
ぜん息と前向きに付き合い笑いと感動を届ける
おばたのお兄さん
大人になってからぜん息を発症しつつも、笑いを通じて元気を届けてくれるおばたのお兄さん。お笑いやスポーツ、ミュージカルなど、幅広く活躍を続けるためにぜん息としっかり向き合い、エンターテインメントの世界でますます輝き続けています。
大学を卒業してから吉本興業の〝お笑い養成所〟に入り、同時にアルバイトも始めてから1年後、ぜん息を疑うような症状が出ました。
そのころ、昼間は養成所に通い、夜は飲食店でアルバイトをしていました。アルバイト先ではたばこの煙が充満しており、副流煙から逃れられないような環境でした。朝までお店で働き、家で4~5時間寝て、養成所に行く――といった生活を続けて、ついに体からのSOSが咳になって出てきた感じでした。
兄が小児ぜん息だったので症状は知っていたものの、大人になってから発症するぜん息については知識がなく、そのころはお金も時間もありませんでした。自分の症状を医師にちゃんと伝えられず、通院できないときには市販薬で「症状だけおさまれば…」とごまかし続けていました。
「ぜん息」と診断を受けたのは、2017年ごろです。テレビ出演が増えて仕事が忙しくなってきたころで、改めて呼吸器内科の先生のところに行きました。発症から治療を始めるまでに5年ぐらいかかりました。
お笑いは人前でしゃべることが仕事なので、咳はかなり影響していて、本当に悩んでいました。ぜん息で苦しい中、仕事でミニマラソンに出場したこともあります。ミュージカルの仕事でも、歌唱中に咳をするなんて一番よくないことです。
それに、仕事場で咳をしていると、周囲にも迷惑をかけます。特に今はコロナや、インフルエンザなどウイルス性疾患への心配もありますよね。ですから、僕は咳が出始めると「ぜん息の症状が出ています」と、仕事仲間に説明するようにしています。
治療を始めてからも、風邪をひいたりすると、またしつこい咳が出てきます。空気が乾燥する時期には体調を崩しがちなので、とにかく「疲れ」をためないように全力で取り組みました。
とはいうものの、地方営業では一週間で一道七県を回るようなこともあります。そういう時には、まず睡眠時間を確保し、マネージャーにきちんと仕事の調整をお願いするようにして、体を壊す前に予防するようにしています。
ビタミンなどのサプリメントも積極的に摂っています。お酒はリラックスするために飲みたい時もありますが、利尿作用でせっかく摂ったビタミンが排出されてしまうので、体調によっては我慢します。
冬場の加湿や寝具など、家の中の環境も見逃せないです。2歳の子どもには、保育園から帰ってきたらうがい、手洗いを徹底させており、アナウンサーの妻も含め、基本的な体調管理は家族全員で共有するようにしています。
2025年6月、救急病院に駆け込む経験をしました。5月末までミュージカルに出演していて、ぜん息の症状を抑えようと、処方されている吸入器の1日の使用上限を超えて使っていました。
もちろん、医師から用法用量を守ってくださいと言われていましたが、とにかく早く回復したい一心で、過剰使用を続けていたのです。
ある夜、帰宅したタイミングで、咳が止まらず、呼吸が浅くなり、目の前が暗くなってきました。「これはまずい」と焦り、近くの病院にタクシーで駆け込みました。幸い、点滴を受けて症状はおさまりましたが、本当に命の危険を感じました。
このことを注意喚起の意味を込めてブログで発信したところ、ぜん息患者やその家族の方から多くの反応をいただきました。改めて医師の言うことはきちんと聞いて、知識を得ることが大事だと思いました。
私の兄は小児ぜん息でも水泳、野球、剣道といろいろなスポーツを通じて克服しました。スポーツを続けることで体力がついて症状も良くなる可能性があると思います。
私も大人になって突然、ぜん息と付き合うことになりました。ですが、自分の体としっかり向き合うことで、お笑い・スポーツ企画・ミュージカル舞台という三つの仕事に挑戦し続けることができています。同じ症状がある皆さんも、諦めずに夢を追いかけ続けてほしいと思います。
経験を多くの方にお伝えいただきありがとうございます。当時投稿されたブログで、状況を察した息子さんが「頭なでなで」をしてくれたと記されていました。「頭なでなで」はどんな病気にも効くおまじないですね。ぜん息の増悪(発作)は、安定していても環境要因によって起こるため、増悪が出た時のアクションプラン作成が大事です。おまじないだけでなく、増悪の前兆を理解し、安全管理の計画を一緒に立てておきましょう。
本誌編集委員長 昭和医科大学 名誉教授 田中一正先生
1988年6月5日生まれ。新潟県魚沼市出身。吉本興業所属のお笑いタレント。剣道・野球・ラクロスなど多彩なスポーツ経験を持ち、日本体育大学卒業後に芸人の道へ進む。コンビ「ひので」でデビュー後、ピン芸人としてブレイク。現在は俳優、YouTuber、草野球チーム監督など幅広く活動し、吉本坂46や魚沼特使も務めている。 妻はフジテレビアナウンサーの山﨑夕貴さんで、一児の父として育児にも励む。
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