染力の強いデルタ株より数倍多く、感染力が強くなっていると考えられます。ウイルス増殖の速さも、デルタ株に比べて増している可能性について国内外で報告されています。一方、オミクロン株ではデルタ株に比べて重症化リスクが低いといわれていますが、油断は禁物です。

図3 オミクロン株の状況
厚生労働省などの資料をもとに作成

小さな飛沫で感染

新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染を中心として、接触感染やエアロゾル感染でうつるとされています。飛沫感染とは感染者の会話やくしゃみ、咳などの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染するものです。一方、エアロゾル感染には国際的に統一された定義はありませんが、飛沫に含まれる水分が蒸発し小さくなると空気中に漂う時間が長くなり、これを吸い込んで感染すると考えられています。

相次ぐ治療薬

新型コロナウイルス感染症には特効薬がなく、別の病気に使われている薬の中から効果のあるものが使われていましたが、21年になると新開発の治療薬が相次いで登場しました。21年7月には国内で初めて軽症・中等症患者の治療薬(中和抗体)としてカシリビマブとイムデビマブが承認されました。アメリカのバイオ企業が開発した2つの抗体を組み合わせて使うため、抗体カクテル療法と呼ばれていますが、オミクロン株に対する効果は減弱していることが報告されており、使用は推奨されていません。

9月には同じように点滴で投与するソトロビマブが承認されました。また、初の飲み薬で軽症向けのモルヌピラビルが12月に特例承認されました。さらに、22年1月には関節リウマチ治療薬で抗体製剤のトシリズマブが、新型コロナウイルス感染症に伴う重症肺炎に使えるようになりました。日本で承認されている治療薬は、抗ウイルス薬のレムデシビルなどと合わせて7種になりました。

表2 新型コロナウィルス感染症の主な治療薬
厚生労働省などの資料をもとに作成

有効性は不明

新型コロナウイルス感染症の治療薬とワクチンは、デルタ株までの変異株に対しては、一定の効果を維持していました。しかし、新たな変異株であるオミクロン株に対するワクチンや治療薬の有効性は、はっきりとわかっていません。ワクチンによる感染予防効果は落ちるかもしれないとの推測がある一方、重症化予防には一定の効果があるのではないかとの見方もあります。

ワクチン接種後も感染予防策を再徹底

ワクチンには感染や発症、重症化の予防などの効果がありますが、残念ながら100%とはいえません。そこで大切なのが、ワクチン接種前から実施していたマスクの着用、3密回避、こまめな換気、流水、石鹸による手洗い、消毒用アルコールによる手指衛生などの基本的な感染予防策の再徹底です。新型コロナウイルス感染症だけでなく、ぜん息やCOPDを悪化させる風邪などの感染症予防や、アレルゲンの吸入予防にもつながります。

いつでも不織布マスクを

豊橋科学技術大学などが実施した理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」を使った解析では、マスクをしない場合の飛沫量を100%とした場合、不織布マスクでは吐き出し飛沫量を20%、吸い込み飛沫量を30%に抑えました。これに対し布マスクは吐き出しで18~34%、吸い込みで55~65%、ウレタンマスクは吐き出しで50%、吸い込みで60~70%という結果で、不織布マスクの効果が最も高いことが分かりました。さらに、鼻の部分に金具があるタイプは折り曲げて鼻に沿った形にして、すき間のないように鼻からあごまでを覆うと効果が高くなります。

新型コロナウイルス感染症は、感染すると症状が出る前からウイルスを排出します。症状の有無にかかわらず、いつでもマスクを着けましょう。

正しいマスクの着用
鼻と口の両方を確実に覆う
1. 鼻と口の両方を確実に覆う
ゴムひもを耳にかける
2. ゴムひもを耳にかける
隙間がないよう鼻まで覆う
3. 隙間がないよう鼻まで覆う

出典:首相官邸HP

人混みを避ける(3密回避)

厚生労働省は2021年11月、オミクロン株であっても従来と同様に3密の回避、マスクの着用、手洗いなどの基本的な感染予防策の徹底を推奨するとの通知を各自治体に出しました。オミクロン株についての十分な情報は得られていませんが、ひとりひとりの基本的な感染予防策を徹底してほしいとしています。

こまめな換気を

飛沫より小さく軽いエアロゾルは、より長い時間空気中を漂う可能性があります。そこで重要になるのが、こまめな換気です。しかし、寒い冬の時期の換気は室温を下げてしまいます。部屋を暖めてから換気する、加湿器を使って湿度が下がらないようにする、換気時間と換気の間隔を短くするなどの工夫をしましょう。

帝京大学 医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学 教授 神田 紀男 先生
帝京大学 医学部 内科学講座 呼吸器・アレルギー学 教授
長瀬 洋之先生

1994年東京大学医学部医学科卒業。96年東京大学物療内科を経て、2003年帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学、16年から現職。日本アレルギー学会気管支喘息ガイドライン専門部会作成委員。

読者へのメッセージ

欧米ではロックダウン(都市封鎖)中に、ぜん息患者はコロナに対する不安感が強い傾向がみられました。この不安がアドヒアランス向上につながったのかもしれませんが、過度にコロナを恐れる必要のないことがはっきりしてきました。今までの治療を続け、ワクチンを接種し、基本的な感染予防策をとった上で、コロナ以前の日常生活を徐々に取り戻して欲しいです。これはCOPDの患者さんでも同じです。お孫さんに会うとか友人と会食するとか、感染予防対策をとりながら楽しいことを実現していきましょう。これが3年目に入ったコロナとの生活の課題だと思います。

国立感染症研究所 感染症疫学センター 予防接種総括研究官 多屋 馨子 先生
国立感染症研究所 感染症疫学センター 予防接種総括研究官
多屋 馨子先生

1986年高知医科大学(現高知大学)医学部医学科卒業。大阪大学医学部微生物学講座助教、同大学医学部小児科学講座助教などを経て、2001年から国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官。同センター第三室室長を経て、21年から現職。

読者へのメッセージ

感染症予防には感染源、感染経路、感受性という3つの要因に対する対策があります。感染源対策はウイルスで汚染されたものの消毒や感染者の隔離、感染経路対策は飛沫感染や接触感染などを防ぐこと。この2つしか対策のない時代が長かったのですが、現在は感受性対策も可能になりました。ウイルスに対する免疫をつけて感受性をなくすもので、ワクチンや抗体療法を指します。これらを理解したうえで対策に取り組むこと、つまり感染症やワクチンについて知ることも、とても大切な感染予防対策です。2月は多くの方が3回目接種を迎える時期でしょう。ぜひ、3回目接種を検討してください。