コンテンツ 読者Q&A

本誌に寄せられているぜん息&COPDに関するさまざまな悩みや疑問に、編集委員の先生方がわかりやすくお答えします。

  • Q.1
    COPD・ぜん息の方が喫煙することの危険性や、禁煙の方法を教えてください。
    (38歳・女性)
    A.1
    病状を悪化させるだけでなく、依存症になり禁煙が難しくなることがあります

    COPDやぜん息をお持ちの方は、気管支が炎症を起こしているため、外部から異物が入ってきてもうまく外へ出すことが健康な人より難しいことがあります。たばこには、ニコチンやタールだけでなく多くの化学物質が含まれていますが、これらが体内に入りやすい状況のため、喫煙することにより、COPDやぜん息がさらに悪化してしまう危険性があります。

    また、たばこに含まれているニコチンは依存症を引き起こします。そのため、習慣的に喫煙してしまうと、禁煙が難しくなります。禁煙治療では、このニコチン依存症を断ち切るよう薬物療法を取り入れていく方法があります。さらに習慣となっている喫煙行動を変える支援をしていきます。

    近年では、より多くの人が禁煙治療を受けられるよう、オンラインで診療を受けることやアプリケーションを使った禁煙治療にも保険が認められています。以前のような「強い意思がなければやめられない」という方法から「支援を受けてたばこをやめる」方法が勧められています。ぜひ、一人で頑張るのではなく、医療従事者に相談してみてください。

    順天堂大学大学院 医療看護学研究科国際看護学 教授 若林 律子先生
  • Q.2
    子どもが3人ともぜん息です。子どもがアレルギー体質にならないよう、妊娠中に気を付けるべきことはあったのでしょうか。
    (56歳・女性)
    A.2
    確かな予防策はありません。喫煙を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう

    アレルギー疾患の予防については、妊娠中のオメガ3脂肪酸やビタミンD、乳酸菌などのプロバイオティクスの摂取がお子さんのアレルギー疾患の発症リスクを減らす可能性が報告されています。しかし、研究により結果が異なるため議論の余地があり、いずれも発症予防のための確かな方法とはされていません。ぜん息の発症に関わる因子には、本人や家族の体質などのその人が持つ特徴だけでなく、アレルゲンへの曝露ばくろ、喫煙などの生活環境があります。特に妊娠中の喫煙や受動喫煙はぜん息の発症リスクを高くすることが知られています。アレルギー体質にならないために妊娠中にできる確かな予防策はまだありませんが、過度な食事制限は行わずにバランスの取れた食事をすること、適度な運動をすること、喫煙しないことなどに気を付けてみてください。

    国立病院機構相模原病院 臨床研究センターアレルギー性疾患研究部長 佐藤 さくら先生
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